新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課23「行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その2)」編

●行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その2)

 来年度の予算を見据えて施策の展開状況や課題等を年度半ばを過ぎたあたりでレビューするディスカッションの場において、人口減少対策について部局横断的な取組を促し、より効果の上がるような重点化を図るために外部有識者の活用を提案した私が、その候補として二名の方を挙げると(「その1」はこちら)、同席者は一旦静かになった。「これは否定的な反応か」と思った矢先、幹部達からは、「確かに人口減少対策に関して、行政の事情も十分理解した上で助言を頂けそうで、ご協力も得られそうなのはお二方くらいかもしれない」と概ね賛同であった。
 それにしても、来年度当初予算の編成に少しでも活かせるようにご助言を頂くためには、速やかに対応しなくてはならない。ご多忙に違いないお二方をワーキングチームの会合にお招きするのは、メンバーの日程調整も併せて無理そうだ。そうなると、ご助言を頂にお二方の所へ訪問するというのが現実的だ。私は、お二人のグレードやご助言を頂く人口減少問題という重さを勘案すれば、ワーキングチームの座長である副知事との面談をセットして私が随行するというイメージを描いたのであるが、間髪入れずに「副知事日程を近々に取るのは無理なので課長のあなたが個別にお願いして回るように」とのご指示だ。言い出しっぺとはいえ大役を仰せつかったものだと気が少し重くなる。そもそも、岩手県知事や総務大臣まで歴任されたあのビッグネーム"増田寛也"先生に新潟県の担当課長ごときがピンでお会いできるものなのか。まあダメ元で先ずは当たって砕けろだと何とか気を持ち直してアポ取りをしてみることにした。
 かくして、新潟暮らし推進課長として、新潟県の人口減少問題を政策分野横断的に検討する事務局をしていた2018年の秋に、ご助言やご指摘をいただきたくて初めて門戸を叩いたのが増田寛也先生だ。岩手県知事や総務大臣までも歴任され、その後も「地方消滅」の書籍などを通じて、センセーショナルかつ説得力をもって人口減少問題の警鐘を鳴らしてきた地方自治の超大物。
 私のような地方自治体の課長ごときが一人でお会いしてもらえるのか、お会いできても高圧的にやり込められるだけでは…などという心配は全くの杞憂だった。
 県の課長が一人で?…と最初は怪訝な表情だったが、事前に精読した増田先生の全ての著書から随所に引用して問い掛けたことなどにより信用を頂けたのか、予定時間も大幅超過して沢山の貴重な知見を拝聴できた。初めての面談にもかかわらず、当方の真剣な姿勢が伝わるや否や、次から次へと溢れんばかりの知見に基づくご助言をいただき、新潟県の振興のための論点課題も独自に整理された具体のデータをお示しいただきなから、実に気さくにディスカッションに応じていただけたのだ。
 この時に得られたご助言は、ワーキングチームメンバーに共有したが、さすがに次年度の当初予算の具体的事業に目に見えるほど反映できたかといえば時間不足もありなかなか思うように活かせなかったというのが正直なところだ。ワーキングチーム事務局としての初動の遅れや関係部局との連携至らなさを悔いるばかりである。
 その後、増田先生は日本郵政の社長となられ(令和4年1月現在)、私も苦労して蓄積した知見を活かすことのできない無関係の部署に異動させられたため、改めてお会いすることなど叶わなくなってしまったが、胸にしまっている先生からの貴重なご指摘やご助言の数々を、残り僅かな県職員在職中に機会があれば、もしくは退職後であっても、可能な場面で活かせていただきたいと思っている。

(「新潟暮らし推進課23「行き詰まりのワーキングチームに外からの刺激を(その2)」編」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課24「地方創生フォーラムin新潟(その1)」」に続きます。)
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