中国の大学生の新入生には、中国語で「軍訓」と呼ばれる軍事訓練が義務付られています。大学の新入生は、正式の授業を受ける前に、先ず軍事訓練の授業を受ける事になります。期間は、一般には、大体二週間前後の様です。尚、この大学生に大して行われる軍事訓練は、中華人民兵役法及び中共中央関彝教育体制改革決定と云う法に基づいて行われるとの事です。
1988年9月から私は中国で語留学生として、河南省鄭州市にある鄭州大学で中国語の勉強をしていたのですが、ある日突然軍服姿の学生が大学構内に沢山現れビックリした事があります。その頃は大学によっては人民解放軍の施設内で軍事訓練が行われる場合も多く、軍事訓練の締めくくりとして大学の運動場で分列行進が行われると云う場合も多かった様です。
その頃には、中国では大学の授業の一環として軍事訓練があると云う様な情報は一切無く、この方面の予備知識が全く無かった為に、大学構内に軍人が沢山現れたと勘違いして余計驚いた事を覚えています。
今では、解放軍から大学に軍人が派遣されて来て、学部の専攻毎に担当の軍人が付き、大学構内で軍訓を行うのが一般的なので、その軍事訓練の一部の様子を見る事も出来ます。軍事訓練の内容は、大きくは解放軍の歴史や国防意識を高める為教室で行われる講義と、軍隊式の整列、集合、分列行進等実技に分かれる様です。
また、軍事訓練の締めくくりとして、大学の党書記、学長等の大学の指導者の隣席の元、運動場で閲兵式が行われ、その出来栄えを競い、優秀なクラスは表彰もされる様です。また、軍事訓練の期間中は、学生は軍服の着用も義務付けられおり、この時期には大学周辺の街では、軍服姿の学生を良く見かけます。中国の大学では、日本の大学と違い、学費の内に教科書代やこの軍訓の為に着用する軍服代も含まれる様です。
私が一時席を置いていた某大学では、実弾射撃も経験する事出来るブログラムも用意されていましたが、この様な事が経験出来るのはかなり珍しい様です。また、この大学では大学周辺を隊列を組んで3時間程歩く訓練もありました。軍訓を受ける学生の中には受験勉強に明け暮れていたので、高校時代はロクナ運動をしていない為、途中で歩けなくなる学生も見受けられました。教室で行われる講義以外の訓練は大学により内容も違う様です。
班毎に専任の軍人が付き指導します。
「軍訓」の期間中は、学生は軍服を着て過ごします。
分列行進の練習。最初の頃は当然ですが足並みも揃いませんで、軍人が付きっ切りで指導します。
軍服のたたみ方等訓練もあるようですが、実技の内容は大学により違う様です。
「軍訓」の締めくくりとして、大学の党書記、学長等の隣席の元で、閲兵式が行われますが、最初の頃足並みも揃いません。
分裂行進の練習が始まったばかりの頃は、様にならなかったのですが、訓練を重ね最後の閲兵式の時には、すっかり顔つきも変わり兵隊らしくなります。