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国葬泥沼化 決めたのは誰だ!? 引くに引けぬ岸田〜麻生に「理屈じゃねえんだ」と迫られ外務省はサボタージュ 立憲民主党も迷走にお付き合い
SAMEJIMATIMESより
安倍国葬で露見した岸田首相と麻生副総裁の亀裂〜「大宏池会」が結束してきた岸田政権の転換期
- 2022年9月12日
- 政治を読む
岸田文雄首相はなぜ、安倍晋三元首相の国葬を行うことを決めたのか。「SmartFLASH」は9月6日、岸田首相に国葬実施を強く迫ったのは自民党のキングメーカーである麻生太郎副総裁だと報じた。
それによると、岸田首相は当初「内閣・自民党合同葬」を行う方向で調整していたが、麻生氏が「保守派が騒ぎ出す」と岸田首相に3回も電話し、最後は「これは理屈じゃねんだよ」を迫ってひっくり返したのだという。
自民党第五派閥のリーダーに過ぎない岸田首相を昨秋の自民党総裁選で担ぎ出して首相に押し立てたのは「安倍氏の盟友」を自負する麻生氏である。二人の力関係からして、この報道の信憑性は高い。
さらにこの報道は、岸田首相が「国葬をやるなんて、誰が言いだしたんだ」と周辺に愚痴っていることも伝えている。麻生氏の意向に従って国葬に切り替え、内閣支持率が急落したことを岸田首相は悔やんでも悔やみきれない思いなのだろう。
岸田首相が麻生氏に電話で国葬実施を迫られ、それに従ったというのは、二人しか知らない内幕話だ。それが外に漏れて報道されたということは、岸田首相が「国葬は俺がやりたくてやったんじゃないんだ」という思いから麻生氏に責任転嫁することを狙って周辺に漏らし、それが外部へリークされたとみていい。
岸田首相と唯一のキングメーカーの麻生氏。政権中枢の屋台骨の二人の間が国葬問題を機にギクシャクし始めたという意味で、これは老舗派閥・宏池会を源流とする麻生派、岸田派、谷垣グループが再結集して清和会(安倍派)に対抗することを基本路線としてきた岸田政権の大きな転換点になる可能性がある。
岸田首相は9月7日夜、麻生氏、茂木敏充幹事長、松野博一官房長官と都内の日本料理店で会食した。
翌8日の国会閉会中審査で国葬実施についてどう説明するかをあらかじめ政権中枢メンバーに伝えるとともに、麻生氏が国葬実施を迫ったことが漏れたことを受け、両者の関係がこじれないように早めに手を打ったとみられる。SmartFLASHの報道に麻生氏が激怒し、岸田首相があわてて取りなした可能性もあろう。
9月10日には岸田首相が「俺が国葬と決めた」と議員仲間や新聞記者に語ったと伝える報道もあったが、これも岸田首相が麻生氏との亀裂を修復するためにあえて議員仲間や新聞記者に流した情報である可能性が高い。
しかし、岸田首相と麻生氏の間に生じた亀裂は岸田政権の権力構造の変化によるものであり、そう簡単に修復することはできないと私はみている。
最大のライバルである安倍氏が政界から消えて最大派閥・清和会が弱体化し、もうひとりのライバルである菅義偉前首相も内閣改造人事で反撃の足がかりを失って政権基盤が固まった結果、岸田首相はキングメーカーである麻生氏の傀儡では満足できなくなってきた。岸田首相は「麻生氏からの自立」を志向し、麻生氏は警戒感を強めて茂木氏らとの連携を強めていくだろう。
岸田首相は昨秋の衆院選に続いて今夏の参院選でも圧勝した。衆参選挙に圧勝したのは今世紀に入ってからは小泉政権と安倍政権のみ。岸田首相が高い支持率を維持して次の衆院選に勝てば長期政権が視野に入る。
キングメーカーの麻生氏に加え、ポスト岸田を狙う茂木氏や林芳正外相らは岸田内閣の支持率が高止まりして岸田首相の権力基盤が強くなりすぎることを警戒しはじめたーーこの政局構図は、すでにサメジマタイムスで指摘したところだ。
<iframe class="wp-embedded-content" title="“「岸田首相の安倍化」を避けろ!内閣支持率急落を心の底で喜ぶ自民党の主流派たち” — SAMEJIMA TIMES" src="https://samejimahiroshi.com/politics-kishida-20220905/embed/#?secret=yPMKJdVUjT#?secret=x7SFR3Khh2" width="600" height="677" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" sandbox="allow-scripts" data-secret="x7SFR3Khh2"></iframe>国葬についてもうひとつ不可解なことがある。諸外国のビックネームが軒並み不参加することに対する日本外務省の対応だ。
岸田首相は国葬を決めた理由として「安倍元首相に対する諸外国の弔意と敬意」を挙げ、世界各国から要人を迎える重要な外交舞台になることも期待していた。
ところが蓋を開けてみると、米国のバイデン大統領やフランスのマクロン大統領ら主要国のトップからは早々に欠席の方針を固め、参加を表明したのはカナダのトルドー首相くらい。安倍氏とG7など外交舞台で長く交流のあったメルケル・前ドイツ首相らも出席を見送る方向だ。
これは安倍氏と旧統一教会の密接な関係が脚光を浴び、それが最大派閥・清和会(安倍派)をはじめ自民党全体に飛び火して、岸田内閣の支持率を急落させているという日本国内の政治情勢が各国の駐日大使館から本国へ伝えられた結果である。先進国では「カルト」への抵抗感が強く、旧統一教会問題で揺れる最中の国葬へあえて出席する政治的リスクを回避する政治家が続出したといっていい。
ただし、日本の外務省が国葬の成功にむけて全力を傾注し、各国の駐日大使館への「根回し」を徹底したならば、結果は違ったのではないかと私はみている。
通常、外交当局間の水面化交渉は貸し借りの連続である。各国の駐日大使館にしても、本国の元首が来日する際に国賓扱いとしたり、天皇との面会を希望したりする場合がある。外交当局者は互いの立場を尊重し、できるだけ相手の顔を立てるものだ。
今回も日本外務省が各国外務省に元首級の国葬参加を最優先事項として頼み込めば、各国もそれなりの姿勢で応じ「貸し」をつくっておいたほうが得だと判断したのではなかろうか。
今回はそのような雰囲気がまったくみられない。日本外務省が本腰を入れて各国元首級に参加してもらうように動いていないのだ。いわば「サボタージュ」しているのである。各国の駐日大使館は日本外務省の「熱意」の低さを察知し、無理をして本国から元首級を参加させる必要はないと判断したに違いない。
つまり、日本外務省は今、岸田首相への忠誠心が低いのである。
「外務省が担当するのは外国から来る要人の接遇経費ですが、現時点でまだ多くの国から返事を頂いていない。そういう国に対して返事の刈り取りを進めている」
「各国・地域には8月中旬をメドに回答していただきたいと伝えています。とにかく早く教えて欲しいということで、働きかけを続けています」
諸外国に国葬参加を呼びかけているが、8月中旬の締め切りを大幅に過ぎて9月に入っても多くの国から返事がないーー外務省はこのような「外交の失態」をわざわざ自分から野党のヒアリングに明かしているのだ。
野党ヒアリングはしばしば官僚を吊し上げる場面として批判される。しかし、実は各省庁にとって野党ヒアリングは、情報開示したら首相官邸に叱られる「政権にとって不都合な事実」(しかし「各省庁にとっては公表すると好都合な事実」)を、「野党の追及」を口実に情報開示してしまう格好の場なのだ。
岸田首相が決断した国葬を各国は冷ややかにみているーー岸田内閣の評判を失墜させる外交上の内幕を、外務省はいとも簡単におおっぴらにしてしまった。そこから読み取れるのは、外務省もまた、岸田内閣の支持率が高止まりして首相官邸が強大になることを望んでいないという事実だ。
これには二つの理由が考えられる。
ひとつは岸田内閣が極めて財務省の影響力が大きいということである。外務省にとって財務省主導が強化されるのはうれしいことではない。
しかも岸田首相は安倍政権時代に長く外相を務め、内政より外交に関心がある。安倍政権時代、マスコミは「安倍外交」と持ち上げる一方、岸田外相に光を当てる報道は少なかった。このときの忸怩たる思いから、岸田首相はいまこそ「岸田外交」をアピールしたいのだ。
だが、官邸主導の外交が強まると、外務省と主張がぶつかりあう局面が出てくる。外務省は外交の主導権を握るため、首相官邸の力が高くなり過ぎない(支持率が高くなり過ぎない)ほうが都合が良い。
さらに問題をやっかいにしているのは、林外相が茂木幹事長と並ぶポスト岸田の筆頭候補であるということだ。
林氏は岸田派(宏池会)ナンバー2で、宏池会では岸田氏より将来の首相候補として本命視されてきた。岸田氏も首相就任時には2024年総裁選で勇退し、林氏に禅譲するそぶりを宏池会OBらに示唆し、バックアップを受けてきた経緯がある。
しかし、岸田内閣の支持率が高止まりし、岸田首相が24年総裁選前に衆院を解散して圧勝すると、長期政権が視野に入る。そうなると林氏には出番が回って来なくなる恐れが高い。
外務省としては林外相が次期首相となれば財務省以上に影響力を拡大し、霞ヶ関のリーダー的存在になることができる。もちろん、外務省内には「岸田シンパ」も数多くいるだろうが、「林シンパ」としてはやはり林政権実現を念頭に立ち回るに違いない。
以上のような状況から、外務省は岸田首相が決断した国葬の「成功」に全力をあげる空気ではないのだ。
岸田首相としては、麻生副総裁、茂木幹事長、林外相に加え、外務省も国葬成功へ奔走するそぶりがないことに苛立ちを強めたことだろう。首相自ら9月8日の国会閉会中審査で「説明」すると表明した背景には、国葬に厳しい世論の空気を自力で変えたいという焦りがあったに違いない。
だが、国会対策の現場からすると、「首相の国会出席」は野党に対する重要な交渉カードである。野党がさまざまな要求をしてくるのに対し、法案審議などの土壇場で「首相の国会出席」に応じるかわりに円満な採決実施を野党に約束させるというのは国会対策の常套手段だ。
今回のように首相が自ら一方的に「国会出席」を表明してしまうと、野党との重要な交渉カードを失ってしまうことになる。自民党の高木毅国対委員長としては面白くないに違いない。
岸田首相の国葬への対応は、岸田政権を支える主流派に隙間風を吹かせている。安倍氏が政界から消えて清和会が弱体化し、岸田政権が強大化するなかで、ついに政権中枢の仲間割れが始まったといえるだろう。
当面は国政選挙や自民党総裁選がなく、内閣支持率が急落してもすぐに岸田政権が倒れる状況にはない。しかし政局の行方が不透明感を増しているのは間違いない。
安倍国葬をめぐる岸田政権内部の暗闘についてユーチューブ動画でも解説したので、ぜひご覧ください。