嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『Dive into the future』 (11)

2009年07月22日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
  

      妄想ドラマ 『Dive into the future』 (11) 



潤と雅紀はジリジリしながら携帯を見つめていた。

研究所を出るときに持たされたもので、山のこちら側へ下りたらつながったのだ。



潤たちと別れて行動している翔たちから連絡が来ることになっていた。

3人が車を降りてから40分あまり、突然携帯が光った。

「解除した。門の陰で待機している」 

和也からだった。

「俺らも出発だ」

潤はゆっくり車をスタートさせた。



山に沿った大きなカーブを曲がると、すぐに検問が見えた。

簡単な柵が道路をふさぎ、両側に制服を着た男が一人ずつ立っていた。

止まるように合図をしている。

腰になにやら銃のような物を下げているところをみると、警官だろうか。

雅紀に目で合図をしてから、潤はいっぱいにアクセルを踏み込んだ。

「スピードオーバーです」

音声が流れ、警告のランプが点いた次の瞬間、車は柵に突っ込んでいた。

通行止めの標識がついた低い柵がこわれて、スローモーションのように破片が

飛び散るのが見えた。

驚いた二人の男が、横のキャンピングカーのように大きな白い車に走って行く。

「あいつらどこかへ連絡するつもりだ」

雅紀が叫んだ。

「かまわないさ。警察なら追ってくるだろう。その方が研究所の犯人は慌てる」



管理事務所の前に車を停めると同時に智たちが出てきた。

「中にいる犯人はどうするかな?神無月さんたちは外部と連絡がとれて、

 すべてが嘘だったと分かるわけだし」

車に乗り込むと和也が言った。

「俺ならデータを持って逃げるところだけど・・・もしそれが可能ならとっくに

 そうしていただろうしね」

と翔が言った。

「犯人はどうしてもタイムマシンを作動させてみる必要があった。そして犯人は、

 その気になればデータを持ち出せる神無月さん以外の誰か・・・」

「どういうことリーダー?」雅紀が聞いた。

「データを持ち出してもタイムマシンを作るにはたぶん莫大な費用がかかるだろう?

 その費用を出させるためには成功した実験結果が必要だったんじゃないかな」

「なるほどね。どこか外国にでも売り込むつもりだったってことか」



「トンネルだ。つかまってろ!」

潤の声に4人は話をやめて前を見つめた。

入り口に人間型のロボットが2体立ちはだかって、停止するよう合図している。

「間に突っ込むぞ!」

潤がそう言って、再びアクセルを踏み込んだ。

ぶつかる!と思った瞬間、ロボットはすばやく身をかわして威嚇射撃してきた。

2キロのトンネル内に、ロボットは1キロ地点と出口にも配置されているはずだ。

潤は猛スピードで1キロ地点を通り過ぎた。

銃声が立て続けにしたが、やはり威嚇射撃だった。



「非常事態は解除されたから、攻撃はしてこないね」

「次は威嚇じゃない。本気で狙ってくる」

翔の言葉を打ち消すように、和也が低い声で言った。

「みんな伏せてろ!カズ、かなり危険な感じ?」 

そう聞きながら、智が運転席の潤と助手席の翔の間に身を乗り出した。

「俺が感じるのは3、4体。運転席側から潤を狙う」

トンネルの出口が眩しく光っている。

ロボットが4体シルエットになって浮かび上がった。

「潤、恐れずに突っ込め。俺を信じろ!」

「了解。行くぞ!」


銃声がけたたましくトンネル内に響き渡り、

フロントガラスも運転席側の窓も粉々に砕け散って、一瞬前が見えなくなった。

それでも潤はハンドルにしがみつき、アクセルから足を離さなかった。

あっという間に銃声は遠ざかった。

「やった!」

「突破した!」

雅紀たちが口々に叫んだ。

潤は自分が生きていることを確認するように、大きく深呼吸をした。

智のシールドが潤を守ったのだ。

智は力を使い果たして、ぐったりと和也にもたれかかった。



やがて研究所の建物が見えてきた。

「携帯で神無月さんに連絡してみる?」

翔が聞いたが、智が止めた。

「誰が犯人かわからないし、きっとなにか行動を起こしてると思うよ」

「俺たちがこんなに早く戻ってきたとは思ってないだろうから、そっと行って

 様子を見たほうがいいんじゃない?」

雅紀の提案にみんな賛成した。

ゲートのすぐ手前の茂みで車から降りて、5人は塀の内側の植え込みに隠れながら建物に駆け込んだ。

非常事態の隔離が解除されたはずなのに、建物の中は静まり返っていた。

5人は黙って顔を見合わせた。

何かが起こっているのを肌で感じた。

その時、小さな物音がして5人はすばやくロビーの柱の陰に身を潜めた。




         --------つづく--------




今回は潤くんが乱暴な・・・じゃなくて強気な運転で活躍しましたね。

派手なカーチェイスとかも考えたけど・・・そんなことしてたらいつまでたっても

最終回にたどりつかなくなりそうで

ではまた
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