さくら茶

恒例である新年の取引先への挨拶廻りをした。
数年前には先方に樽酒が待ち構えていて、天気やら景気の話なんかしながらお酒を振る舞われたものだった。凝った亭主がワインとチーズを用意してくれたこともあった。
さすがに最近は、酒酔い運転撲滅の風潮に敢えて戦いを挑む馬鹿は減ってきた。今日の訪問先も並べられた徳利は手もつけられていなくて、温かい焙じ茶が出てきた。
ある一軒の銀行は数年前から振る舞い酒を止めていて、そのかわりにさくら茶が出てくる。借りろというくせにいざという時にしぶちんなのだけれど、この配慮は気持良い。さくら茶が嬉しかったので精神が落ち着いた。今年はこの銀行と取引しようかという気になる。てだまに取られているだろうか？