内視鏡でがんを切除した後、食道が狭窄してしまいました。
食道全体が同じ環境にあるので他の部位にがんが発生する可能性があります。今回、がんが発生したのは食道の入口に近い所で、ここが狭窄してしまいますと、これより奥に内視鏡が通らなくなり、もしもの時に、治療できなくなってしまいます。拡張の目標は、内視鏡が通ることです。
また、食道が狭窄すると、嚥下しにくくなり、食べたものを詰まらせることがありました。詰まった時は、吐き出さざるを得ません。何度が詰まらせ、飲み込むのをためらうようになり、食事するのが億劫になっていました。
狭くなった食道を拡げるのに、バルーン(風船)を挿入し膨らませます。この時、穿孔等の危険があります。拡張は何回かに分けて行われますが、最初の処置ほど危険が大きいので、1回目と2回目は入院して治療します。
25日(金) 朝から絶食し、大学病院、消化器内科に再入院しました。午前中に事前検査を終え、午後、1回目の内視鏡的バルーン拡張術を受けました。鎮静剤の点滴下での処置で、意識のない状態で行われ、終わっても痛みはありませんでした。処置後、しばらく眠り、すっきりしました。夕方、主治医の先生に触診していただき、穿孔などの異常は起きていませんでした。当日は、絶飲絶食で、翌日午後から水分可、夕食から食事を再開しました。
30日(水) 2回目のバルーン拡張を行いました。朝から絶食で、昼ごろに治療を受けました。夜から食事再開しました。
順調に推移し、2月1日(金)退院できました。当面、週1回通院して、バルーン拡張治療を続けていきます。
引き続き、ステロイド剤を服用していきますので、免疫力の低下に要注意です。無用な外出を避け、適度な温度と湿度の部屋にこもります。止むを得ない外出は、マスク着用で、帰ったら手洗いとうがいです。
拡張術によって、食べた時の通りは、大きく改善されました。完全には戻らないので、ゆっくり食べるように心がけていますが、詰まる不安が無くなり、美味しく食べれるようになったのは嬉しい限りです。