人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

現在の研究課題

2013-02-28 21:25:23 | 研究の話
これまでの研究課題

大きく分けて
1.人形(殊に球体関節人形)に着目した内面表象について。
2.少女論
(生殖可能でありながら生殖を禁じられているという矛盾と、学問への志向、新自由主義や業績主義へのアンチという側面を結びつける)
3.描写と説明に着目した、新人賞メディアと国語教育の共犯関係について。

1.について
人形による内面表象に着目し、絵画的な遠近法による内面表象と対置する。絵画的な遠近法は近代的な内面観やリアリズム描写と結びつく(柄谷行人『日本近代文学の起源』講談社、1980年)が、一方で人形、殊に球体関節人形は女性による内面表現の手段として近年注目される(今野裕一、天野昌直「人形作家列伝」『ユリイカ』2005年5月号)。人形論においては絵画や彫刻と対置され(谷川渥「彫刻と人形 比較論の地平」『美術手帳』2006年3月号)、アナグラムなどシュルレアリスム的な手法と親和性が高い。
 『源氏物語』及び近代文化・文学の2つを対象とする。『源氏物語』に関しては、「心的遠近法」(高橋亨)的な配置の上にシュルレアリスム的な人形の手法を位置づける。近代文化・文学に関しては、笙野頼子作品における人形表象を中心とし、球体関節人形の通史的な位置づけ、日本画家・松井冬子などに着目しつつ、「なかったことにされた内面」の問題とマジックリアリズム的な手法を結びつける。
 →詳しく説明

2.野溝七生子、矢川澄子を扱う予定。→詳しく説明

3.説明するな描写しろ、という小説技法と、傍線部の登場人物の気持ちを説明しなさいと言う国語教育の共犯関係について。

このような研究課題に興味を持たれた方は、(ReaD&researchmapを通して)ご一報ください!

それぞれ詳しく、追々書いてゆきます。


最新の画像もっと見る