失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「正しい古代人」ザ・KLF 1991年

2005-06-16 | 
JUSTIFIED AND ANCIENT/The KLF

1991年、ヨーロッパではこんな曲が大ヒットしていた。日本でも少しは有名だったかな?

The KLFは、James CautyとWiliam Drummondの二人ユニット。KLFといえば、アンビエントの名作「Chill out」(1990)で有名だが、その翌年は全然違う音楽性になっていた。

正しい古代人 JUSTIFIED AND ANCIENTの2ヴァージョンを収録。

①JUSTIFIED AND ANCIENT Stand by the JAMS (Radio Edit)
(ジャムズを盛り上げろ・ヴァージョン)
(James Cauty/Wiliam Drummond/Ricky Lyte)
「スタジアム・ハウス」ってネーミング、センスあるなあ。The JAMS(Justified Ancient of Mu Mu)というのは二人がKLFを名乗る前のユニット名らしい。このヴァージョンは四つ打ちハウスに女性カントリー歌手(Tammy Wynette)の朗々とした歌唱が乗る、という奇矯かつ無闇に盛り上がる作りになっている。間奏のラップもやたらカッコいい。謎の古代宗教におけるゴスペル的なイメージか。怪しさ&胡散臭さ満載のトランス・ポップ。

②JUSTIFIED AND ANCIENT formerly part of "hey hey we are not the monkees"
(アルバム・ヴァージョン)
(James Cauty/Wiliam Drummond)
こちらがオリジナル・ヴァージョン。①と同じ曲なのだが、男性ヴォーカル(Black Steel)がゆったりと歌い上げるバラードになっており、全く印象は異なる。

KLFの奇行の数々については、「This is what the KLF is about.」に詳しい。いろいろ好き勝手やりまくって、翌92年に引退しちゃった。本気か冗談かよく分からない二人ではあるが、何となく憎めない奴ら。近くにいたら迷惑そうだけど…。当時の英国の懐の深さというか、神経症体質?閉塞感?時代の病み具合を覗き見た気分になった。

定価930円、中古で100円。
こんな時代のアダ花的なシングルがちゃんと日本でリリースされていたことが素晴らしい。

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