世にも不幸せな物語

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』
のDVDを観ました。

『ハリー・ポッター』などとは一味違う
ファンタジー作品です。

「ハッピーエンドを期待してはいけない」
物語なのです。

主人公は、ボードレール家の3きょうだい。

発明家少女のヴァイオレット(姉)、
本の虫のクラウス(弟)、
噛みつき魔のサニー(末っ子・妹)の3人は、
豊かに幸せに生活していましたが、
突然火事で両親も家も失い、
孤児になってしまいます。

両親は巨額の遺産を残してくれたものの、
ヴァイオレットが成長するまで使えず、
3人の遺産管理人のミスター・ポーに連れられて、
遠縁の親戚オラフ伯爵の所へ。

3人は、オラフ伯爵の胡散クサさにスグに気づきますが、
少々抜けているミスター・ポーは、
3人をオラフ伯爵に託して行ってしまいます。

オラフ伯爵は遺産を狙って自分たちを引き取ったのだと
分かっていながらも、どうすることもできずに、
召使いのようにこきを使われる子どもたち。

やがてオラフ伯爵は後見人として認められ、
正式に後見人になるとスグに3人を殺そうとしますが、

きょうだい3人は知恵や特技を生かして逃げ切ります。

後見人の資格を剥奪されたオラフ伯爵は、
しつこくしつこく3人を追い、遺産を手に入れるために
3人を不幸に落としいれていきます。

しかしどんな不幸に見舞われても、
3人は力を合わせてそれを乗り越えてゆき……
というストーリー。

取りあえず、ジム・キャリーの変身ぶりがスゴいです。

ジムは、化けさせてこそ才能が発揮される気がします。

オラフ伯爵は、彼にしかできないキャラかもしれません。

きょうだい3人は、次から次へと不幸に見舞われるのですが、
ミスター・ポーのおとぼけっぷりや、
子どもたちの前向きさが雰囲気を和やかにしてくれるので、
涙を流しながら観る感じにはなっていません。

シュールと言えばシュールな作品ですが、
ちょっとだけミステリー的要素もあるし、
「おや、これは……!」という俳優さんたちが
登場するので、なかなか楽しめるのではないでしょうか?

因みにレモニー・スニケットの声は、ジュード・ロウです。

私的には、『Joey』のボビー、ジェニファー・クーリッジに
一番「おぉっっっ!!!」と思ってしまいました。

ファンタジーモノはややニガテな私ですが、
この作品は受け入れやすかったです。

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
スペシャル・エディション

角川エンタテインメント
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スタンドアップ

シャーリーズ・セロン主演、
スタンドアップ』のDVDを観ました。

暴力亭主と別れ、息子と娘を連れ、
故郷の北ミネソタに戻ってきた
ジョージー(シャーリーズ・セロン)。

女手ひとつで2人の子どもを養うため、
彼女は鉱山で働き始めます。

鉱山の仕事は3K(死語?)で、
女性向きの仕事とは言えないけれども、
それは覚悟の上。

しかし、仕事の内容以上にヒドかったモノが。

それは、男性労働者たちからの嫌がらせでした。

とくにセクハラは、ジョージーをはじめ、
女性労働者たちにかなりの精神的苦痛や屈辱を
与えました。

ジョージーは、上司や社長にまで労働環境の改善を
訴えますが、全く相手にされず、
更なる屈辱を味わう結果に終わります。

覚えのない中傷を受け、子どもの心まで傷つけられ、
ジョージーの我慢は限界に達します。

家族、自分、そして女性労働者たちを守るためには、
もう戦うしかない。

けれども数少ない女性労働者たちは状況の悪化を恐れ、
ジョージーの味方にはなってくれず、
彼女は、たったひとりで立ち上がる決意を……。

この作品を観て、やはり「母は強し」だと思いました。

子どもたちの存在がなかったら、きっとジョージーは、
あそこまで戦えなかったのではないかと思います。

事実に基づいた作品なので、ああいう苦痛や屈辱に耐え、
ひとりで立ち上がった女性が実在するのかと思うと、
賞賛の気持ちでイッパイになります。
私だったら、1日で逃げ出しているだろうなぁ……。

いや、半日か……

某雑誌で、
「ジョージーを演じるには、セロンは美しすぎる」
的な記事を読んだ気がするのですが、確かに……。

ジョージーは10代で長男を産んでいるにしても、
長男と並ぶと姉と弟みたいだったし、
鉱山でどんなに煤汚れても、やっぱりセロンは美しいので、
チョットだけリアリティーさに欠けてしまっているような
気がしないでもなかったかな……。

『モンスター』であれだけ変身したセロンなのだから、
もう少し男勝りな感じを出して欲しかったかも……と
思ったりもしますが、実際のモデルが美しい女性だった
のかもしれませんね。

でも流石オスカー女優、法廷での怒りに燃える目などは、
ジョージーの感情を見事に表現しています。

私は、ジョージーの勇気に最も感動しましたが、
その次に、ジョージーの父親の娘への愛情に感動しました。

この作品に教えられたのは、
「うつむかずに生きていくために、
勇気を持って立ち上がらなくてはならないときもある」
ということです。

とても難しいことなんですけれどね……。

スタンドアップ 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ
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