人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

エレーネ・ゲデバニシビリ選手のこと。

2014-02-09 13:01:14 | フィギュアスケート
ソチオリンピックが開幕しましたね。
政情が不安定だったり、同性愛禁止法だったり、犬が2000匹以上殺処分されていたりと、いろいろ問題含みですが、
ともかく開幕しました。

私にはずーっと大好きな選手がいて。
グルジアのフィギュアスケート選手、エレーネ・ゲデバニシビリさん。
日本でも人気のある選手なので、ご存知の方も多いと思います。

ユーチューブに応援動画上がってますね。
グルジアの人が作ってアップしたんでしょうか、グルジア語なのでよく分かりません。
BGMは昨シーズンショートで使用していた、シンドラーのリストですね。

冬季オリンピックは3回めの出場、24歳。演技も素敵で、可愛い…♡
ということで、トリノオリンピックシーズン以来の彼女の奇跡をまとめてみました♪


トリノオリンピックシーズン(2005-2006)がエレーネ選手のシニアデビュー。
シーズン前半のカールシェーファーメモリアルでオリンピックの枠を獲得し、初出場のヨーロッパ選手権ではいきなり5位。
そしてトリノオリンピック。SPで3F-3Tを決めてフリーで最終グループに入ったことで一躍注目を浴びます。

SPはグラナダ。3ルッツ、3F-3T、2Aのぜんぶのジャンプをきれいに決めてます。
演技も体型もまだジュニアっぽいけど、全身バネでできてるみたいな動き。
フリーはジャンプで乱れたけど、でも3ルッツ-3トーループも2アクセル-3トーループも跳んでるのよね。

その翌シーズン、大きな出来事が。
グルジアとロシアとの関係悪化によって彼女は練習拠点としていたロシアを去ることになります。
フジテレビのニュース動画
お母様の書類にちょっとした不備があって、国外退去になってしまったそうで、彼女はそれに伴って帰国することにしたようです。
アメリカに練習拠点を見つけたものの、ロシアで練習していた選手にとって、アメリカって適応するのがけっこう難しいのかな。
体型変化やエッジエラーの修正なども影響しているのか。
その後なかなか浮上できないんですよね。
でも、2006-2007シーズンのプログラム、私は好きです。

ショートは2つのギター
ジャンプはちょっとあれですが、流れがあって良いプログラム。一気に大人っぽくなってます。
3ルッツで転倒して予定していたコンビネーションジャンプがつけられなくて、ステップからのジャンプも抜けて2フリップになってしまったので3トーループをつけて修正するという荒業をやってのけています。
ショートプログラムは、ステップからの3ジャンプ、3-3あるいは3-2あるいは2-3のコンビネーションジャンプ、2アクセルが規定なので、2フリップ-3トーループにすれば規定違反にならないんですね。

フリーはフラメンコ・ファンタジア
衣装かわいい♡
この頃はまだ軟体動物的なスピンやスパイラルをやってます。
最近は故障してるのか故障しやすいのか、ビールマンスピン、やらないんですが。

2007-2008シーズンはコーチをロマン・セロフに変えて迎えます。
ショートはキャバレーで、フリーはPretty Story。
結果はあんまり…でしたが、どちらも魅力的なプログラムでした。
この辺で2014年のオリンピックがソチに決まったんでしたっけ?
EUやアメリカよりの政策を取り、領土問題などでロシアともめていたグルジアが、
ソチオリンピックへの不参加を呼びかけて、エレーネ選手、いるのになあ…とやきもきしました。

2008年の夏にロシアがグルジアの首都トビリシ近郊を空爆します。

2008-2009シーズンはショートは続行、フリーはラテンメドレー。
フリー、いかにもなモロゾフ(振付)趣味のプログラムでちょっと…だったんですが、ミスの少なかった世界選手権の演技で見るとそれでもいいですね。
このシーズンはヨーロッパ選手権のSPでミスが多く、フリーに進めないというまさかの展開…
でその後コーチを変えて急遽世界ジュニア選手権に出場、世界選手権までに調整しなおしてきました。
で、世界選手権は10位。無事バンクーバーオリンピックの枠を獲得します。
世界選手権のショート。かわいい♡

この頃からフリップジャンプはプログラムから外すようになりました。
もともとループジャンプが苦手で、3ループをプログラムに入れてないので、3ジャンプは3種類。
難易度がアクセルジャンプの次に高い3ルッツを持っているとはいえ、ジャンプ構成が不自由になってしまいます。

2009-2010シーズンがオリンピックシーズン。
コーチ、振付ともにロビン・ワグナー。
1月のヨーロッパ選手権で3位、はじめての表彰台に立ち、きっちり評価を上げてきました。
ショートはFever、フリーはカルメン。どちらも素敵なプログラム。
3T-3Tを導入してきてます。

バンクーバーオリンピックでは、リュージュの予選?練習中?にグルジアの選手がコースアウトして頭部を強打し死亡するという事故があって、グルジアの選手は全員喪章をつけて開会式に参加することになりました。

ショートでは3ルッツ、3トーループ-3トーループ、2アクセルのぜんぶのジャンプを決めて8位。かっこいいです。ステップの後に自然に歓声が上がってますね。
フリーでは緊張からかいま一つだったんですが…
カルメン、いきなり刺されて始まるという斬新なプログラムで、ヨーロッパ選手権の演技は良かったですよ。
そして何と言っても、エキシビションが可愛い…。ぷぷっぴどぅ

2010-2011シーズンは誰から見ても安藤美姫のシーズンでした。
東日本大震災が起こり、東京で予定されていた世界選手権は、ほぼ一月遅れでモスクワで開催されることに。
選手の皆さんは大変だったと思います。
エレーネ選手は10位。良かったと思います。
この頃からグルジアのフィギュアスケート関係者なんでしょうか?スーパーモデルみたいな長身の美女がいつもついてます。

2011-2012シーズンに、コーチをブライアン・オーサーに変更します。
スケーティングのスピードが速くなって、ひとつひとつの動きが丁寧になりました。
暴走しすぎてジャンプのタイミングが合わないことがあるみたいですが。
ショートプログラムのタンゴ、かっこいいです。
このシーズンは調子が良ければフリップを入れようとしたり、ループを入れようとしたりしてます。
3ジャンプが3種類のままでは、構成上フリーでセカンドトリプルを入れられないんですよね。
2Aは2回までとか、同じジャンプは2回までとか、2種類までとか、いろいろルールがあるので。
ヨーロッパ選手権で3位、世界選手権で10位。
世界選手権のショートでは3ルッツ-3トーループを成功させてます。

2012-2013シーズンはGPカナダでショートプログラム1位になり、良い滑り出しに思えたのですが、
シーズン後半で失速。
ヨーロッパ選手権では14位、世界選手権ではショートで失敗してフリーに進めず、オリンピックの枠が取れませんでした。
(→2013年10月のネーベルホルン杯で獲得)。
若干痩せ過ぎな感じも。
でも、ショートプログラムのシンドラーのリスト、良かったですよ。
スケートカナダのSP

そして今シーズン。
シーズンオフにコーチを変更してアメリカに行き、ネーベルホルン杯で無事オリンピックの枠を獲得するものの、シーズン前半はまだ不調。
アメリカ杯で9位、NHK杯では10位。
でも、ショートプログラムは結構良かったんですよ、失敗の少なかったアメリカ杯での演技を見ると。
ちょっと痩せ過ぎでふらふらしてる…?

最近コーチをまたオーサーに戻してきました。

オーサー、男子(羽生選手とハビエル・フェルナンデス選手)ばっかりに力入れてて女子は放置され気味なのかな??とか思っちゃいます。
スペインのソニア・ラフェンテという育ち盛りのなかなか魅力的な選手もオーサーに見てもらってたはずですが、彼女なんて絶不調でオリンピックの枠も取れず(ネーベルホルン杯)、ヨーロッパ選手権ではフリーに進めず。

ヨーロッパ選手権ではSP、2シーズン前に使ってたタンゴに変更。「ロマンス」も良かったと思うんですが、「タンゴ」のほうが滑りやすいのかも。
SP、良かったです。ジャンプも高くて。
フリーはまだ本調子ではない感じ。「ジゼル」なんですが、暴走気味でジャンプのタイミングがなかなか合わないように見えました。

昨シーズン後半からの不調から、1月のヨーロッパ選手権では多少持ち直したかな…という感じでしたが、
まだ万全というには遠い感じ。

最近はグルジアとロシアとの関係についてニュースを見ることはあまりないですが、
それでもいよいよ「ソチでの」オリンピック…ということで、独特の緊張感があるのかもしれません。
確認してみたら、いまも国交断絶中みたいですね。
→毎日新聞:ソチ五輪:グルジア選手団到着 ロシアと国交断絶中

本番までに少しでもうまく調整できればなあ…と願ってます。









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