黒田晴美の子育てとコーチングと「わたし」

神戸でコーチをしている黒田晴美です。子育て中のママや夢に向かって一歩踏み出したい方のサポートをしています。

植松努さんのお話を伺って

2009年04月06日 | はるの成長日記
今回講演をしてくださった植松努さんは北海道にある従業員20名ほどの小さな町工場、株式会社植松電機の専務さんです。
従業員の中には大学を出ている人はいないそうです。
皆さん、中卒や高卒。
そういう人たちが宇宙にロケットを飛ばしています。

植松さんは小学生の頃から飛行機博士だったそうです。
だけど、それは植松さんだけではなく、
周りには昆虫博士や電車博士、ピンクレディー博士などたくさんの博士がいたそうです。
だけどみんな中学生になるとやめてしまったそうです。
今までみんなの人気者だったのに、博士はバカの代名詞となり、
「いつまでそんなことやってるの?勉強に役に立たないことはやめなさい」
といわれるようになりました。

それでも植松さんは飛行機博士をやめませんでした。

中学校の進路相談の時、「将来何になりたい?」と聞かれ、
「飛行機やロケットを作りたい」といったところ、
「芦別に生まれた段階で無理だ。飛行機を作るのには東大をでなければいけない。
芦別から東大に行った人はひとりもいない」
といわれたそうです。
どうしたい?と聞きながら、お前が行けるのはここだけだ、というのは
憶測による進路評論にしかすぎないとおっしゃっていました。
未来とは可能性をあきらめて、今できる範囲から選ぶことではない。
夢を実現する方法を考えて備えることでしかない。
それをするのが本当の進路相談の時間であるということにとても共感しました。

植松さんは、ライト兄弟は東大に行ってないじゃないか!と思ったそうです(笑)
誰かが教えてくれることをやって1番になることはありえない。
誰もしないことをするから1番になる。
教えてもらえないとできないという考えから、自分で学ぼうという考えに変わろう!というのは、
SCRで堀口さんがおっしゃっていることにも通じると思います。

ただ、これをすると学校の成績は悪くなるそうです(爆)

そんな植松さんでしたが、大学で出会った学問(流体力学)は、
小学生のころから馬鹿よばわりされながら続けてきた趣味(飛行機づくり)だったそうです。
当然植松さんは楽しくてしょうがなかったのですが、
植松さんの周りの人はみんな暗い顔をしていたそうです。
なぜならその大学は偏差値が低く、周りの人は希望の大学を落ちて、
仕方なくその大学へ入学し「こんな大学にくるなんて、もうダメだ」といっている人たちだったからです。
だけど植松さんはいいます。
周りの人がもうダメだといっても、自分もダメだとは限らない。

好きなことを掘り下げて学ぶのが大学や専門学校なのに、
好きなことは「成績に関係ないからやめなさい」と言われ続けているのです。

有名なアポロ計画ですが、実際には失敗続きだったそうです。
あるとき、新聞記者がいじわるな質問をしました。
「アポロ計画に足りないのは金ですか?技術ですか?」と。
暗にどれだけお金を使うんだ、本当はできないことをできるといっているんじゃないかという含みがあります。
それに対してアポロ計画の責任者は
「情熱を保ち続けることです」と答え、
一気にメンバーの士気はあがり、アポロは月へ行きました。

信じるということは、誰かがしてくれることの期待ではない。
信じるということは、自分がするという覚悟だ。
という言葉も胸に残りました。

世界一を作ってきたのは、いつでも最初は国家ではなく個人だ。
ライト兄弟しかり、エジソンしかり。
坂本竜馬もひとりしかいない。
人はみな、無限の可能性を秘めている。
殺人が罪なのは、警察に捕まるからとかいう理由ではなく、
人類にとって大切なひとりの可能性を奪うからだ。
人の死が悲しいのは、その人の過去が大切なのではなく、
未来への可能性がなくなるからだ。

ここで亡くなった同級生のことを思い出しました。
彼の死が悲しいのは、それまでの彼がいなくなったことももちろんですが、
生きていればこれから結婚して子どももできて、
そして今までよりもっともっと世の中の人の役に立つ人になっていただろうことを思うと、
その失われた未来の可能性に、改めて胸のつまる思いがしました。

学力とは「学ぶ力」
今現在ではなく、今よりどれほど変われるかという未来の力。
赤ちゃんは、必ず転んで痛い思いをするのになぜ歩こうとするのか。
それは知らない世界を知りたいからです。

植松さんは全国各地でロケット教室も開催されています。
ロケット教室で使われるロケットのキットはアメリカ製で説明書は全部英語だそうです。
植松さんは修理の仕方などはアドバイスしますが、作り方の説明はしないそうです。
「日本語の説明書はないんですか?」
と聞いてくるのは大人ばかりだそうです(笑)

それでも子ども達はちゃんとロケットを完成させます。
そして、それをグラウンドで打ち上げます。
ロケットを作れた!だけどほんとに飛ぶのかな?
そんな不安げな子どもの表情が、自分でロケットを飛ばしたとたん、
どんな表情をみせてくれることか
たくさんの子ども達の映像をみているだけで、
感動で胸がいっぱいになり泣けてきました。

DREAM CAN DO,REALITY CAN DO
NASAの門に刻まれている言葉です。

思い描くことができれば、それは現実にできる。


とてもいいお話を聴かせていただきました。



講演後に植松さんと名刺交換させていただきました。



そして、講演後日本スクールコーチ協会のワークをしていたときに
植松さんが子ども達と一緒に作ってくださっていたペーパークラフトの材料を
いただくことができました。
(あっという間に、植松さん子ども達の人気者でした
ハサミものりも植松さんが持っていらしたもので、
「飛行機には持ち込めないのでどうぞ使ってください」
と置いていかれたものだとか。
「植松さんのオーラがこもってるよ~。はるさん、どうぞ!」
といわれて、ありがたくいただいてきました。
家宝にします

頭の部分だけ作られていたのですが、
帰宅してからすぐに子ども達と一緒に作りました。
今は犬好きの娘の机に飾られています。


100メートル走ができるだけの広さがあるところであれば、
全国どこでもロケット教室を開催してくださるそうです。

こちらのインタビュー記事もあわせてご紹介させていただきます。
今月のいい人

ぜひ、ロケット教室を開催したい
私の夢がまたひとつ増えました。
一緒に夢を叶えてくれる人、募集中です。


僕らには”夢見る力”がある~植松努さんの講演会にいってきました

2009年04月06日 | はるの成長日記
楽しくランチ会を過ごした後は、
日本スクールコーチ協会関西支部の1周年記念イベント、
植松努さんの講演会に行ってきました。

* * * * * * * * * * * * * * * * * *
 
植松さんは思いました。

「将来、飛行機やロケットの仕事がしたい」と言うと、
中学の進路指導の先生から〝お前の頭では絶対無理!〟のひと言。
さすがに自分はこの言葉に絶望させられました。
子どもたちがやりたい!と思うことを大人の〝どうせ無理〟のひと言で、
子どもたちの想いをつぶしては絶対いけない!と強く思ったんです。

今、植松さんはロケットを宇宙に打ち上げています。 そして、思っています。

子どもたちが夢をあきらめずに生きていける。
そんな社会にしなくちゃいけないんです。

一緒に夢を語る時間を持ちましょう。
あなたとあなたの目の前の子ども達の夢を。

(日本スクールコーチ協会HPより)

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

この紹介文にとても共感して、ぜひお話を伺いたいと思いました。
というのも、私自身大人の心ない発言で自分の夢を否定されたことがあったからです。

中学生の時に留守番していたときのことです。
親戚のおばちゃんから電話がかかってきました。
母に用があったようですが、留守なことを伝えると、
「そういえば晴美ちゃんももう中学生やな~。将来何になりたいん?」
と聞かれました。
ちょうど私もその頃、自分の将来の夢というものを考えだした時期だったので、
それを聞いてくれたことが嬉しく、
「私ね、子どもが大好きだから、将来保母さんになりたいの
と意気揚々と答えたことを覚えています。
それに対して返ってきた答えは
「え~?保母さん?そんなんやめとき!女の子やったら看護婦さんがいいで。
手に職つくし、結婚しても働き続けられるし、お給料いいし!
おばちゃんとこのお姉ちゃんも2人とも看護婦さんになったんよ。
晴美ちゃんもそうしとき!」

・・・・・・
そのときの夢を真っ向から打ち砕かれたときの気持ちは、
未だにこれだけ語れるのだから、相当のものだったようです(笑)
そのあと、どう答えたかは覚えていませんが、
おばちゃんのこの発言だけは今でもしっかりと覚えています。

ちなみに、妹の当時の夢は看護婦さんになることでしたが、
それは決して、手に職がつくからでも、結婚してからも働き続けられるからでも、
ましてやお給料がいいからでもなく、
『キャンディ・キャンディ』に憧れてのことでした。
キャンディだって、看護婦の仕事を選んだのはおばちゃんがいったような理由ではなかったと記憶しています。


前置きが長くなりましたが、そんな自分の体験もあり、
また必ず子育てコーチングにつながる部分もあると思えたので、
ぜひ一度、本当に夢を叶えた人の話をお伺いしたかったのです。

長くなりそうなので、感想は別記事にすることにいたします。