なぽちゃん部屋☆うふ

ゴスペルディレクター、ボイストレーナー、シンガーソングライター
齋藤直江☆なぽりんです。

歌う声

2019-08-28 19:38:58 | 音楽
先日、わたしのHPを見てくださった方がご連絡くださり、ボイトレのレッスンを受講された。

その方はかつて心無い人から『歌う声じゃない』と言われ、歌う事をずっと諦めてきたと、メールに書かれていた。
確かに、声帯の問題を抱えている方もおられるからなぁと思いながら、いったいどんな声の方が来られるのか…初めてお会いする事もあり、いつもより少し緊張感を持ってお迎えした。

実際声を聞かせていただくと、ちゃんと声が出る人でしたよ
なんだ〜っと、ちょっと安心。
低音域がよく響くし、高音域も響かすことができる。喚声点が低いことで中音域や裏声に苦手意識がありそうだったけど、体の使い方や口の開け方をきちんと習得して、歌う体にしていけば、絶対に歌えるようになる!と確信!


それにしても、なぜ無責任にも『歌う声じゃない』などと、他人が言うのか?
もちろんプロのシンガーになるのは、誰もがなれるわけじゃないし、声だけでない要素も必要になってくる。でも、彼女が求めてるのはプロのシンガーなわけではない。ただ、歌いたいだけなのに。充分に歌える要素を持っている。


思い出すのは、かつて自分もゴスペルをカルチャーで始めたばかりの頃、地声発声の仕方があまりわからずに、喉が痛くなったり枯れたり、高音域が弱くて息漏れするんだけど、強い声を求められる…こりゃ、どうしたものか悩んだ時期があった。元々声が低い事もあり、先の方と同じように喚声点が普通の女性より低く、地声の音域がせまい…と、思い込んでいた。
カルチャーのゴスペル講師にすがるように『高い強い声はどうしたら出るようになりますか?』と聞いてみると、返ってきた言葉は、『叫べーーー!!』だった 笑笑
当時、藁にもすがる思いで、その講師のプライベートレッスンを受けようとカルチャーに問い合わせたら空きがなかった。ホントに神様に感謝しかない!!笑
あぶなく、声帯を傷つけるところだった

今となっては笑い話のネタだけど、当時はこの『叫べーーー!!』に戸惑い、頭声ではなく地声に近いゴスペルで使える強い高音域を出すのは、体質的にムリなんだなーと諦めかけた。
そんな時にRonnieさんのクワイア(Bright Lights Choir)に導かれ、ボイスレッスンも受講し、可能性が広がっていった。その後改めて発声研究家の先生方に付いて勉強し直し、身体の作りを学び、コントロールもできるようになって行った。


だから、できない人の気持ちが痛いほど分かる。
そして出来ないことが悪い事じゃないことを経験してこられた。課題こそがステップアップの兆し!!
天才的に歌が歌えたらもちろんそれに越した事はなかっただろうけど、できない事をできるようになる喜びを知ったし、人に教える事が出来るようになった事し、さらに言えば歌うことの喜びを表現したいと思うようにもなった。
加齢により筋力が落ちれば、かつての天才も凡人になる。トレーニング無しに継続はない。天才って、そういう意味では努力する術が身についてなかったりする。


また、聖書に出てくる登場人物は皆弱く、罪深いけれど、Jesusとの出会いによって、また信仰によって大きく変えられていくサクセスストーリーに満ちている。
そう言う意味においても、弱点さえも強みに変えられる体験は、わたしには必要不可欠だった。




歌う事は、神様が人類に与えてくださったギフトだとわたしは信じてる。

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