「夜空ノムコウ」 スマップ、川村結花 1998年

ジャニを代表する、いや日本を代表する男性アイドルグループの代表曲と、作曲者によるカヴァー。

左、1998年1月リリース、スマップの27thシングル。

①夜空ノムコウ
作詩：スガシカオ、作曲：川村結花、編曲：CHOKKAKU
雑踏のSE＋アコギによるイントロのあと、ベース・ドラム・ヴォーカルが一気に入ってくるサビ始まり。続いて現れるエレクトリック・シタールの音色が印象的。センチメンタルな曲に、最大公約数的な歌詞。素人くさい荒っぽいユニゾンが感傷的な気分を盛り上げる。サビ前に唯一ソロをとるのは天下の木村さん。CHOKKAKUの引き締まったアレンジも見事だし、これはいけるんじゃない？とそれまで「大」のつくヒットに恵まれなかった5人組も予感しそうな、よくできたJ-POPだと思う。作詩を担当したスガシカオの出世作にもなった。「あれからぼくたちは　何かを信じてこれたかなぁ…」「君が何か伝えようと」「あのころの未来に」と、具体性を排したつかみ所のない詩が並んでいる。小田和正の「♪あの日　あの時　あの場所で～」を引き合いに出すまでもなく、指示代名詞を多用することで誰もが自分の体験と（ぼんやりとでも）重ね合わせることができるようにというテクニック。使いすぎるとすり減ってくるよ。

②リンゴジュース
作詩・作曲：スガシカオ、編曲：CHOKKAKU
こちらは曲もシカオさんで、アップテンポの打ち込みファンク。間奏のキレのいいホーンは、JBかプリかって雰囲気。詩の内容は、ナイフを隠し持ち、危険な行動に出ようとする友人（？）をたしなめる、という物騒なもの。

③④カラオケ

定価1020円、中古で100円。
光沢のある紙質で、上４分の３は真っ黒（夜空）。人物が小さくてもみんな分かってくれる、大メジャーならではの思い切りか。


左、同年9月リリースの川村結花の6thシングル。

①夜空ノムコウ
編曲：深澤秀行・川村結花
女性としてはクールな響きを持つ、どちらかというと中性的な印象の川村さんの声は、一人称を「ぼく」と歌ってもすんなり受け入れられる。ピアノトリオ＋アコギのアレンジもナチュラル志向で悪くないけど、全体としてはちょっとウエット過ぎるかな。CHOKKAKUのシャープさに軍配を上げたい。

②ここにいるから
作詞・作曲：川村結花、編曲：深澤秀行・川村結花
スマップのシングルに呼応するように、ファンキーなカップリング曲。

定価816円、中古で100円。
こちらはタイトルどおり夜空ノムコウ＝朝焼けに佇む少年ふたりのシルエット。


スガシカオもカヴァーしているが、シングルにはなっていないようだ。

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