さてさて“ありえないっつーの!”な展開になりましたのでリアルな
理屈は抜きでお願いします。
ではどうぞ。
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (4)
しばらくの間、5人はピクリとも動かなかった。
それでいて頭の中はフル稼働で、混乱を沈めようとしていた。
「俺たちをからかってどうしようっていうんですか?」
最初に口を開いたのは翔だった。
「からかったりはしていない。君たちが遭難したのは真冬だったけれど
こちらの世界では7月だ。外を見て不思議には思わなかったかい?」
「確かにおかしいけど、記憶がほとんどないのだからなんとも言えない。
ここが140年後の未来だという証拠を見せてください。納得できる証拠を」
翔の言葉に皆深くうなずいた。
「第一、どうやって2009年から2149年に来たりできるんだよ。タイムマシンにでも
乗ったっていうつもりかよ」
和也がつぶやいた。
「そうだよ。2009年にはSFの域を出ていなかったタイムマシンは、今や現実に存在するんだ。
この研究所にね。ただし、まだ研究途中だ」
神無月はここが病院ではなく国家機密の研究所であることを説明した。
四方を山に囲まれ、西にあるトンネルを抜ける道路でしか他の街へは行けない。
衛星からもカモフラージュするために、植物のバイオ研究所の地下部分が
TP38と呼ばれているタイムマシンの研究所になっている。
「その話が本当だとしたら、俺たちは実験台にされたってことかよ?」
潤は思わず神無月に詰め寄った。
いや、正確には詰め寄ろうとした途端、山辺に静止された。
山辺は潤に指一本触れていないのに、潤の身体は不思議な衝撃を受けて押し戻され尻もちをついた。
他の4人が驚いて立ち上がった。
「やめなさい。彼らは混乱しているだけだ。私に危害を加えようとしたわけじゃない」
神無月は山辺をたしなめると、潤の手を取って立ち上がらせた。
そしてこう言った。
「驚かせてすまなかった。山辺くんはちょっと疲れてナーバスになっているんだよ。
今のは彼がシールドを張ったんだけれど、140年後だという証拠のひとつにはならないかな?
君たちの時代にはなかった技術だ」
「さっきの質問に答えてない。俺たちはタイムマシンの研究のために連れてこられたんですか?」
翔の問いかけに神無月は大きく首を振った。
「いや、そうじゃない。君たちが雪崩で遭難したところを偶然救助したんだ。
たぶん我々が助けなければ、君たちは全員死んでいただろう」
「僕たちはもとの時代に帰れるんですよね?」
それまで黙って聞いていた雅紀が口を開いた。
「正直に言うと・・・かなり難しい。君たちを過去からここへ連れて来ることには成功したけれど、記憶を失っている。
未来から過去へ戻す方が難しいんだ。何が起こるかわからない」
みんな言葉を失った。
「すぐにこの現実を受け入れろと言う方が無理なのはよくわかっている。でも君たちには仲間がいる。
同じ時代を生きてここへきた5人だ。私たちも出来るだけのことはするから、自棄になったりはしないで欲しい」
仲間という言葉に5人は再びお互いを見た。
「それとも君たちは雪崩で死んだ方がよかったのか?」
山辺の死んだという言葉が胸に刺さった。
5人は研究所の2階に、それぞれ部屋が与えられた。
2階のフロアは他に食堂と娯楽室もあり自由に使うことを許された。
楓や潤たちの世話をしてくれるスタッフたちと一緒に食事をしたり、
時にはゲームをして笑いあうこともある。
みんな同情しているのかとても優しかった。
特に潤は楓と親しくなった。
断片的に戻ってきた記憶の中の若かった母と面影が似ている。
幼い自分を優しく抱きしめてくれた母が夢の中に出てきた。
今頃、もとの世界では俺は雪崩で行方不明になっているのだろうか。
いろんな思いに胸が押しつぶされそうな時、楓は何も言わずに潤を抱きしめてくれた。
5人はそれぞれわずかな記憶が戻っただけで、後は霧がかかったような状態だった。
お互いに部屋を行き来して、話をしたが自分のことすらほとんど記憶が
ないのだから、すぐに話題はつきた。
一週間が過ぎたころ、スタッフたちの雰囲気が変わってきた。
なにか緊張感のようなものを感じる。
そして5人は再び地下の会議室に呼ばれた。
今度は神無月と山辺の他に10人程の男たちが待っていた。
「今日はとても重要な話があるんだ。今、我々は危機に直面している。
そしてそれを打開するために君たちの力を貸して欲しい」
それから神無月は驚くべき事実を語りだした。
------------つづく---------
なかなか進まなくてすみません。
次回こそは5人を研究所から放り出したいなぁ
そしてまだしゃべってないあの人もセリフを!
理屈は抜きでお願いします。
ではどうぞ。
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (4)
しばらくの間、5人はピクリとも動かなかった。
それでいて頭の中はフル稼働で、混乱を沈めようとしていた。
「俺たちをからかってどうしようっていうんですか?」
最初に口を開いたのは翔だった。
「からかったりはしていない。君たちが遭難したのは真冬だったけれど
こちらの世界では7月だ。外を見て不思議には思わなかったかい?」
「確かにおかしいけど、記憶がほとんどないのだからなんとも言えない。
ここが140年後の未来だという証拠を見せてください。納得できる証拠を」
翔の言葉に皆深くうなずいた。
「第一、どうやって2009年から2149年に来たりできるんだよ。タイムマシンにでも
乗ったっていうつもりかよ」
和也がつぶやいた。
「そうだよ。2009年にはSFの域を出ていなかったタイムマシンは、今や現実に存在するんだ。
この研究所にね。ただし、まだ研究途中だ」
神無月はここが病院ではなく国家機密の研究所であることを説明した。
四方を山に囲まれ、西にあるトンネルを抜ける道路でしか他の街へは行けない。
衛星からもカモフラージュするために、植物のバイオ研究所の地下部分が
TP38と呼ばれているタイムマシンの研究所になっている。
「その話が本当だとしたら、俺たちは実験台にされたってことかよ?」
潤は思わず神無月に詰め寄った。
いや、正確には詰め寄ろうとした途端、山辺に静止された。
山辺は潤に指一本触れていないのに、潤の身体は不思議な衝撃を受けて押し戻され尻もちをついた。
他の4人が驚いて立ち上がった。
「やめなさい。彼らは混乱しているだけだ。私に危害を加えようとしたわけじゃない」
神無月は山辺をたしなめると、潤の手を取って立ち上がらせた。
そしてこう言った。
「驚かせてすまなかった。山辺くんはちょっと疲れてナーバスになっているんだよ。
今のは彼がシールドを張ったんだけれど、140年後だという証拠のひとつにはならないかな?
君たちの時代にはなかった技術だ」
「さっきの質問に答えてない。俺たちはタイムマシンの研究のために連れてこられたんですか?」
翔の問いかけに神無月は大きく首を振った。
「いや、そうじゃない。君たちが雪崩で遭難したところを偶然救助したんだ。
たぶん我々が助けなければ、君たちは全員死んでいただろう」
「僕たちはもとの時代に帰れるんですよね?」
それまで黙って聞いていた雅紀が口を開いた。
「正直に言うと・・・かなり難しい。君たちを過去からここへ連れて来ることには成功したけれど、記憶を失っている。
未来から過去へ戻す方が難しいんだ。何が起こるかわからない」
みんな言葉を失った。
「すぐにこの現実を受け入れろと言う方が無理なのはよくわかっている。でも君たちには仲間がいる。
同じ時代を生きてここへきた5人だ。私たちも出来るだけのことはするから、自棄になったりはしないで欲しい」
仲間という言葉に5人は再びお互いを見た。
「それとも君たちは雪崩で死んだ方がよかったのか?」
山辺の死んだという言葉が胸に刺さった。
5人は研究所の2階に、それぞれ部屋が与えられた。
2階のフロアは他に食堂と娯楽室もあり自由に使うことを許された。
楓や潤たちの世話をしてくれるスタッフたちと一緒に食事をしたり、
時にはゲームをして笑いあうこともある。
みんな同情しているのかとても優しかった。
特に潤は楓と親しくなった。
断片的に戻ってきた記憶の中の若かった母と面影が似ている。
幼い自分を優しく抱きしめてくれた母が夢の中に出てきた。
今頃、もとの世界では俺は雪崩で行方不明になっているのだろうか。
いろんな思いに胸が押しつぶされそうな時、楓は何も言わずに潤を抱きしめてくれた。
5人はそれぞれわずかな記憶が戻っただけで、後は霧がかかったような状態だった。
お互いに部屋を行き来して、話をしたが自分のことすらほとんど記憶が
ないのだから、すぐに話題はつきた。
一週間が過ぎたころ、スタッフたちの雰囲気が変わってきた。
なにか緊張感のようなものを感じる。
そして5人は再び地下の会議室に呼ばれた。
今度は神無月と山辺の他に10人程の男たちが待っていた。
「今日はとても重要な話があるんだ。今、我々は危機に直面している。
そしてそれを打開するために君たちの力を貸して欲しい」
それから神無月は驚くべき事実を語りだした。
------------つづく---------
なかなか進まなくてすみません。
次回こそは5人を研究所から放り出したいなぁ
そしてまだしゃべってないあの人もセリフを!