先月29日から3泊4日の日程で、日本の国際視覚障害者援護協会(IAVI)より、2名の方がミャンマーへ来られていた。
IAVIは、開発途上国の視覚障害者リーダー要請を目的として、主にアジアの国々から視覚障害学生を日本へ招き、日本での留学生活を全面的にサポートしている。
これまで、約17カ国から70名を受け入れ、その多くが、日本の盲学校や大学などで学んだ知識・技術を活用して、各国の視覚障害者のために活躍している。
今年は、5年ぶりにミャンマーからも留学生を受け入れていただくことになり、IAVIの方々がその新留学生を迎えに来られたのである。
今年選ばれたのは、24歳男性。
昨年は選抜審査に不合格となったが、今年は再度挑戦し、ついに日本留学への切符を手にした。
出発日、ヤンゴン国際空港には、彼のご両親を初め数名の人たちが見送りに来ていた。
先生もかけつけ、ご両親も息子を見送るために、ミャンマー北部の町から夜汽車を乗り継ぎ、2泊三日かけてヤンゴンまで出てこられたとか ・・・。
本人は厚めの長袖上着を着て、リュックを背負い、東南アジアから北国日本へ行く準備も万全のようだ。
私も声をかけ、彼とご両親と握手をしたが、本人からは数年来の夢が適った充実感が漲っていた。
先生やご両親はやはり心配のようで、チェックインの際も特別に許可をもらい、出国ゲートまで送っておられた。
これまで教えてきた先生の気持ち、遠い外国へ全盲の子供を一人で行かせるご両親の気持ちはいかがなものだろうと、私は彼らの様子を見ながら考えた。
しかし、本当に大変なのはこれから。
せっかく獲たチャンスを生かすためにも、ミャンマーの代表としての自覚と責任感を持って、充実した日々を送ってもらいたい。
そして、ミャンマーへ帰国する時には、個人の幸せや自分の関係団体のためだけでなく、ミャンマー全体の視覚障害者のために働くことを考えてもらいたい。
それにしても、彼は生まれてはじめての飛行機の中で何を考えただろう?どんな夢を見ただろう?
日本で生活を始めた彼からの声が楽しみだ。
塩崎
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