未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

田舎暮らし

2019-01-04 11:57:27 | 雑感
私の父は観音寺出身。統合されて観音寺市になりましたが少し前まで大野原町というところでした。まあ名前の通りな所です。

父も高齢者の仲間入りをし、長男の私も少し先の将来を考えていかねばならない時期なのです。仮に移り住むとして、裏の倉庫を改装して道場にするのか近所の最近父が目をつけている建物を買い取って道場にするか。中々宜しいですやんか。ロープ垂らしたりボルダリングもいけそう。手前がうちの田圃らしいので都合がいいらしいです。

まあしかし、です。
このド田舎暮らしが上手くいく気がしない(笑)年に数日遊びに行く分にはサイコーでテレビや雑誌も憧れの田舎暮らしなんて銘打って良いところしか流しませんが、根性悪い人も相当数居ますからね。



昔、この土地の氏神さんで一家の長男が集って矢で的を射る百手という行事にスーファミの報酬に釣られて参加したのですが此処で生涯覆ることのない印象を植え付けられることになりました。

百手に出るとなるとご近所さんから祝儀を戴けます。そしてそれがまた結構な額になります。スーファミとソフトのセット如きで近所への体面が保てるなら安いもんでしょう。加えて本番では矢を的に当てると一本毎に賞金もでます。

とまあ子供目線でも分かりやすくお金が絡む行事な訳です。本番前、越天楽の生演奏が流れるまで子供たちは親から離されて詰所に集められます。そこに居るのが地元の子が見た事のない私。変な話彼らよりは若干垢抜けていたでしょうから目立ったのもあるでしょう。リーダーみたいなのが近付いて来ました。

「お前どこのもんや。他所もんやろ。他所もんが遥々金もらいにきたんか。」と取り巻き諸共嘲笑いながら言われました。血の気が多い私でしたが何となくこの辺の人の持つ気質は分かっていましたし、喧嘩をすると都会もんは野蛮だなんだ言われて村八分みたいになるような気がしたので飲み込んで無視を決め込み母にだけ報告。正直事故を装って射て殺したろかと思いましたが小学生であんな言葉がツラツラ出てくるのが田舎の本質だと思い知りましたし、自分に半分田舎の血が流れているのを随分長い間、ホント最近まで忌み嫌いましたね。父にも最近その話をしたら、よくそれを婆ちゃんに言わず我慢したなと。ウチの跡取りに何言うたー!て親を巻き込んで大騒動になってたと。


また別のエピソードで、神戸の祖母と母、私達兄弟で六甲山に登った時にバス停で祖母と同年代の婦人と一緒になりました。ウチの祖母は商売人なのでよう喋ります。その方と瞬く間に打ち解けて老人トークを炸裂させていたのですが、その方が母に今日ご主人は?と訊かれた所から香川の大野原という所に嫁ぎましてねと祖母が横入り。すると偶然にもその婦人も神戸から大野原に嫁いだ方で、結婚してからは都会もんがと虐め抜かれたので暫くして逃げて来たという話でした。そこから三人で盛り上がる盛り上がる(苦笑)正直目くそ鼻くそやでと思いながら然もありなんと横で聞いておりましたが。


個人的に受け入れられなかったのが学歴主義です。田舎根性と言おうかはたまた田舎者コンプレックスなのか良い大学から良い会社という人生プランを幼少期から香川へ行く都度聞かされ続けました。今でも香川は東大京大進学率が全国二位らしいです。確かに友人にも多い。
しかし私は小学生時分から勉強の意義が分からなくて納得がいかず、中学→高校、高校→大学の引き渡し産業にしかなっていない学業に更に興味をなくしたので大学には行かないと高校入学時には考えていました。しかし父は転勤に次ぐ転勤の末戻ってこれた香川から動きそうになかったし私は上記の件から絶対香川から出たかったので余り勉強しなくても行ける大学をチョイスして脱出。祖母は何処にしたん?と気にしてたので私も一応は親戚が世間に後ろ指指されない大学にした積もりだったので〇〇大学だと答えたのですが返ってきた返事が「隣の子は京大受けるのに」でした。首絞めたろかと思いましたが仮に私が東大や京大に行ったとしても今度は「あの子は理三やのに、医学部やのに」となるに決まってるのです。まあ優秀な下二人や従兄弟達の大学進学まで生きられず一番不出来な私の大学しか知らずに逝ったのはさぞ残念だったでしょうな。生きててもその後私が空手の先生してるなんて知ったらそれが原因で事切れてたでしょう(笑)そもそも百姓の跡取りにする積りなら学歴要らんやろと小さな頃から疑問でしたけど。



長々書き連ねましたがこんな気質を持つ人が多いのが田舎です。けど彼らに悪気はないのです。だから対応が後手後手になる。テレビに映る成功者達は周りの方々に灰汁が少なかったのでしょう。当然根っからの良い人も居ます。それは都会も田舎も同じですが相当な清濁併せ呑む(それも濁のクセが強い)覚悟がないと田舎では暮らせないのではないかなと思うのです。だから幾ら土地や建物が余っているといえど諸手を挙げて暮します!とはなれないんですねえ。どうしたものでしょう。





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