全国重症児デイネットワークでは今年度、赤い羽根福祉基金
の助成を受け、重症児の支援に携わる関係者を対象に、支援の
スキルの質の向上を目指して各分野の研修会を、10月から
全国各地で開催しています(全15回の研修リストは下記HP参照)。
http://www.jyuday.net/seminar/
名古屋では、11月4日(日)「介助技術」の研修会が「ふれあい
名古屋」と「ひろがり」が担当し、大同病院で開催されました。
テーマは「重症児の発達を促す介助技術」として、理学療法士の
榎勢道彦氏(四天王寺和らぎ苑)と、福原一郎氏(横浜療育セン
ター)の両先生による、講演と実技の研修を行いました。
100名を超える、重症児に関わる多職の方の参加があり、ほぼ1日
熱心に聴講し、グループで相互に介助法などの実技を行いました。
榎勢先生は、「寝たきりで感じる世界」として、重症児の姿勢の問題点
について述べられ、実際、寝たきりではどのように感じるか、とくに視
聴覚、皮膚感覚、重力、人との関わり等について寝た姿勢で体験しあった。
私たちは動くことで感じ、感じる経験を広げていくが、動けない重症児で
は動く支援が必要であることを強調された。また、重症児の姿勢と呼吸の
関係では、リラクセーションの姿勢が重要で、頸部の位置による呼吸の
困難性について実技を交え研修した。最後に、非言語メッセージを読み
取る、感性の必要性を述べられた。
福原先生からは「感じてみよう身体の動き」をテーマに、姿勢には活動
姿勢と休息姿勢はあり、リラクセーションの姿勢には余計な力が入ら
ないことである。重症児は力が入りっぱなしや、抜けたままのことが
多く、身体を保持する支持面も狭く、ばらつきがあることを指摘された。
また手足の関節では、可動域の中間ぐらいに保持してあげると心地よ
く軽く感じると述べ、実際に体験した。座位保持では座骨に体重を受け
ていることで骨盤を動かせるが、このような姿勢介助が必要と強調された。
午後からは、榎勢先生より子どもの抱き方、支え方。揺らしたり、動かさ
れる感覚など、視覚や聴覚、手の感覚などの発達の重要性が述べられた。
一方、福原先生からは介助時の骨折の危険性について述べられ、心地よくない
介助が骨折を招くとし、姿勢変化や移送介助時の介助者の姿勢について、実習
を通じ体験した。
長時間にわたる研修でしたが「明日からすぐに活用できる内容だった」
「帰って他の職員にも伝えたい」などの声が多く聞かれました。
最後に、当研修会の主催担当のふれ愛名古屋の鈴木氏、ひろがりの
丹羽からあいさつがありました。
本研修会、名古屋ではH31年2月24日(日)、「摂食嚥下」の研修を
予定しています。ひろがりHPでも、ご案内します。