20世紀は、米ソ対立ではない
火曜日
戦後の米ソ対立とは何だったのか。
本当に資本主義と社会主義の対立だったのか。
19世紀に、グレートゲームといわれたのは、イギリスとロシアの対立であった。
しかし1914年の第一次世界大戦は、イギリスとロシアの対立にはならずに、イギリスとドイツとの戦いであった。
ロシアはイギリス側についた。
しかしあっけなく1917年のロシア革命で滅んだ。
ロシアが滅ぶと同時にアメリカはイギリス側について、ドイツとの戦いに参戦し、ドイツは滅んだ。
この第一次世界大戦で、イギリスに代わってアメリカが世界の覇権国になったが、
次の第二次世界大戦も、イギリスとドイツの戦いであった。
ソ連もイギリス側につき、ドイツと戦った。
この時もアメリカはイギリス側につき、ドイツを滅ぼした。
こうやってドイツは二度滅ぼされた。
世界はイギリス中心に回っている。
そのイギリスは大きなところでは、いつもドイツと戦っている。
そして仲の悪いロシアを味方に引き入れている。
そしてドイツが滅ぶと、その後でロシアを滅ぼしている。
この戦いに損な役回りを演じているのが日本である。
イギリスは、極東進出を狙うロシアに対して日本を戦わせ、ロシアを極東進出から、バルカン半島進出に矛先を変えさせている。
そのことはオスマン帝国との協力関係を深めるドイツに対して、バルカン半島に南下しようとするロシアを戦わせることになる。
いわゆるパンゲルマン主義と、パンスラブ主義の対立である。
1914年のサラエボ事件で、ドイツとロシアが戦い始めると、イギリスはロシア側について、ドイツと戦い、これを滅ぼした。
つまりイギリスは、日露戦争で日本をロシアと戦わせたように、
第一次大戦ではロシアをドイツと戦わせたのだ。
イギリスはいつもこのように敵同士を戦わせ、体力を消耗させた後、生き残ったほうをさらに叩くという方法をとってきた。
ロシアは体力を消耗し、国内の反政府活動が活発になったところで、ロシア革命が起きて滅んだ。
第二次大戦後も、米ソ対立とあれほど言われながらも、1991年、ソ連はウソのようにあっけなく滅んだ。
イギリスからアメリカへと覇権は変わっても、アングロサクソンであることに変わりはない。
イギリスとアメリカはアングロサクソンである。
それに対してドイツはゲルマンである。
そしてロシアはスラブである。
ナポレオンの前までは、ヨーロッパの中心はドイツであった。これが約1000年続いた神聖ローマ帝国である。ドイツはこの伝統を受け継いだ国である。
このゲルマンの国の復活を、イギリスとアメリカというアングロサクソンの国は、嫌っているように見える。
敵と敵を戦わせ、味方を増やす。
イギリスの戦法はこれである。
日本はこれにうまくしてやられ、1902年に日英同盟を結んだ。
この同盟を対等同盟などと信じるほうがどうかしている。
これはいまの日本とアメリカの関係と同じである。日米同盟と同じである。
いまの日米同盟が、対等でないことは誰の目にも明らかである。
いや、そんなことはない、日米は対等だ、と言う人がいれば、それはおめでたい人である。
日本はイギリスに利用されただけだ。
これ以上、利用されるのはイヤだといって、日本は太平洋戦争を戦ったが、無残に敗れた。
ロシアも同じである。ロシアはイギリスに利用されただけだ。
19世紀のイギリスとロシアの対立をグレートゲームというのは、イギリスにとってそのほうが都合がよいからだ。
イギリスはドイツとの対立を隠したいのだ。
第一次大戦も第二次大戦も、なぜそうなったのか、なかなか分からない戦争である。
しかしその背景には、イギリスとドイツの対立が隠されている。これこそが20世紀を貫くグレートゲームである。
ロシアはそのあだ花である。イギリスとロシアの対立は、イギリスとドイツとの対立を隠すためのカモフラージュである。
イギリスはロシアを利用することしか考えていない。利用するぶん利用して、あとで捨てればよい。ロシアに覇権を奪われるなどとは思っていない。
覇権を奪われる恐れがあるのはドイツである。
20世紀の終わりになって、中国はソ連を潰すために利用された。
そのために中国は、急速な発展を強いられた。
中国の人民元は、為替価値を約十分の一に落とされ、その人民元安のもとで急速に輸出を伸ばした。
その中国にドイツが急速に接近している。
いまドイツはEU(ヨーロッパ連合)の盟主であり、アメリカのドルに対する対抗通貨ユーロを発行している。
しかしイギリスはそのEUから離脱しようとしている。
やはりアングロサクソンのアメリカと、ゲルマンのドイツとの対立なのだ。
この構図は100年以上変わっていない。
ロシアも、中国も、そして日本も、この構図の中で利用されているに過ぎない。
いま中国は第一次大戦の時のロシアの役回りを演じようとしているのか。
日本はいま集団的自衛権をうかつに行使しない方がよい。
アベシンゾーは、第二次大戦に翻弄された松岡洋右の役回りを想起させる。
歴史は繰り返すのか。
https://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/076676db6a31d0d64433424180d0571c
火曜日
戦後の米ソ対立とは何だったのか。
本当に資本主義と社会主義の対立だったのか。
19世紀に、グレートゲームといわれたのは、イギリスとロシアの対立であった。
しかし1914年の第一次世界大戦は、イギリスとロシアの対立にはならずに、イギリスとドイツとの戦いであった。
ロシアはイギリス側についた。
しかしあっけなく1917年のロシア革命で滅んだ。
ロシアが滅ぶと同時にアメリカはイギリス側について、ドイツとの戦いに参戦し、ドイツは滅んだ。
この第一次世界大戦で、イギリスに代わってアメリカが世界の覇権国になったが、
次の第二次世界大戦も、イギリスとドイツの戦いであった。
ソ連もイギリス側につき、ドイツと戦った。
この時もアメリカはイギリス側につき、ドイツを滅ぼした。
こうやってドイツは二度滅ぼされた。
世界はイギリス中心に回っている。
そのイギリスは大きなところでは、いつもドイツと戦っている。
そして仲の悪いロシアを味方に引き入れている。
そしてドイツが滅ぶと、その後でロシアを滅ぼしている。
この戦いに損な役回りを演じているのが日本である。
イギリスは、極東進出を狙うロシアに対して日本を戦わせ、ロシアを極東進出から、バルカン半島進出に矛先を変えさせている。
そのことはオスマン帝国との協力関係を深めるドイツに対して、バルカン半島に南下しようとするロシアを戦わせることになる。
いわゆるパンゲルマン主義と、パンスラブ主義の対立である。
1914年のサラエボ事件で、ドイツとロシアが戦い始めると、イギリスはロシア側について、ドイツと戦い、これを滅ぼした。
つまりイギリスは、日露戦争で日本をロシアと戦わせたように、
第一次大戦ではロシアをドイツと戦わせたのだ。
イギリスはいつもこのように敵同士を戦わせ、体力を消耗させた後、生き残ったほうをさらに叩くという方法をとってきた。
ロシアは体力を消耗し、国内の反政府活動が活発になったところで、ロシア革命が起きて滅んだ。
第二次大戦後も、米ソ対立とあれほど言われながらも、1991年、ソ連はウソのようにあっけなく滅んだ。
イギリスからアメリカへと覇権は変わっても、アングロサクソンであることに変わりはない。
イギリスとアメリカはアングロサクソンである。
それに対してドイツはゲルマンである。
そしてロシアはスラブである。
ナポレオンの前までは、ヨーロッパの中心はドイツであった。これが約1000年続いた神聖ローマ帝国である。ドイツはこの伝統を受け継いだ国である。
このゲルマンの国の復活を、イギリスとアメリカというアングロサクソンの国は、嫌っているように見える。
敵と敵を戦わせ、味方を増やす。
イギリスの戦法はこれである。
日本はこれにうまくしてやられ、1902年に日英同盟を結んだ。
この同盟を対等同盟などと信じるほうがどうかしている。
これはいまの日本とアメリカの関係と同じである。日米同盟と同じである。
いまの日米同盟が、対等でないことは誰の目にも明らかである。
いや、そんなことはない、日米は対等だ、と言う人がいれば、それはおめでたい人である。
日本はイギリスに利用されただけだ。
これ以上、利用されるのはイヤだといって、日本は太平洋戦争を戦ったが、無残に敗れた。
ロシアも同じである。ロシアはイギリスに利用されただけだ。
19世紀のイギリスとロシアの対立をグレートゲームというのは、イギリスにとってそのほうが都合がよいからだ。
イギリスはドイツとの対立を隠したいのだ。
第一次大戦も第二次大戦も、なぜそうなったのか、なかなか分からない戦争である。
しかしその背景には、イギリスとドイツの対立が隠されている。これこそが20世紀を貫くグレートゲームである。
ロシアはそのあだ花である。イギリスとロシアの対立は、イギリスとドイツとの対立を隠すためのカモフラージュである。
イギリスはロシアを利用することしか考えていない。利用するぶん利用して、あとで捨てればよい。ロシアに覇権を奪われるなどとは思っていない。
覇権を奪われる恐れがあるのはドイツである。
20世紀の終わりになって、中国はソ連を潰すために利用された。
そのために中国は、急速な発展を強いられた。
中国の人民元は、為替価値を約十分の一に落とされ、その人民元安のもとで急速に輸出を伸ばした。
その中国にドイツが急速に接近している。
いまドイツはEU(ヨーロッパ連合)の盟主であり、アメリカのドルに対する対抗通貨ユーロを発行している。
しかしイギリスはそのEUから離脱しようとしている。
やはりアングロサクソンのアメリカと、ゲルマンのドイツとの対立なのだ。
この構図は100年以上変わっていない。
ロシアも、中国も、そして日本も、この構図の中で利用されているに過ぎない。
いま中国は第一次大戦の時のロシアの役回りを演じようとしているのか。
日本はいま集団的自衛権をうかつに行使しない方がよい。
アベシンゾーは、第二次大戦に翻弄された松岡洋右の役回りを想起させる。
歴史は繰り返すのか。
https://blog.goo.ne.jp/akiko_019/e/076676db6a31d0d64433424180d0571c