住宅建築・・・地盤の判定
先日、地盤品質判定士試験の合格発表がありました。
自分自身振り返ると、若いころは、仕事関連の資格試験にチャレンジしてきました。
しかし、だんだんと年を取るにつれて、覚えが悪くなるのか、もしくは、集中力が弱くなるのか
結構、試験にチャレンジするための勉強は、きつく感じますね。
なんとか今までの経験で、どうにかならないかと考えてしまいます。
おそらく人生で最後の試験になると思いますが、チャレンジしました。
おかげさまで、
合格することができました。 この資格が、今後、地盤に関する専門家として、社会的評価が高く
なり、多くの人たちに、非常に役にたてることを願うと共に、自分が少しでも貢献できるように
務めていきたいと思います。
さて、住宅を建築する時に、地盤調査が行われるようになってから、
35年以上は経過していると思いますが、地盤調査の結果に対して、誰が
直接基礎で安全か、もしくは、地盤補強が必要なのかを判断しているかといえば、
これといった特別な資格がないまま地盤調査会社の人が経験に基づいて判断して
きたのではないかと思います。この経験が問題で、人により、どの程度の経験と知識があるのか
わかりませんよね。
では、なぜ、特別な資格が必要でなかったかと考えると、建築基準法施行令 第38条に、
建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して
構造耐力上安全なものとしなければならない。と規定があります。
従って、建築士の人が建物の設計をするにあたり、当然に、地盤のことも判断するものと
考えられていたからだと思います。しかし、実際に、地盤の事となれば、奥が深く簡単に判断できない現場も
あり、また、地盤の知識がほとんどない建築士の人も多いですよね。もちろん地盤と建物の両方の知識と経験が
豊富で有ればよいのですが、建築と土木では、異なる所もあり、地盤に関しては、地盤会社の人が判断している
事が多いです。
不動産の取引では、宅地建物取引主任者の資格を持った人が、不動産取引の法律の知識が少ない買主(借主)の人が、
騙されないように、重要な事項について、説明することになっています。地盤についても、建築士と協力して、
地盤に関する資格者が適切に説明する必要性かあると考えます。
住宅地盤の資格では、住宅地盤品質協会という団体で研修や資格制度を設けて、住宅地盤の品質の向上と
地盤技術の発展を目的として、1999年に誕生しました。現在まで、多くの地盤技術者の育成や研修を実施して
きましたが、この団体の会員と資格者は、地盤に関する仕事をしている会社がほとんどだと思います。
このような状況の中、2013年に地盤工学会、上記の住宅地盤品質協会、全国地質調査業協会連合会、
日本建築学会、土木学会など、そのほか複数の団体が参加して、地盤品質判定士協議会ができました。
もちろん、設立の背景には、2011年の東日本大震災における多くの液状化や造成宅地の被害に鑑み,同様な被害を
繰り返さないために創立されたものです。そして、この協議会において、地盤品質判定士という資格が誕生して、
将来的には、公的な資格としての位置づけを目指し、国民の最も基本となる私有財産である住宅を扱い,
地盤情報について専門的な評価を行っていこうというものだと考えます。
私は、このような資格ができるまで、30年以上の時がたち、やっと誕生したしたという感覚ですが、
誕生して、良かったと思います。
宅地建物取引主任者と同じように地盤に関する重要事項の説明をする資格ができたのではないかと思います。
これから更なる発展に向けて、がんばります。
12月29日が今年の最後の忘年会となります。いろいろあったが、1年間お疲れ様です。
乾杯