普段、私たちが何気なく使っている道路は、大きく分けて2種類があります。ひとつは国や県、市が持ち主となっている公道で、もうひとつは個人や業者が持ち主の私道です。法律上、私道は地権者が管理することになっていますが、古い私道の中には、相続や業者の廃業のために事実上、地権者がいなくなっていることがあります。その場合、開発行為や修繕の際に、手続きに支障が出ることが予想されます。そこで、12月議会において私道の管理と権利者不在問題に対する考え方を質しました。
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――市内の私道の中には、権利者が不動産業者などになっており、しかもその業者の廃業などで実態がなくなっている場合がある。つまり実質的に権利者が不在になっている、宙に浮いている状態である。そういった個所は、今後修繕が必要になった場合や開発行為の際、必要な措置を取れなくなるのではと懸念するが、市の考えは。
土木部長「私道に関しては、市が維持管理を行うことはなく、整備の際に補助金を交付する形を取っている。交付にあたっては、一定の要件を満たすことになっている。その中で、土地所有者の承諾という項目がある。議員の指摘の通り、整備されてから相当の年月が経過し、所有者が不在・不明であり、私道路整備補助金が受けられず、整備できないという事例が発生していることは認識している。今後は、どのような対応策あるか、法律的な相談を含め検討していく」
――法律相談ということだが、条例等で何とかできないものか。
土木部長「今の法律の解釈では、道路といえども権利者・所有者がいるのであれば、何かする際には承諾を取るのが原則と考えている。一方で、私道であれ人が通るというのは止めることはできず、公共性は高いと考えている。その中で(権利者が)本当に不明なり、承諾をいただけない状態の場合に何もできないというのは、(市担当部課)内部でも疑問が残っており、具体的に法律の観点から勉強して結論を出したい」
――承諾を取ろうにも、取る人がもういない状況になってしまうと、行政による代執行のようなものが必要になるのではないか。現状、法律的には難しいということだが、最終手段として(代執行の)可能性はあるか。
土木部長「その場合、補助金制度に則り、地域(自治会)などに補助金を出して行っていただくことになる。その際、(代執行をした後に権利者があらわれて)『何で勝手にやるんだ』ということで訴訟問題などになると、地域の方に迷惑をかけることにもなりかねず、ここら辺のクリアが必要だ。再度の答弁になるが、(法的なことも含め)勉強していく」
――権利が絡む話で、一筋縄にいかないのは理解できる。勉強していくとおっしゃっていただいたので、法律的な観点からもしっかり研究し、対策を練ってほしい。
法律、権利の壁はなかなか厚いようです。しかし近い将来、必ず直面する課題です。特に古い私道、造成が盛んだった昭和30年代頃につくられた道路は、今後ますます修繕が必要になっていくでしょう。そんな中、この問題について提起したのは私が初めてのようで、これまで担当の部課すらありませんでした。それを課題として市に認識してもらったことが、この質疑の収穫でした。今後も対応策が見い出せるように、研究して参ります。
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――市内の私道の中には、権利者が不動産業者などになっており、しかもその業者の廃業などで実態がなくなっている場合がある。つまり実質的に権利者が不在になっている、宙に浮いている状態である。そういった個所は、今後修繕が必要になった場合や開発行為の際、必要な措置を取れなくなるのではと懸念するが、市の考えは。
土木部長「私道に関しては、市が維持管理を行うことはなく、整備の際に補助金を交付する形を取っている。交付にあたっては、一定の要件を満たすことになっている。その中で、土地所有者の承諾という項目がある。議員の指摘の通り、整備されてから相当の年月が経過し、所有者が不在・不明であり、私道路整備補助金が受けられず、整備できないという事例が発生していることは認識している。今後は、どのような対応策あるか、法律的な相談を含め検討していく」
――法律相談ということだが、条例等で何とかできないものか。
土木部長「今の法律の解釈では、道路といえども権利者・所有者がいるのであれば、何かする際には承諾を取るのが原則と考えている。一方で、私道であれ人が通るというのは止めることはできず、公共性は高いと考えている。その中で(権利者が)本当に不明なり、承諾をいただけない状態の場合に何もできないというのは、(市担当部課)内部でも疑問が残っており、具体的に法律の観点から勉強して結論を出したい」
――承諾を取ろうにも、取る人がもういない状況になってしまうと、行政による代執行のようなものが必要になるのではないか。現状、法律的には難しいということだが、最終手段として(代執行の)可能性はあるか。
土木部長「その場合、補助金制度に則り、地域(自治会)などに補助金を出して行っていただくことになる。その際、(代執行をした後に権利者があらわれて)『何で勝手にやるんだ』ということで訴訟問題などになると、地域の方に迷惑をかけることにもなりかねず、ここら辺のクリアが必要だ。再度の答弁になるが、(法的なことも含め)勉強していく」
――権利が絡む話で、一筋縄にいかないのは理解できる。勉強していくとおっしゃっていただいたので、法律的な観点からもしっかり研究し、対策を練ってほしい。
法律、権利の壁はなかなか厚いようです。しかし近い将来、必ず直面する課題です。特に古い私道、造成が盛んだった昭和30年代頃につくられた道路は、今後ますます修繕が必要になっていくでしょう。そんな中、この問題について提起したのは私が初めてのようで、これまで担当の部課すらありませんでした。それを課題として市に認識してもらったことが、この質疑の収穫でした。今後も対応策が見い出せるように、研究して参ります。