我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

イエライシャン(夜来香)

2022-09-12 11:37:45 | うたごえ、カラオケ、他音楽

戦後の歌姫(?)山口淑子(李香蘭)の歌う「イエライシャン」

 

❝あわれ春風に 嘆く うぐいすよ

月に切なくも 匂うイエライシャン(夜来香)

この香りよ 、、、、、、、、、❞

 

このイエライシャンが香木のことだとは知らなかった、

しかも夜になると甘い香りを放つと言う事で知られているんだとか、

それを知ったのはスマホのラインでやっているグループ通話、

メンバーは小中学校の同級生15名、

そのなかの一人からこんな投稿が写真と共にアップされた、

❝昨夜も庭のイエライシャンがいい匂いを漂わせていました、、、、、❞

それを見た花好きの一人から

❝私も欲しいなあ~❞の投稿、

挿し木で簡単に根ずく木らしい、

❝根付いた挿し木があるから早速届けてあげる❞

などの交信が続いていた、

時間を於いて交信の結びに

❝30キロの道のりをチーちゃんが

わざわざ車を運転して届けてくれました❞

と結んであった、

わが同級生(80才)はまだまだ元気な

田舎のお婆ちゃん達なのである。


松柏100句選より(番外編 1)

2022-09-10 06:58:24 | 俳句、短歌、及び文芸

(103) マタタビの 裏白光る 奥多摩路

リズムがいいのでいじるのに抵抗を感じる、

作者はマタタビの葉が白いのは裏側だと思い込んでいるようなので

実際のところを調べてみた、

主婦の友社発行の「山野草カラー百科」マタタビ欄

❝花の咲く時期に葉の先が半分だけ白く変色する性質が有り、

遠方からでもよく目立つ、

花が終わるといつの間にか白変は消える、❞

だがこれも又実際とは異なる、

この記事と合わせて掲載された写真を見ても分かるが

半分だけ変色するのは極わずかな葉っぱだけで

大半は葉っぱ全体が白い、

一枝の中で白変した葉っぱに混じって

少数の緑の葉っぱが混在しているので

様々な誤解を生んでいるようだ、

さて 句に戻ろう、

確かにマタタビの白い葉っぱは目立つ、

いやでも目に付く、

❝マタタビの 白葉目につく 奥多摩路❞

くらいでどうだろうか?

 

(104) 群れて飛ぶ 蛍に遠い夏 懐かしむ

この時の旅には私も同行した、

上越新幹線上毛高原駅の裏手に

ホタルの里と名付けられたホタル田があった、

保護育成されたものであろうが見事な群舞であった、

中の句の字余りがリズムを崩して読みにくくしている、

❝群舞する 蛍ふるさと 連れてくる❞

 

(107) 対岸の 夜汽車の灯り 雪原照らす

(108) 狐火の 伝えの山に 夜汽車の灯

私にも記憶に残る旅であった、

会津に近い麒麟山温泉は阿賀野川に沿う

鄙びた温泉宿であった、

川沿いに建つ宿の露天風呂からは

遥か対岸を走る夜汽車の灯りが

まるでおとぎ話の世界に居合わせたような

錯角で私を誘(いざな)った、

部屋では酒盛りの始まった同級生一同が

私のいないことに気付いて露天風呂まで

様子を見に来てくれた、

作者から上の2句に追加で新作がメールで

送られてきた、

(108´) 雪原を  流れる灯り  夜汽車行く

暗闇の原野を夜汽車が灯りの糸を引いて走る様を

露天風呂に浸かりながら見ていられる場所なんて

そうそうあるものではない、

いつかまたあの光景を目にしたいと思っている。

 

(写真はユウスゲの花)


合わせ湯

2022-09-08 14:41:14 | 老いの暮し

 

奥志賀の岩菅山に登った帰り

草津の日帰り温泉「大滝の湯」に寄った、

登山後は温泉に限る、

最高の癒しになる、

久しぶりの「大滝の湯」

県内の日帰り温泉にしては入湯料は高い(980円)、

だが有名な温泉地だけあって雰囲気がいい、

脱衣場も広くて木材をふんだんに使っているので

名湯の雰囲気充分である、

お湯は意外と熱め(41度)くらいではなかろうか?

外風呂に❝合わせ湯❞の看板を見つけて行ってみた、

石段を10段ほど下りて中に入ると

そこには木造りの20畳ほどの室(むろ)みたいな

空間が広がっていた、

柱も壁板も屋根を支える梁も総てが湿気を吸って

黒光りする様はまるで湯治場を思わせた、

そして合わせ湯の入り方の説明書きが有った、

2,3人しか入れない程度の総ヒノキ(?)の湯船が4ッ

田の字形に並べられそれを順番に1分間ずつ

入るよう書かれてあった、

どんな違いがあるのだろうと思ったら

湯船ごとに温度が違っていた、

温度の違いは書かれていなかったが

私の感では

38度、40度、42度、45度

位ではなかろうか?

身体を温度に慣れさせてだんだん高温の湯に入る

という方法は医療的な効果を利用するのであろうが

最後の湯船にはとても1分と浸かってはいられない、

草津の湯は薬湯であると言う事を認識した。

(写真は志賀高原の木戸池)


風やまず

2022-09-07 09:06:04 | ゴルフ及び山歩き、他スポーツ

❝風やまず❞

どこかで聞いたことが有るような無いような、

だが昨日の登山は最初は霧に

最後は風に悩まされた、

昨日志賀高原の奥にある標高2295メートルの

岩菅山に登った、

2人の山友を乗せて5時に出発、

この山までは自宅から3時間ほどかかる、

途中八ッ場ダム付近では朝の風景写真を撮った、

草津の街を過ぎて山道になるころから深い霧に包まれて

視界が悪くなりノロノロ運転を余儀なくされた、

霧の吹き溜まり付近では目の前の中央分離帯

に意識を集中しなければならないほどだった、

2000メートルの標高を超えた渋峠を過ぎると

日本海側になるが状況は変わらなかった、

3か月前にこの山を目指したときは雨で

渋峠まで来て引き返した、

今回は予報では昼頃には晴れるとあったので

中断の選択肢はなかった、

8時前に登山口のある「一ノ瀬」に到着、

8時登山開始、

上空は強い風が吹き付けて木々を揺らし

山全体をざわつかせていた、

だが思った以上に空気は暖かく半袖で十分だった、

仲間の2人はこの山は3回目と言う事だったので

何の不安も感じなかった、

途中は割と平坦で

渓流と用水路に挟まれた歩きやすい登山道、

1時間を過ぎた頃から本格的な山道になった、

毎回疲労を感じ始めた頃に脳裏をよぎる言葉がある、

❝何でこの齢でこんな苦しいことを!❞

そう、苦しくて辛い、

果たして最後までついて行けるんだろうか?

先日知人が山に登る時の呼吸方とやらの講釈を俺に垂れた、

箱根駅伝で知られた某有名大学のトレーナーの発案だとか、

腹式呼吸で息を充分吸い込み数秒間止める、

吐く時は肺が空になるまで吐き出す、

これを数十回繰り返すことで呼吸が楽になるんだとか、

これを思い出して腹式呼吸に意識を集中しながら歩いた、

効果のほどは定かでないが

意識を苦痛からそらしたことで良かった気がする、

1時間ごとに10分ほどの休憩を入れて

山頂まで600メートルの標識にたどり着いた、

そこからは森林限界を超えて風の吹き曝し、

頂上に向けて注意しながら歩いてみた、

横殴りの風が唸りをあげている、

立っていられないほどだ、

100メートル程歩いて

身の危険を感じて引き返す決断をした、

時計の針は11時10分を指していた。

 

(写真は朝の八ッ場ダムの風景)


松柏100句選より(7)

2022-09-02 14:55:31 | 俳句、短歌、及び文芸

(97) 歌枕 なりし柳を 訪ねけり

歌枕に歌われた柳と言えば

そう あれである、

あれ、あれ、、、、、

実はこの柳のことを私は知らなかった、

作者と知人のK氏が訪れたと聞いて初めて知った、

だがこの場所を記事にしようとしてその名を思い出せない、

そこでK氏にメールで問い合わせた、

白河の関近くにある❝遊行柳(ゆぎょうやなぎ)❞

だと言うことを再認識した、

平安の昔には西行も訪れて歌を詠んでいる、

❝道のべに清水流るる柳かげ
 
  しばしとてこそ
 
    立ちどまりつれ❞ 「新古今和歌集」

近年では芭蕉が訪ねて名句を残している、

❝田一枚 植えて立ち去る 柳かな❞

昔の道しるべである一里塚に植えられた古木の柳のことだ、

さて肝心の句を見てみよう、

ここを訪れたと言うだけで物足りなさを感じる、

何を感じたのか?

その感想こそが句なんだと私は思う、

K氏からの返信に彼の句が添えられてあった、

❝訪ね来し 遊行柳や 下涼し❞

❝青田背に 遊行柳の 句箱かな❞

感想は控えよう、

不躾を承知で添えられた句を参考にさせてもらい

こんな句を作ってみた、

❝日盛りの 遊行柳の 木陰かな❞

ところがこれでは季語がない、

そこで

❝夏至の日の 遊行柳の 木陰かな❞

❝早苗田の 遊行柳に 句箱あり❞

 

Kさん

断わりなく公表してゴメン、

私にはこれ以上ない参考句が作れたと思って

引用させてもらった。

 

(98) 暑き日に 簗場で獲りし 鮎食らう

2週間で150句ほど作った句となれば

現実をそのまま5,7,5の言葉に置き換えた句になるのは

致し方ない事なのかもしれない、

いわば句の素材となる言葉を揃えただけと言う感じだ、

前の句もそうだが

さあ 言葉を揃えた、

( 暑き日に は余分だが)

それでは次に自分の思いをいかに句の中に

歌い込むかそれが句づくりである、

この句の場合

作者は今では簗場で獲ったアユなど食べる機会は滅多にない、

その貴重な経験を句にしたかったのが読み取れる、

❝那珂川の 簗場のアユに 舌鼓❞

作者が避暑の帰りに走ったと言う那珂川沿いの道、

あまり知られていない固有名詞に地方色と

簗場と言う抒情性を加味してみたが如何であろう?

 

(100) 機窓から 見下ろす雲海 綿の波 

飛行機に乗ればこんな光景は珍しくはない、

だから句にならないかと言うとそうでもない、

作者の視点次第である、

❝綿の海 飛び跳ねてみたき 窓の外❞

やはり平凡すぎて変わり映えがしない、

しかも季語が見当たらない、

私の場合季語がすっ飛んでしまうことが多い、

短歌作りの癖なのかもしれない、

取りあえずは無季俳句として理解願いたい。