シルクスクリーンで紙に版画を始めたことを以前に簡単に述べました。
シルクスクリーン版画の場合、アクリル絵具の使用量が大きくコストが嵩みます。
アクリル絵具の自作についてホルベインのサイトに記述があります。
しかし、メディウムを使用したのではコストセイブになりません。
版画の世界ではアクリル絵具が使われていると思いますが、捺染の顔料プリントと同じように自家配合したものが使えます。
顔料捺染のレシピは
顔料
アクリルエマルジョン
台糊
です。
アクリルエマルジョンは、顔料を混和した耐水性のフィルムを形成します。
プリント中の目詰まり防止に、尿素などの湿潤剤を添加しますが、版画の場合でもスクリーンの乾き防止に添加しても効果あります。尿素3%までなら堅牢度に影響を与えません。
アクリルエマルジョンは、染色用色材店で購入できます。
藍熊では、スーパーバインダーBNN です。
台糊は、メディウムからアクリルエマルジョンを抜いたものと言えます。
先に述べたように、藍熊染料の増粘剤、ニュースーパーノール Xをベースにして台糊を作っていました。
顔料捺染の台糊には、ターペンを乳化したエマルジョン糊を使います。
固形分が少なく堅牢度が良く、プリント適正も良好です。
エマルジョン糊を作ろうと思ったのですが、乳化剤の入手が困難で難しいようです。
藍熊もエマルジョン糊を販売しています。NK レジューサーです。
このまま使うとコストセイブになりませんので、配合してみました。
メイプロガム NP(10%) 10%
NK レジューサー 40%
スーパーバインダー BNN 20%
水 残
メイプロガム NP は、グアー系糊剤で、藍熊からも入手できます。
ニュースーパーノール X で粘度調整します。
出来上がった台糊です。
もう少し”さくい”糊にしたいのですが、これは、乳化剤、増粘剤で決まってきますので手がありません。
エマルジョン糊を加えたことによりプリント性は良くなっています。