くもり のち あめ

うしろ向き、うしろ向き、たまに、まえ向き。

宮部みゆき・著 『火車』

2008-08-05 15:19:37 | 読書
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何気なく請け負った身内の調べごとを進める休職中の刑事。
調べが進むうちに、クレジットカード破産、自己破産の現実を目の当たりにした。

自己破産した者が消息不明になっていたりと、
次第に事件性は強まっていく。

なぜそうなってしまったのかという理由が
まったくの他人ごとではなく、
いつでも、誰でも、そうなりうるのではないかという
事実が恐ろしかった。

宮部みゆきさんの作品は初めて読んだのだが、
冒頭からやられてしまった。

『電車が綾瀬の駅を離れたところで、雨が降り始めた。』

主人公が最初に乗っていた電車は常磐線で、
しかもちょうど綾瀬駅を出発したところであり、
車窓から、亀有、金町と続く景色を眺めていたのだ。

18歳から10年近く同駅を利用していたので
縁を感じずにはいられなかった。

主人公は金町で降りて、住まいは水元公園の
そばの団地だった。

水元公園も我が家から自転車で行ける距離だ。

しかも主人公の息子の友達が「カッチャン」って。
自分の小さい頃のあだ名だ。
家族や親しい友人は今でもそう呼んでくれる。

これは宮部みゆきさんとは直接関係ないことかもしれないし、
同じ条件の人なんてたくさんいるかもしれない。
そうだとしても、こじつけかもしれないけれど、
これは縁じゃないのかと思わずにはいられない。

本書を読んで記憶に残った痛快な言葉がある。

『公共の場所で携帯電話を使ってしゃべり散らしている人間というのは、
 どうしてこうそろいもそろって声が大きく、また馬鹿面に見えるのか。』


宮部さんもそう思っていたかと。

本書が終盤を迎え、この物語が終わりそうなとき、
あぁ、もう終わってしまう。
終わらないでほしい。
もっと続いてほしい。
まだ事件は解決しないでほしい。
そう思った。

宮部みゆきさんの他の作品が
もっと読みたくなってしまった。



荻原浩・著 『明日の記憶』

2008-07-08 14:27:05 | 読書
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若年性アルツハイマーを患った主人公。
日に日に進行する症状。

娘の結婚式まではなんとか踏ん張るのだと、
短期記憶の領域を病に侵されながらも、
同僚、客先、自分の発言、すべてのことをメモに取り続け、
病気のことは悟られないように懸命に働く。

しかし時間が止まらないように、
アルツハイマーの進行も止まらない。

色々なことを忘れてゆく。

道、場所、今まで出会った人たちのこと。
そして最後には家族の顔、妻の顔すらも。

もし自分の身に同じことが起こると
想像しただけで、すごく怖い。

記憶がなくなったら自分が自分じゃなくなってしまう。

唯一の救いは、周りの人間は自分のことを覚えている
ということかと思ったが、結局自分自身がその人たち
のことを覚えていないのだから
まるで意味がない気がしてきた。

もしかしたら生きていく上で一番怖いことかもしれない。
そしてそれは実際に起こりうることなのだ。

小説に書かれているとおり、
アルツハイマーは自分自身だけでなく、
家族や周りにも多大な影響を与えることになる。

何よりもそれが怖い。

自分は普通にしているつもりが、
結果周りに大きな負担を与えていること、
そして大きな負担を与えていることに私自身が
気がつかない、ということがだ。

それでも人間は生きていく。
60兆個の細胞は生き続けようとする。

どうしろっていうんだ。
そんな気持ちになるだろう。

あわれで、みじめで、涙が出てくるだろう。

それでも、

それでも生き続けなきゃならない。

人は支えがなければ生きていけない。
生まれたときも誰かが手を差し伸べなければすぐに死んでしまう。
成長して大人になっても、病気になればひとりではどうしようもない事態に簡単に陥る。

理解しあい、支えあい、助け合う。
それがなくなってしまったらどうなってしまうのだろう。

普通に生活しているだけでも不安になるときがある。
もしかしたら日本中のほとんどの人が未来を思って不安な気持ちを
抱かずにはいられないのではないだろうか。

誰だってまだ訪れていない未来のことを考えて不安になんてなりたくない。
明るくて希望に満ち溢れた未来を想像したいはずだ。

でもそうはさせてくれない何かが世にはびこっているのも確かなんだ。

若年性アルツハイマーという病気から考えさせられることがたくさんあった。



乾くるみ・著 『イニシエーション・ラブ』

2008-06-19 13:58:21 | 読書
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何の疑いもなく最後まで読み切ったのだが、
何が起こったのかよくわからず、
どの辺が大どんでん返しなのか理解するために
もう一度読み直してみようと思っていたのだが、
ふとそのからくりをネットで調べてしまった。

そこでようやく、
「なに~~~!?そういうことか~~~!!!」

となり、3テンポくらい遅れてリアクションする人
みたいになってしまった。

確かに読んでいる途中でさりげなく違和感は
感じていたのだが、そこで読み直したりはしなかったので、
まんまと作者のミスリードに誘導され、
意図する通り騙されてしまった。

振り返ってみるとなんとも恐ろしい話だ。
あまり詳細に書くとネタばれになってしまうので
感想にしてもどこまで書いていいのやら・・・。

美しい薔薇にはトゲがあり、
おいしい話には裏があり、
世の中そんなに簡単にうまくいかないということだ。

でも実際こういうことって現実の世界でも
全然ありえることなんだろうな。

自分の身に降りかからないよう、
細心の注意を払わなければ。

おいしい話なんてこの世にはないんだ!
気をつけろ!



川上弘美・著 『古道具 中野商店』

2008-06-02 14:13:21 | 読書
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古道具屋さんを舞台に、ちょっとクセがあるけど
自分の周りを良く見回してみたら意外といそうな登場人物たちの
日常が描かれている作品。

恋愛とは苦しくてもやはりおもしろくて、
人生にはなくてはならないものなのだろうな。

それこそ人生を左右する一大事にもなりうるし、
通り雨みたいにザーッときたと思ったら
あっという間に過ぎ去っているものだったり、
気が付いたら居座っているベランダの鳩のようだったり、
さまざまな形がある。

作中の女性が好意を寄せている男性に対して、
色々な出来事が重なり、積もり積もってその男性を怒鳴ったり、
意地悪なことを言ってしまう。

そのやり取りの最中に男性は
「怒鳴らないでください」と言い、
冷静に返された女性はまた怒鳴る。

意地悪な発言も女性は本気ではなく冗談のつもりで言ったようだが、
男性は真に受けてしまう。

本作品を読んでいても、その男性の反応や気持ちは「うんうん」と
うなづけることが多いのだが、
やはり女性側の言動に対しては
「どうしてそんなことを言ったり、したりするのだろう」と思ってしまった。

冷静に考えれば理解できなくもないのだが、
なんだかスッキリしないというか、
やはり心のどこかではすっかり丸ごと受け入れられない部分があるのだろうな。

男と女は違う生き物だとどこかで聞いた覚えがあるが、
本当にそうかもしれないと良く思う。

それでもお互いのいいところや悪いところをフォローしつつ、
それが無理なく自然にできるようになれば、
たとえ違う生き物同士だとしても、死ぬまで一緒にいてもいいと
思えるようになって、それは恋愛の終着点じゃなくて通過点で、
でもその先に何があるのかはさすがに行ってみないと私も分からない。

いずれにせよきっといいところだとは思う。



奥泉 光・著『鳥類学者のファンタジア』

2008-05-08 13:16:05 | 読書
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寝ることとコンビニ弁当が大好きな30半ばの
独身女性ジャズピアニストがタイムスリップして、
第二次世界大戦中のドイツに来てしまう。
そこで出会ったのは自分とおなじ名前で、
同じくピアニストであった実の祖母。

700ページを超える分厚い文庫本で、
読み終えるのにかなり時間がかかってしまったが、
笑いあり涙ありの非常に面白いファンタジー巨編だった。

私はジャズに関してはまったく無知なのだが、
小説に出てくる有名なジャズ奏者、
『ビル・エヴァンス』
『バド・パウエル』
『チャーリー・パーカー』
『マイルス・デイヴィス』
等々、小説を読めば読むほど一体どんな音を奏でる人たちなのだろうかと
気になって気になってしょうがない。
今度CDショップで彼らのアルバムを探してみようと思う。

特に主人公が自分で自分のことを『女バッパー』と称するほど
非常に影響を受けている『バド・パウエル』の作品がすごく気になる。

心に残った言葉はジャズとは関係ないところなのだが、

『誰かがどこかで心を向けていてくれる。それは深い慰めであり、
 人間にとっての希望です。それと同時に、誰からも心を向けてもらえない
 人たちがいることに心が痛みます。その人たちのために私は祈りたい。』


という言葉。
聖書にこんな言葉があったようななかったような気がする。

誰からも必要とされていないと感じたら、きっと生きていることや
自分自身の存在に実感が持てなくなってきて、
無気力になったり、もうどうでもよくなってしまったり、
自分の命の重さがまるで感じられなくて、
幽霊になってしまったような気さえするだろうな。

つながり。
どんなに孤独になっても絶対にどこかで誰かとつながっている。
例え現実の世界にもうその人達は存在していなくても、
心の中でつながっていることとかあると思う。

ただ都合よく”そう思いたい”だけかもしれないけれど、
”そう思いたい”と考えていたことだけは忘れないようにしようと思う。



乾くるみ・著 『リピート』

2008-01-08 13:05:43 | 読書


今の記憶を持ったまま過去に戻れるとしたら。
ただし持っていけるのは記憶のみ。
しかも戻れる期間は10ヶ月前限定。

登場人物達は半信半疑ながらその話に乗り、
実際に10ヶ月前に戻ることができた。

ある者はお金儲けを画策し、
ある者は大学受験をやり直そうとし、
ある者は過去で悲惨な結末を迎えた恋愛を
違う形にしようともくろむ。

しかし戻った先の過去で、自分が前回と違う行動を
することにより歪が生じはじめて・・・。

自分だったらどうだろう。
例えば今から10ヶ月前だと3月8日に戻れるのか。

結構仕事がハードな時期だったし、
そういった意味では戻りたくないかも。

それでもとりあえず『ロト6』の当選結果でも覚えておいて、
サクッと10億ほど稼ぐと思う。

でもいきなり10億とか手に入ると絶対に何かおかしな
ことが起こるのは目に見えている。

お金の匂いに釣られて色々と厄介なものまで
やってくるのは間違いないだろう。
妬みや恨みもいっぱい買いそうだ。
下手をしたら命さえ落としかねない。

使い切れないほどのお金が手に入ったら
不安や心配事が減るかもしれないけれど、
失うものや、本来得られたはずの素晴らしいものも
通り過ぎてしまったり、自分の手からこぼれ落ちて
しまいそうな気がする。

今のままが幸せかもしれないし、
10億円あった方が幸せかもしれないし、
そればかりは分からない。

小説のように何度も人生がリピートできれば
少しは分かるかもしれないけれど、
この人生は1度しかないし、
たまに訪れる人生の分岐点の直前でセーブしておいて、
こっちの選択をしたらこうなる、
こっちの場合だとこうなる、
なんてゲームみたいなことは通用しない。

もちろん今の人生だって全くやり直しが利かないというわけでも
ないけれど、それは万能じゃないし
完全にリセットされるわけでもない。
何かを誤ったと感じてやり直すにしても
その間も時間だけは進み続けているのだから。

それでもやっぱり今の記憶を持ったまま
10ヶ月前ではなくて中学校時代に戻れたらちょっと楽しそうだなとか
考えてしまう。

そうすると絶対に前回と違う道を歩んでしまって
波乱万丈になり、今よりも辛くて、大変で
悲惨な人生になってしまうかもしれないので、
結局は妄想レベルで楽しむのが一番いいのかもしれない。



保坂和志・著 『プレーンソング』

2007-12-11 13:26:21 | 読書


荻原浩の作品を読んでから保坂和志の作品を読むと、
そのギャップにちょっと挫けそうになる。

ジャンルが異なるので当たり前のことなんだけれど、
頭では分かっていてもなかなか切り替えられないものだ。

以前読んだ『カンバセイション・ピース』同様、
何か事件が起こるわけでもなく、
ありふれた日常をひたすら書き続ける。

登場人物のちょっとした仕草がたまにおもしろくて、
ニヤリとしてしまった。

でも自分の日常もこんな風に小説にしてみたら
おもしろいのかもしれない。

特に何か起きるわけでもない平凡な日常、
あらためてそれを認識してみると、
それはそれで意外とクセになる。

平凡な日常がクセになるっていうのも
なんだかおかしな話だけれど。



荻原浩・著 『ハードボイルド・エッグ』

2007-11-09 14:05:50 | 読書


脱サラして探偵を始めた主人公。

主人公は本に出てくるようなハードボイルドな生き方を志しているが、
現実はそう上手いこといかない。
というより、ハードボイルドからどんどん遠ざかっていく。

不純さを逆手に取られたり、
比内地鶏照り焼き弁当の誘惑にあっさり負けたりで。

随所で笑わせてもらった。

「お話の中のことは、お話の中のことだよ、お前さん。
 本の中に出てくる人は、続きがないから楽だけれどさ。
 人の一生ちゅうのは、よけいな続きが長いんだよ」

確かに。
人生は小説のようにはいかなそうだ。
おじいちゃんやおばあちゃんになったときに
今よりもっとそれを強く感じるのだろうな。

うちのおばあちゃんも「早くお迎えが来ないかね」って言ってる。
おじいちゃんに先立たれ、友達もどんどんいなくなっていく。
昔は友達とよく旅行に行ってたのに、
いまは膝の痛みも辛そうだし、それより肝心な友達がもういない。
寂しいだろうな。

笑わせるだけでなく、
ちょっぴり切ない気持ちにもさせてくれたり
『神様からひと言』のときもそうだったけれど、
キャラクターが生き生きしていて本当に面白い小説だった。

本作の続編がハードカバーで出版されているのだが、
文庫化されたら絶対に読もうと思う(せこい)



中島らも・著 『ガダラの豚』

2007-10-23 16:20:41 | 読書


アフリカに現在も根付いている呪術にまつわる小説。
アフリカの細かな風景描写・歴史・風土や文化、
魅力的な登場人物、呪術にまつわる色々な出来事に
ドキドキさせられながらあっという間に読み終わってしまった。

単純だが、アフリカに行ってみたくなってしまった。

九州がすっぽりと入ってしまうヴィクトリア湖。
どこまでも緑の草原が続く一本道。
死ぬまでに一度は見てみたいと思った。

上司にちょっぴり霊感というか、
私には見えないようなものが見えてしまったり、
そういう女性がいる。

この小説を読み終わった日に会社の飲み会があった。
その席でいきなり上司は

「最近なんでか分からないけど、何日も連続でアフリカの夢を見るのよぉ」

と突然言い出すものだから、
思わず飲んでいたビールを噴き出しそうになった。

かくかくしかじかと説明をして、
とりあえずその小説を3巻とも貸した。

本の世界にのめりこんでいて、
『アフリカに行ってみたいなぁ~』
と思っていた私の気持ちを察してしまったのか何なのか。

死んでしまった人のおもいより
生きてる人のおもいの方が強そうだから、
そういうのが上司のアンテナに引っかかったのかなとか、

はたまた小説に出てくる登場人物のように、
『超能力でできることは全てトリック(マジック)でもできる』
と意味もなく疑ってみたり、

そもそも単なる偶然かもしれない。
まだまだ統計学的に有意ではない。
などと、小説で覚えた言葉を無理矢理使ってみたり。

上司は

「今度から変な夢を見たらみんなに報告するね」

と言っていた。
ちょっと怖いけどちょっと楽しみ。
なんだか小説みたいな展開。



村上春樹・著 『ダンス・ダンス・ダンス』

2007-09-12 15:01:48 | 読書


主人公の言う『文化的雪かき』という言葉。

今の自分に置き換えるのならば『IT的雪かき』だ。
本当にピッタリだと思った。

目の前に雪があるから雪かきをするだけで、
誰がやっても雪かきは雪かきで、
面白くもなんともないものだ。
だけど一生懸命雪をかく。
目の前にある雪を一生懸命にかく。


『上手に踊るんだ。
 周りが感心するくらい上手にステップを踏むんだ』

自分は今まで上手にステップを踏めてきただろうか。
その場、その場で最高のステップを踏めてきただろうか。

主人公はある目的に向けてステップを踏み続けてきた。
何かが起こるのをじっと待つこともあった。

自分の目的は何だろうか?
主人公のようにハッキリしてはいないけれど、
なんとなく漠然とあるような気もする。

上手に踊れるだろうか。
いや、踊らないといけないのだ。

34歳になったときの自分。
何をしているのだろうか。

現実と不思議な空間が混在している村上春樹おなじみの世界。
現実の世界がすごくリアルで、すぐにのめりこんでしまう。
青山の紀ノ国屋へ、よく調教されたレタスを買いに行きたくなる。

・ノルウェイの森
・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
・海辺のカフカ
・ねじまき鳥クロニクル
・国境の南、太陽の西
・アフターダーク

今まで読んできた村上春樹の作品の中で、
今回読んだ『ダンス・ダンス・ダンス』が
一番好きな作品かもしれない。