嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『Dive into the future』 (10)

2009年07月20日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
     
      妄想ドラマ 『Dive into the future』 (10)




朝日が登ると雄大な景色が広がった。

140年後の日本にも変わらない自然が残っていた。

「綺麗だな」翔がぽつりと言った。

自分たちが愛した山の風景が今も目の前に広がっていることに、5人は安堵した。

しかし感慨にふけっている暇はない。

地図で下山ルートを確かめると智を先頭に出発した。

一度、カモシカの気配に驚いたが、あとは危険を感じることもなくふもと近くの道路に出た。



しばらく歩いて、別荘らしきログハウスの表ににキーをつけたままの車を見つけた。

「本当にみんな死んでしまったのかな」

雅紀がログハウスを覗こうとしたが翔に止められた。

「やめろよ。見たくない光景が広がっているかもしれない」



潤が運転席に座ってエンジンをかけた。

研究所で教えられたとおり、カーナビに目的地の住所を告げる。

「シートベルトを装着してください。スタートします」

全員がシートベルトをつけると、車は滑らかに走り出した。

後は自動運転で目的地まで行ける。

「すごいな。いつからこんな車になったんだろう?」

「交通事故もなくなったのかな?」

潤と助手席の翔が感嘆の声をあげた。

「目的地までの所要時間は約30分です」

再び女性の声が流れた。

「テレビつけてみよう。なにかわかるかも」

翔が画面のテレビの表示に触れると、そこには恋愛ものと思われるドラマが映った。

「チャンネル変えて」

和也に言われて翔が次々にチャンネルを変えるが、ニュースやドラマ、

中には地方からの生放送までやっている。

「どういうことだよ?平和なもんじゃないか!」

5人は呆然とした。



「だまされてたんだ」

沈黙を破って智が言った。

「いったい誰がなんのために?」

和也の言葉に潤が答えた。

「研究所が孤立していたのは確かだ。何者かが通信を遮断して、嘘の情報を神無月さんたちに流した」

「ひょっとしてタイムマシンの研究が狙われてるんじゃ?」

「そうだろうな。悪用しようと思えば、世界を手中に収める事だって夢じゃない。

 実際にタイムマシンを作動させるために嘘の情報で追い詰めたんだよきっと」

潤はそう言うとハンドルに両手をかけ、自動運転の解除スイッチを押した。

「自動運転を解除します」

音声案内が流れた。

「潤、どうするつもり?」

翔が聞いた。

「どこかで情報を仕入れよう。表向きはバイオ研究所になってるところが

 通信網まで隔離されていればおかしいだろ?家族だって黙っていないと思う」

「そうだな、状況を知らなきゃ動けない」



目的地近くに一軒の店があったが営業していなかった。

一枚だけ開いたシャッターから、ちょうど年配の男性が出てきた。

雅紀と和也が車を降りて声をかけた。

「あのお店やってないんですか?」

不審に思われないように注意しながら、雅紀が聞いた。

「この先に検問があって通行止めだから商売にならないよ。当分休業だね」

「何かあったんですか?」

「何かって、ニュース見てないの?ちょっと前にバイオ研究所で事故があって、何とかいう薬品で汚染されているらしいね。

 トンネルから向こうは隔離状態。可哀そうに全員亡くなったらしいけど、当分は遺体も引き取りにいけないらしいよ」

「へぇ、じゃぁ検問ってやっぱりすごいんでしょうねぇ?」

「最初はね。でもトンネルは警備用のロボットがいるから、今はバリケードがあって、交代で二、三人立ってるだけだよ。

 見に行ってもつまんないからよしな」

「ありがとうございました」

二人が礼を言うと男性は車に乗って走り去った。



潤と雅紀は車に残り、あとの3人は道路から山へ入り、検問所を避けてトンネルの管理事務所を目指した。

そこの地下施設のコンピューターから非常事態の隔離を解除することが出来る。

もしそれが出来なければ防衛庁に掛け合うしかないが、どこの誰ともわからない

5人なんて門前払いだろう。



15分程歩くと、雑木林から見えた管理事務所はこじんまりとした建物で、門は閉められ人気はなかった。

「大丈夫。危険は感じない」

和也の言葉で智が建物の裏から入り口に回った。

暗証番号を入力すると簡単にドアが開いた。

手を上げて合図をすると、翔と和也がすばやくドアに滑り込んだ。

地下施設へのドアは指紋の照合が必要だったが、

神無月の指を正確にかたどった、シリコン製の指で開ける事ができた。

その後も身分証明のカードで3つのドアを抜け、コンピューター室に入り、いよいよ解除できるところまで来た。

「翔、パスワードはDream "A" liveだよな」

和也が確認した。

「パスワードはDream" A" live、どういう意味だろう?」



画面に『バイオ研究所の非常事態網を解除しました』の文字が出た。

「よし行こう!解除されたことを知れば、犯人たちは慌てて動く。神無月さんたちが危ない。

 彼らに何かあれば俺たちも、もとの世界に帰れなくなる」

智の緊迫した声に翔と和也も、これからの行動が自分たちの運命を決めるのだと感じた。



         ----------つづく-------




う~ん11話で完結は無理のようです

どんどん妄想が予定より膨らんで・・・

もう少しお付き合いを




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする