9月18・19日、国会で安保法案が可決され
た日、直線距離で1000mほどの一橋講堂で、
日本重症心身障害学会が開催されました。
ひろがりと愛知県コロニー中央病院歯科と
共同で、静的弛緩誘導法の効果に関する研
究をポスター発表してきました。
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子どもたちに日常行っている、静的弛緩誘
導法や、それをを基にしたふれあい体操
などを行った時、緊張がゆるんだり、呼吸が楽
になったり口の動きがみられゴックンとのみ込む動
作などが出てくることを、経験しています。
そこで、この誘導法の効果を客観的に調べる
ため8名に、保護者の方の許可を得て、心拍
数と筋電図を測定しました。その結果を検討
したところ、心拍数は明らかに、施行後で低
下し緊張が緩和されていました(下図参照)。
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筋電図では、一部の子どもで筋緊張が明確
に緩む状態を認めました。また、手足にふれて
いくと、口周辺の動きが出たり、嚥下を生じる
例がみられました。ただ筋電図では、ふれる筋
肉に電極を貼りつけるため、測定が不完全な
例もあり、十分な結果は得られませんでしたが、
緊張緩和と口や舌の動きが誘発される例があ
りました。
この結果をふまえ、今後もさらに調査研究を
継続していきます。今回のような医学系の学会
では、本誘導法は十分認知されていませんが、
このような研究発表を行うことで、少しずつ理解
が広がることを期待したいと思います。
また学会全体の傾向では、やはり重症児の
在宅支援に関する発表が増加傾向で、様々な
取り組みの報告がありました。
この研究にモデルとして協力いただいた8名
のお子さん方に、こころより感謝申し上げます。
(石黒)