9月ももう終わろうとしている。時の流れが本当に速い。
今月17・18日は、トレーニングセンター2年生の集中講義を行った。
普段は全国の母校で教育実習を行っている2年生の学生全員を2ヶ月に1度、
ミャンマー中部の盲学校に集めて学生同士の情報交換も含めた集中講義を行う大切な行事だ。
7月の第1回目に続き、今回は第2回目。
ミャンマー第2の都市マンダレーから車で走ること約2時間、そこに今回の会場としてお借りしたメッティーラ盲学校はある。
会場校に行ってみると、昨年センター内で勉強していた学生たちが全国各地から到着していた。
二日間を通して学生たちの情報交換の会話が絶えず、お互いに励ましあい気持ちを再度新たにしているようだった。
集中講義1日目午後には、メッティーラ盲学校で教育実習をしている学生の生理学と按摩基礎実習の授業の様子を2年生皆で見学した。
その日の生理学では、呼吸器について勉強していた。
前回の復習に始まり、内容の説明・ノートテイク指導まで生徒の理解度を一つずつ丁寧に確認しながら指導していた。
また、実習の時間には、私の教え子が指導した生徒の按摩を受けさせてもらったが、
昨年私がセンターで教えたことが、ヤンゴンから遠く離れたこの学校の生徒たちにもしっかり伝わっており、感動させられた。
ところで、彼はこれまで基礎教育を受けるチャンスに恵まれず、昨年センターでも大変苦労した学生だ。
テストの度に追試の連続 ・・・。しかし、同時にクラスの中で一番努力を続けた学生の一人でもある。
私は彼の潜在力を信じ、毎日放課後に点字のノートを辿りながら一人黙々と勉強する姿をずっと見ていた。
今、教壇に立っている彼を見ながら、昨年の彼の姿を思い出した。
生徒を気遣った彼の丁寧な授業には、彼自信が苦労してきた経験が間違いなく生きている。
集中講義から帰った後、26~28日までの三日間は、1年生の1学期期末テストをした。
やはり、ここでも諸事情で基礎教育に恵まれなかった学生たちの学校代表としての強い責任感と凄まじい努力が目立つ。
盲学校の教員養成であるという観点から、私は成績評価は大変厳しくしているが、
意図を理解し必死になって努力し結果を積み重ねている教え子たちの姿には、本当に頭が下がる。
センター学生でいられるのは人生の中でたったの2年間。
これ以上ないほどの努力を通して限界に挑戦し、自分自身のまだ見ぬ潜在力に気づいてもらいたい。
そして、本センターの卒業生として誇りを持ってミャンマー全国各地の盲学校の教壇に立ち、
生徒たちに「自立の可能性と努力の大切さ」を語りながら、視覚障害者のモデルを示してくれる日を楽しみにしている。
塩崎
写真上:メッティーラの2年生が自分の生徒に授業を行う様子
写真下:閉会式、2年生ら参加者全員で
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