
プールで横一列に並んで
教師から平泳ぎの
手と足の動かし方を
教わった
「なるほど...」
なんとなく理解した僕は
息継ぎが出来ないし
顔を伏せたままで泳ぐしかないか
そして
「ピーッ!」
笛が鳴り、みんな一斉に泳ぎ始めた
僕も教わったとおりに
手と足を懸命に動かした
でも
なかなか向こうへ着かない
息が苦しくなってきた
「もうダメだ、」
「サブッ」
水から顔を出すと
ドッと大歓声、
向こうで
みんなが笑っている
「あれ、」
僕はスタートした場所から
全然前へ
進んでいなかった

「ダメだ にゃー。」