桂離宮 | |
新建築社 | |
新建築社 |
「桂離宮」という天皇の別荘が京都にあります。
1600年代に建てられ宮内庁が管理し、一般の方も無料で見学出来る。
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
建築に関わる方なら名前くらいは聞いたことはあるレベルの有名な建物です。
見学も無料とはいえ、その予約方法が面倒でみたくても見れないのこれまでのイメージです。
が、最近はインターネットで予約受け付けも可能になりまだマシになりました。
これまでは京都まで直接申し込みに行くか往復ハガキで返事を待つ という途方も無いハードルでガードされていたのです。
また、紅葉の時期など人気な時期や閑散な時期とバラつきがあるようです。
記事の一番最後に紹介しているこの本が結構面白かったです。桂離宮と日光東照宮は17世紀の同じ頃、
同じようなメンバーが絡んで建てられました。太陽のモチーフと月のモチーフの対比。
別荘と神社。ブルーノタウトの感想の格差。
天皇家と幕府創設者の対比。
侘び寂びの世界観と質実剛健の世界を好んだ家康との対比。次は日光東照宮を見に行ってみたいです。
桂離宮は「月」を楽しむ 場所として作られた場所です。存在理由として桂離宮と月は本当は切っても切れないはず。
なのになぜ?16時から17時が最終の見学枠なのか?月、出てないよねこの時間。
お役所仕事にもほどがある!
無粋です。もっと偉い方や文化人の方がプレッシャーかけてほしいです。
月を楽しむ場所では月を楽しませてよ。
庭が楽しめるように作られた。一時間だけでなく、もっとゆっくりしたい。
↓ 四季に分けて再訪したい。
↓ 見学には「外国人枠」のようなものがあると都市伝説ぽいことも耳にしました。
確かに外国の方が数名居られました。この侘び寂びの空間をどう感じたのでしょうか
↓ 昭和の大修理の際にこの石を全部紙にトレースして書き写してから、
凹んだ部分を平らにして再度まったく同じように石を並べなおしたらしいです。
「昭和の大修理」のことはプロジェクトXにもなったようです。
↓ 橋。これらはさすがに17世紀のままではなく、ちょいちょいやり変えているようです。
そりゃそうか腐りますわね。新しくした際に苔も植樹したから苔てますが、その手間の通路の部分の苔は
枯れてしまっています。もともとはこの通路のあたりも飛び石以外は苔で覆われていたらしいです。
↓ 有名な市松柄。いろいろ特別サービスがありました。書いちゃいけないと釘をさされたので書けません。
↓ 三和土
↓ キリシタン灯籠。マリア像の上部だけが模様のようにみせているが、地面の下の部分まで合わせるとマリア像が出てくる。
神道の中心である天皇家の別荘で、他の宗教の神様を仕込むとか当時のデザイナーはやりたい放題ですね(笑)
↓ 茶室の中に入れないのが残念。腰かけるのまではOKです、首を室内に突っ込んでの内覧です。
じっくり体感したいなぁ。
↓ 有名なポイント。以外に小さい。
↓ 草の延段 。並べ方により 「真」「行」「草」と3段階あります。
↓ この書院の中をみたいのなー。ふすまもあけてくれません。残念。月のデザインの欄間もみれず。
↓ ガイドのおじさんがこの石のサイズを全部測ってみたら、手前から奥にいくにしたがって、
石が5mmづつ大きくなっていたとのこと。入り口に立った瞬間から空間が広く感じられるように配慮しているのです。
これはこの庭に面した障子も同じような感じで作られており、サイズが違うもので構成されているといったマニアなデザイン。
↓ 関守石。ここからは入ってはイケませんの印。
↓ おそらく「昭和の大修理」の際に合成樹脂で補修したのではなかろうかと思われる部位。
白く色なっているところが合成樹脂?その時は色を塗ってわからないようにしていたのでしょうが、
ここの部位のように雨が当たるところは剥げてしまったのでしょう。
昭和の大修理の際、合成樹脂で補修された部分はあと、何年もつのでしょうか?
また樹脂?たぶん無理です。気がつけば、すべて新しい材料に入れ替わってしまっているのかもしれませんね。
↓ 俵万智さんが書いていた本に、この桂離宮の元ネタは1000年くらいに書かれた『源氏物語』からだと紹介がありました。
そうするとフィクションの物語を600年後くらいに実物を作ってしまったという壮大なストーリーになります。なんかすごい。
桂離宮 (とんぼの本) | ||||||||
俵 万智,十文字 美信 | ||||||||
新潮社
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桂離宮と日光東照宮―同根の異空間 | |
宮元 健次 | |
学芸出版社 |