「おまんはカンが強いさけ、子どものころはよく『虫切り』に行った」と祖母から聞かされたことがある。日本では昔から、夜泣き、かんしゃく、ひきつけなどは疳の虫が起こしているとされ、民間のまじない師のところで「虫切り」などの施術を受けた。真言、梵字などを書いた手のひらを粗塩でもみ洗いして布でふくと、指先から白い糸状のものが出てくる。これが疳の虫であるとされた。祖母は「ホンマは布でふきあげた時に残る糸くずやろ」と笑ったが、実際に指先からフワフワと出てくるのを見たという人も多い。はたして、疳の虫の正体は何なのだろう?

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