妄想ドラマ『Dive into the future』 (3)
誰かが優しく髪をなでている。
幼い頃、母親にそうしてもらった時のように穏やかな気持ちだった。
潤が目を開くと見慣れない高い天井が目に入った。
自分の部屋ではないらしい。
頭がぼんやりとして状況がつかめない。
「よかった。気がついたのね」
潤は身体を動かそうとして、自分の腕に点滴の管のようなものが
ついていることに気がついた。
話しかけたのは白い服を着た見知らぬ若い女性だった。
栗色がかった長い髪を後ろでひとつにまとめている。
ほんのりとどこかで嗅いだことのある甘い香りがした。
「あなたは誰?そしてここは・・・病院?」
「私は小井戸楓、医者よ。そしてここは病院・・・みたいなもんね」
「俺はどうして病院にいるんですか?頭が痛くて何も思い出せない・・・」
「大丈夫、なにも心配することはないのよ。事情は少しずつ説明するから」
それから潤は雪山で雪崩に巻き込まれて遭難したこと。
3日間意識が戻らなかったけれど、身体には特に怪我もないことなどを説明された。
「あなたのほかに4人の人たちが雪崩に巻き込まれたけど、みんな救助されたの」
「そうだ!真っ白な景色の中にいた。雪だった・・・」
「思い出した?」
「まだもやがかかったみたいで・・・」
「一時的なことだと思うから心配しないで」
楓の優しい声はなぜだか潤を落ち着かせる。
「自分の名前は分かる?」
「松本潤。25歳。なにか仕事をしていたんだけど・・・わからない」
「焦らないで。少しずつ戻っているからきっと大丈夫」
それから潤は起き上がり、ベッドの周りを歩いてみた。
少しふらふらしたが身体は楓に言われたとおりなんともない。
午後には病室から直接出られる庭を散歩できるほどになった。
ただ不思議に思ったことがあった。
潤が遭難したのは冬山だったはずなのに、庭は初夏のように日差しがまぶしく
綺麗な花が咲いていた。
家族が誰も来ていないのも疑問に思ったけれど、
家族のことを何も思い出せない今は悲しませるだけだから会わないほうがいいと思った。
それにひょっとしたら家族がいないのかもしれない。
夕方になると、一緒に救助された4人と引き合わせるので、着替えるようにと服を渡された。
楓に案内されてエレベーターに乗ると
エレベーターに押しボタンはなく、音声案内が流れた。
「行き先をお告げください」
「地下308へ」
楓が告げるとエレベーターは下降し、それから横へすべるように動いた。
潤が驚いているとドアが開き広い会議室のような部屋が現れた。
同じ服を着た若者が4人と上品そうな白髪の紳士、
それにメガネをかけた神経質そうな50歳くらいの男が待っていた。
「どうぞ掛けて」
促されて椅子に座ると白髪の男が話し始めた。
「私は神無月と言います。こちらは山辺くん。そしてここにいる君たち5人は
同じ運命をたどってここに来た。雪崩に巻き込まれて救助されたけれど記憶を失っている」
潤は他の4人と顔を見合せた。
吹雪の記憶の中に、自分の後ろから来ていた複数の人間の姿が浮かび上がった。
「では、私から紹介しよう。名札を付けてもらっているので覚えてください」
神無月は自分に近い方から櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、大野智、そして松本潤を
みんなに紹介した。
紹介と言っても名前と年齢だけ。
記憶がとぎれとぎれで自己紹介すらできない状態なので仕方がないと潤は思った。
一緒に遭難した人間が俺のほかに4人いたということか。
しかし、みんなが記憶を失っているというのはどういうことだ。
潤は混乱した。
「これから話すことはすぐには信じられないだろう。でも受け入れるしかない事実なんだよ」
神無月は5人の目を一人ずつしっかりと見た。
そしてこう言った。
「ここは君たちが暮らしていた西暦2009年から140年後の世界なんだ」
潤は自分の頭がおかしくなったと思った。
これは夢か幻覚に違いない。
「今、そんな冗談は聞きたくない」
誰かがつぶやいた。
---------つづく-----------
さてやっと全員そろいましたね!
で、これからどうする???
どんなキャラにする???
誰かが優しく髪をなでている。
幼い頃、母親にそうしてもらった時のように穏やかな気持ちだった。
潤が目を開くと見慣れない高い天井が目に入った。
自分の部屋ではないらしい。
頭がぼんやりとして状況がつかめない。
「よかった。気がついたのね」
潤は身体を動かそうとして、自分の腕に点滴の管のようなものが
ついていることに気がついた。
話しかけたのは白い服を着た見知らぬ若い女性だった。
栗色がかった長い髪を後ろでひとつにまとめている。
ほんのりとどこかで嗅いだことのある甘い香りがした。
「あなたは誰?そしてここは・・・病院?」
「私は小井戸楓、医者よ。そしてここは病院・・・みたいなもんね」
「俺はどうして病院にいるんですか?頭が痛くて何も思い出せない・・・」
「大丈夫、なにも心配することはないのよ。事情は少しずつ説明するから」
それから潤は雪山で雪崩に巻き込まれて遭難したこと。
3日間意識が戻らなかったけれど、身体には特に怪我もないことなどを説明された。
「あなたのほかに4人の人たちが雪崩に巻き込まれたけど、みんな救助されたの」
「そうだ!真っ白な景色の中にいた。雪だった・・・」
「思い出した?」
「まだもやがかかったみたいで・・・」
「一時的なことだと思うから心配しないで」
楓の優しい声はなぜだか潤を落ち着かせる。
「自分の名前は分かる?」
「松本潤。25歳。なにか仕事をしていたんだけど・・・わからない」
「焦らないで。少しずつ戻っているからきっと大丈夫」
それから潤は起き上がり、ベッドの周りを歩いてみた。
少しふらふらしたが身体は楓に言われたとおりなんともない。
午後には病室から直接出られる庭を散歩できるほどになった。
ただ不思議に思ったことがあった。
潤が遭難したのは冬山だったはずなのに、庭は初夏のように日差しがまぶしく
綺麗な花が咲いていた。
家族が誰も来ていないのも疑問に思ったけれど、
家族のことを何も思い出せない今は悲しませるだけだから会わないほうがいいと思った。
それにひょっとしたら家族がいないのかもしれない。
夕方になると、一緒に救助された4人と引き合わせるので、着替えるようにと服を渡された。
楓に案内されてエレベーターに乗ると
エレベーターに押しボタンはなく、音声案内が流れた。
「行き先をお告げください」
「地下308へ」
楓が告げるとエレベーターは下降し、それから横へすべるように動いた。
潤が驚いているとドアが開き広い会議室のような部屋が現れた。
同じ服を着た若者が4人と上品そうな白髪の紳士、
それにメガネをかけた神経質そうな50歳くらいの男が待っていた。
「どうぞ掛けて」
促されて椅子に座ると白髪の男が話し始めた。
「私は神無月と言います。こちらは山辺くん。そしてここにいる君たち5人は
同じ運命をたどってここに来た。雪崩に巻き込まれて救助されたけれど記憶を失っている」
潤は他の4人と顔を見合せた。
吹雪の記憶の中に、自分の後ろから来ていた複数の人間の姿が浮かび上がった。
「では、私から紹介しよう。名札を付けてもらっているので覚えてください」
神無月は自分に近い方から櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、大野智、そして松本潤を
みんなに紹介した。
紹介と言っても名前と年齢だけ。
記憶がとぎれとぎれで自己紹介すらできない状態なので仕方がないと潤は思った。
一緒に遭難した人間が俺のほかに4人いたということか。
しかし、みんなが記憶を失っているというのはどういうことだ。
潤は混乱した。
「これから話すことはすぐには信じられないだろう。でも受け入れるしかない事実なんだよ」
神無月は5人の目を一人ずつしっかりと見た。
そしてこう言った。
「ここは君たちが暮らしていた西暦2009年から140年後の世界なんだ」
潤は自分の頭がおかしくなったと思った。
これは夢か幻覚に違いない。
「今、そんな冗談は聞きたくない」
誰かがつぶやいた。
---------つづく-----------
さてやっと全員そろいましたね!
で、これからどうする???
どんなキャラにする???