むかしある所に 飲んだくれで 全然働かない魚屋の 亭主がおりました。
ある朝 女房にたたき起こされて イヤイヤ仕事に出掛けると 浜でお財布を拾いました。
中には四十二両の大金が入っていました。
亭主は これで一生遊んで暮らせると思い 家に帰ると仲間と酔っ払ってドンちゃん騒ぎ!!
次の日 酒代を払おうと 財布を探すが どこにも見当たらず 女房に尋ねると
「そんな財布知らないよ。 夢でも見たんじゃないの。」 って
それを聞いて 亭主は 夢だったのかとがっかりしました。
それからは心を入れ替え 酒をやめ 「いつかは自分の店を持つんだ。」と
無我夢中で働き 3年後には本当に お店を構えるまでになりました。
その年の大晦日の夜 女房が亭主に 本当の事を打ち明けました。
もちろん夢でも 何でもなくて 財布もちゃんとあります。
一生懸命頑張った 亭主に 女房が酒を出しました。
亭主は3年振りの酒に 嬉しそうに盃を口に持っていきますが
その寸前で 「いや飲むのはよそう。 また夢になるといけねぇ~。」
古典落語の “夢 と言う ”飲んだくれの男が 夢のおかげで 真人間になると言うお話ですが
“夢” とは・・・
真面目にコツコツと努力をしながら 叶えるもの 簡単じゃないからこそ 大きな大きな夢となる。
あなたには どんな夢がありますか?
人が聞いたら 大笑いするぐらい 大きな夢を持って生きている人って 素敵ですよね。
合掌 栄久山 妙善寺
先月 お盆のお経に 檀家さんのお家に出掛けた時の事です。
お経が終わると そのお家のお孫さんから
「おしょうさん 南無妙法蓮華経は どう言う意味なの?頭文字に南と書いてあるけども北や西も有るの。」 と質問されました。
〝キラキラ〟と輝く目の 小学生のお孫さんの質問はとても可愛く新鮮でした。
南無とは 帰依(きえ)帰依とは つまり尊敬や崇敬の意味です。
妙法蓮華経とは お釈迦様の説かれたおしえの1つ 略して法華経です。
南無妙法蓮華経とは お釈迦様が説かれた 最も尊い教え法華経を一生懸命に信仰していきます。と言う意味です。
んん・・・
この説明は 小学生には難しいなぁ~・・・
そこで おしょうさん考えました(笑)
南無が 尊敬・崇敬の意味ならば!!
南無は 私はあなたの事が大好き!!と言う意味!!
そうです!!
〝南無妙法蓮華経〟とは お釈迦様の尊い教えの法華経を 〝法華経大好き〟 〝法華経大好き〟と唱えているのです。
私は お孫さんに答えました。
「南無妙法蓮華経は お父さんもお母さんも お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも ご先祖さんも 大好きな言葉だから 唱えていると 楽しくなるし 嬉しくなるし 勉強が出来るようになるよ。」 と!!・・・
その後の お孫さんの目は 質問前よりも〝キラキラ〟と輝いていました。
美しい輝く瞳に癒やされる お盆の思い出でした。
合掌 栄久山 妙善寺
仏像は さまざまな物を手に持っています。
例えば 観音様は 蓮華や水瓶を持っています。
蓮華は 泥水に汚れ染まることなく 美しい花を咲かせる事から 煩悩に染まることなく 悟りと清らかな心 を意味します。
水瓶は 人々の願いを満たす財宝が 蓄えられています。
また多くの仏像が 手にしている宝珠は 人々の願いを叶えてくれる 有り難い珠です。
日蓮宗では 鬼子母神様を お祀りしているお寺が 多いですが 鬼子母神様が手に持っている ざくろは 安産・子育て を表しています。
それは ざくろの実が たくさんの種を含んでいる事から意味しています。
日本では 昔から ざくろの実は 子宝の象徴とされ 大切に育てられてきました。
妙善寺の子安鬼子母神十羅刹女様も 子安・安産・子育ての神様として 古くから 大変な信仰を集めてきています。
私達が 清らかな心で手を合わせた時 沢山の有難い持物を持っている 神様・仏様が そっと持ち物の力を 授けてくれます。
不安やお願いしたい事がある時は 素直な心で 手を合わせてみて下さい。
あなたの素直な心に 必ず神秘な力が 降り注がれます。
合掌 栄久山 妙善寺