質問者:ハイル禅師 未来を知ることはあらゆる意味で
有利に働くと僕は思うのですが どうでしょうか?
私:人慮から観れば未来を予め知っておけば
あらゆる危難を回避できるように思えますが
人間は徳と劫からなる因縁支配で生きている為
形は変わっても結果はほぼ同じ結末を迎えるのです
ただし未来と言っても近未来で恋人が現れるとか
良い仕事が見つかるなど占いレベルの範疇であれば
前向きな指針になり得るのでこれらは良いと思います
ただ寿命に関わる疫病厄災などは受け入れる器が
大きな人でなければかえって知ると有意義な人生を
送れなくなります
もうすぐ自分は死ぬのだからと自暴自棄になったり
どうせジタバタしても助からない運命なのだと諦観して
何もする気力もなくなる人がいるからです
また寿命を知って回避を試みる人もいるでしょうが
命数が変わらない限り形を変えて別の災難で寿命になります
例えばある交差点での激突による事故死を回避したと思ったら
数日後にトンネル崩落で亡くなる人などです
つまり寿命の命数が生まれながらにほぼ決まっているので
大きな徳を積むか神縁でもない限り延びないのです
結論を言えば未来を知るよりも只今の徳積みに集中すべき
であり この努力こそが唯一未来の幸福化に貢献したり
災厄を小難化したり弭化しうる最善策なのであります