6月22日本会議最終日の請願の採決の前の討論を以下に収録します。
当会の出した請願は14号「中原ふれあい防災公園隣接林の公有地化について」なのですが、その前に17号の討論を上橋議員がされています。17号は「就学援助制度の拡充について」の話で林の公有地化とは別課題なのですが、上橋議員の話の内容につながりがあるので、冒頭から収録しました。
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古川議長:続いて討論を許します。請願14号、17号主旨1について上橋泉君。
上橋泉議員(無所属):え~先に請願17号主旨1について賛成討論いたします。
主旨1は入学準備金の支給を入学まえの3月に支給して欲しいというものであります。
実は日本の福祉サービスの特色はですね、外国と比べますと、現金給付される分が大きい、しかも、現金給付される時期と受給者のニーズの発生する時期とかなりずれていることが多い。で、役所側はですね、受給者のほうで、ちゃんと資金管理をして、平準化して使えば、何のこの時期のギャップも問題ないはずだ、とこういう姿勢をとっているわけです。で、貧困世帯の方々は、この資金管理ができないという現実がありまして、今やこの問題は、いろんな領域で深刻な問題、大きな政治問題になってるわけです。で、これから話すことは最初ちょっと陳情の趣旨から離れているようにお感じになるかもしれませんけど、最後にはですね、この陳情も共通する多くの根深い問題の一つだということがご理解いただけると思うので、一つこのことを了解しとって下さい。
今日本では、児童扶養手当、児童手当てが4カ月に一度まとめて支給されていることに対して批判が高まっているんです。
兵庫県の明石市では、これが各月に出ることになりました。で、まとめ払いで一番困っているのは生活保護者世帯なんですね。これらのお金が支給される時には、保護世帯でもかなりの収入になるのですが、あ~、しかしながらこの児童扶養手当児童手当はですね、生活保護費からやがて天引きされますんでね、続く3ヶ月では保護費から天引きされて、保護費の支給が少なくなるということで、最大の多い月と少ない月の違いが3倍くらいになるそうです。で、この収入の??(よく聞き取れず)はですね、各家庭で厳格に管理すれば、管理して平準化して使えば良いと役所は、主張されるでしょう。しかしこの、これはですね、役所の手間を省くための論理でございまして、ギリギリの生活をしている人たちにとって平準化してお金を使うことっていうのは難しいんですね。
今ですね、あの6万5000円の老齢基礎年金で生活している人たちはですね、やっぱりそういう懸念がありまして、毎月この6万5000円を支給してくださいという声が出てきてるでしょう。で、こんなこと言うのはたいへん申し訳ないことになるんですけれども、現金の管理が厳格にできないために、貧困世帯になった方がいらっしゃるのも事実なんですね。だからあの~北欧の福祉国家ではですね、福祉サービスのほとんど可能な限りは、現物給付で行われて、現金は出さない。日本の生活保護でもアパートの家賃なんかは、市のほうで直に大家のほうに払う場合もあるでしょう。これは現金給付(注:範疇としては現物給付の間違いじゃないかと思う)ですね。行政学で権威のある東大名誉教授の神野さんあたりはですね、食費もフードスタンプにして渡しなさいと、こう主張しとられます。
さて、この入学準備金に関して言いますと、これも本当は現物支給が一番いいんですね。だから制服だとか、体操服を、洋品屋から現物でもらって、洋品屋が教育委員会に請求するという、あの、選挙のポスターと同じ公費負担であると一番いいんですけどね。ま、どうしても現物支給ができないというならですね、資金需要が生じる前年の3月に現金を支給すべきだと思います。この議会で教育委員会はですね、3月に仮払いするにしても、その事務手続きがあり、実施は検討するものの、実現は難しいという答弁ありましたですね。え~、で、ま、ところがですね、その役人の論理と実際のニーズについて言いますとですね、箕面市の倉田市長が市立幼稚園の蹴園奨励金をですね各月払いにしてくれと、教育委員会の職員に言ったときにですね、職員は6月に課税額確定それから補助額を計算するから無理だ、と、こう答弁したわけですね。秋山市長だったら、ここでまあ、それなら仕方がないと思われるところだろうけど、倉田市長は違ったんです。ならば補助金の確定まではどんな低所得でも受け取れる最低額を仮払いして、確定後残金を分割して毎月払えばいいということで、箕面市では各月払いが始まりました。だから入学準備金もね、前々年の所得で、前年3月に仮払いすればいいんですよ。もう、2年前に貧乏だった人が、その翌年に金持ちになると言うのはほとんどありませんから。ね、福祉サービスは役所の手間暇の論理を持ち出せばですね、そのサービスを必要としている貧困世帯が、必要な現物を手に入れることができない、出来ません。この問題は、今や年金から各種の福祉サービス全般に渡って、大きな政治問題になってますよ、新聞見ていただけばわかると思う。だから執行部のみなさまに、この問題意識を持って欲しいという思いを込めて、この請願17号主旨1に賛成いたします。
次に請願14号でございます。
え~、先ほど箕面市の倉田市長のことを紹介しましたけれども、明石市の泉市長もですね、あの~やっぱり役人と厚生労働省の抵抗を乗り越えて、児童扶養手当の各月払いを実施しておられます。で、全国の名市長と言われる市長はですね、役人の抵抗と論理を乗り越える、まあ頭脳と情熱を持ってるんですよ。ね、秋山市長も市長就任直後はですね、役所文化と民間文化の違いがあって思うとおりにいかない、この仕事ができないと言って、この議場で、本議場でよくぼやいておられたでしょう。最近はそのぼやきも聞こえなくなりました。もう完全に役人に丸め込まれたんですか?(議場、傍聴席が少々ざわつく。そうだ!の声)それではね、あなたは名市長にはなれませんよ、もう一度初心に戻って名市長になって下さい。ね、市長が、あの~規則に拘束されてそれを乗り越えられないというのであれば、市長を公選する必要ないんですよ。副市長以下の職員だけでいい。市長がなぜね選挙で選ばれるか、その意味をよく考えて欲しいんですよ。ね、この請願の価値も、鑑定価格以上の価格を出せないという職員の抵抗の論理を打ち破る誠意と情熱をぜひ発揮してほしいと思います。
職員はひとたびですね、鑑定価格以上の価格を出すとですね、以降これが前例となって、鑑定価格以上の価格を要求されることを心配している、しかし同様の事例が発生した時にですよ、そういうことを言う人に対して、あんたたちも、あなたも、市民から1134万円の寄付をもらって持って来い、そんなことができる人はいませんよ。中原のあの~樹林の近接の人しかできなんですよ、そんな例は2度と起こってこない、だから心配する必要は全くない、ということですから、市長!自信を持って役人の抵抗の論理を乗り越えて欲しいと思います。どうかこの樹林をですね、公有地として残してですね、柏の歴史の中に名市長秋山浩裕の名前を残して下さい。この思いを込めて、14号の請願に賛成いたします。
古川議長:次に請願14号について、武藤美津江さん
武藤美津江議員(日本共産党):日本共産党の武藤美津江です。会派を代表し、請願第14号「中原ふれあい防災公園隣接林の公有地化に関する請願」について、全ての議員の賛同により採択されることを願って、討論いたします。
今議会では多くの議員が、中原ふれあい防災公園の隣接林の保全を求めました。また建設経済委員会でも、この林の保全が議論され、全会派一致で請願が採択されました。委員会で石黒副市長は、保全を求める気持ちは住民のみなさんと同じだと答弁されました。市街地の緑の保全については、市長の平成22年の7月1日の「広報かしわ」で「森林緑地の存在は、環境保全の問題だけではなく、住民精神的潤いを与えてくれる大切な資源です。1度伐採すると再生に数十年かかるといわれ、森林地の開発は慎重でなければいけません。市街地における森林緑地の保全を行うためには、莫大な税金を使っても、それを上回る価値があるという自覚を持たなくてはなりません」と述べています。市街地の緑の保全については、都市公園の拡張の都市計画決定なり、特別緑地保全地区の都市計画決定ができていない限り、標準的な時価、つまり不動産鑑定額にこだわって、取得するのは困難、無理な話になります。問題は鑑定価格を上回る価値をどう評価するかです。付加価値を考える際に、周辺地位としての問題だけではなく、柏市民全体にとって、価値があるかどうか、市民的に理解されるかどうかです。以下その価値について述べます。
1点目、これまで4000人の市民から1100万円余りの寄付がされたことに加え、極めて短期間に1万数千人の要望署名が集まっていること、地元の光ヶ丘、増尾、酒井根の3ふるさと協議会からの要望書、議会での数々の議論、要望書の提出などを踏まえると、柏市の取得は公共性という点からも、市民の福祉の増進という点からも、全市民的理解が十分得られ、すでに市民合意が形成されていると思います。
2点目、この公園隣接林は、防災公園と一体のもとして初めて美しい景観となっている資産であること。
3点目、他に代えがたいものであり、取得できなければ、貴重な緑も景観も失われ、柏市民にとって取り返しのつかない損失になること。
4点目、中原ふれあい防災公園管理運営協議会とNPO法人牧場跡地の緑と環境を考える会は、第27回みどりの愛護功労者として、国土交通大臣表彰を受けました。中原ふれあい防災公園の隣接林を保全してきた活動が、評価されたということです。
以上の価値を最大限認めて、市長の英断で例外規定を早急に策定し、保全していくことが必要です。議員の皆さん、全会一致で採択し、行政を応援し、隣接林を保全させようではありませんか。以上で賛成討論を終わります。
古川議長:以上で討論を終結いたします。これより順次採決を行います。
(略)次に第2区分の請願だ14号を採決いたします。委員長報告は採択であります。賛成反対ボタンを押してください。押し間違いはありませんか。以上で投票を終了いたします。
投票総数35人、賛成34人、反対1人、寄って委員長報告の通り決しました。(以下略)