ずいぶん寒い日が続き、あちこちで大雪による被害も出ていますが皆さん大丈夫でしょうか。
早く更新しなくてはと思いつつ、いろいろあってずいぶん遅くなってしまいました。
今年はまだ小さな息子のことと、寒さで痛む傷も考慮し、
毎年させていただいていた母校でのメモリアルコンサートを断念し、
追悼の想いを込めて家でピアノを弾いていましたが、
大切な1月17日に、新潟でお世話になった方が神戸に来られるとご連絡をいただき、
様々な地域で被災された方々の集う大切な場に呼んでいただけたので
勇気を出して行ってきました。
せっかく来られるならと、ありがたいことに急遽ピアノを用意して下さって
貴重なお時間を与えてくださり、色んな想いを込めて演奏してきました。
主催は西宮市のボランティア団体NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)の方々で
昨年の東日本大震災で地震や津波で被災された岩手や青森の方々、
新潟県中越地震(2004年)・中越沖地震(2007年)で被災された方々が、
バスで神戸の大切な日に来て 阪神淡路大震災で被災された方々と共に過ごされ、
西宮の『ロンドン』という新潟出身の方が経営されている素敵なレストランにて交流会が行われました。
阪神淡路大震災で被災された方々だけでなく、みんなの想いが繋がる 大切なひとときでした。
昨年3月11日の震災後、東北の方にお会いしたのは私は初めてで、
あれからまだ1年も経っていないけれど
明るくやさしい笑顔の溢れるみなさんから大きなエネルギーを感じ、
東北の方々のあたたかさと強さをとても感じました。
しばらくしてからある方がそばにきて 静かに話してくださいました。
「向こうにいても泣いたことなかったけど、今日の朝5時46分の追悼式で初めて涙が出ました」
みんな笑顔の向こうには 忘れられない景色や 大切な人との想い出があって
いろんな想いを抱えながらも 前を向いて強く生きているからこそ
こんなにもあたたかくて優く強いエネルギーを感じるのかなと思いました。
違う地域の被災者同士が繋がることで、情報交換できてお互いの経験をいかせたり
相手をより想いあって 本音で話ができたり、絆を肌で感じられるこのような場は
心の復興の為にも とても大切だと思います。
私はもう震災から17年が経ち、コンサートや色々な場面でお話させていただき、
もう乗り越えたつもりでいましたが、
きっともっと大変な想いをされた皆さんのあたたかい笑顔に囲まれ、
いろんな想いがこみ上げてきて思わず涙が溢れてしまいました。
心のままに涙を流して、少しずつ想いを浄化して 最後にはほかほか笑顔になれるような
心の復興の為のコンサートを、いつか東北でもできたらいいなと思いました。
この日は、阪神淡路大震災で犠牲となった多くの方々や
亡くなった友人、そしてちょうどこの日天国に旅立った先生、
そして東北や新潟等全ての震災や災害で亡くなった方々への追悼の想いを込めて
『Twinkle memory & Bright future~きらめく想い出・輝く未来~』を弾きました。
そして一期一会を感じながら 即興連弾もしました。
連弾して下さったのは津波でも大変な被害を受けた岩手県野田村から来られていた
かわいい息子さんと一緒に来られていた笑顔の素敵な明るい男性。
ピアノは初めてとのことでしたが、明るくやさしい素敵なメロディがうまれ、とても和みました
会場のあたたかな雰囲気をバックにご一緒に即興連弾で作曲していただいたメロディー、
そして未来のご自分へのメッセージをその場でMDに録音してプレゼントしたので
岩手に戻られても強い絆で結ばれている皆さんと過ごした想い出と大きなパワーを感じながら聴いて欲しいと思います。
リクエストでは、『世界に一つだけの花』と『ジュピター』を弾かせていただき、
最後に東北の皆さんへ復興の想いを込めて即興で奏でました。
会の最後には全員で故郷を歌い、それぞれの想いが繋がったような あたたかい時間になり、
いつか東北でみんなにもぜひ聴かせてあげて欲しいとたくさんの方々に言っていただけて
心に響いたようでほんとうに嬉しかったです。
みなさんの明るい笑顔に 大きな勇気と希望をいただき 忘れられない日になりました。
まだまだ未熟ですが、いつか私も東北の被災地にも足を運び、
少しでもお役にたてるよう、また皆さんにも再会できるよう 心を磨いてがんばります。
今回お誘いくださったのは、以前、新潟の被災地へボランティアで演奏に行った時にお世話になった
小千谷の優しい方からのお声掛けからでした。
この小千谷の方とのご縁も、昔、新潟の被災地に行けるようにと
過去のコンサートでおこなった募金に協力してくださった皆さんのおかげなので、
会場にはいないみんなともあたたかい想いが繋がり、ひとつになっているような不思議な感覚でした。
絆を感じる貴重な機会をいただき、
大切な場で聴いていただき本当にありがとうございました。
これからも一人ひとりの心にあたたかい光がともりますように。
1月18日産経新聞朝刊(社会面)より↓