土屋龍一郎のブログ

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ざくろと猫バス

2005-11-10 22:21:30 | Weblog
 両親の家の庭に昔からざくろの木がある。子供の頃、母がその実をもいでくるとぶつぶつと小さくて赤い粒を口にほおばって、じゅるじゅると汁を吸った。口が赤くなるし、甘いようなすっぱいような大人の味で、しかも種が多くて口から吐き出すかすが多くて、満足度の低いおやつだった。
 それもそのはず、グレナデンはお酒と混ぜて実に大人の、それもストイックなタイプの大人の飲み物なのであった。今ではグレナデンシロップを使ったデザートなんかがあって、結構市民権を得ているけれど、それでもちょっと駅前で買える果物の仲間ではない。

 鬼子母神伝説に登場する果物だとは女房に聞いて知ったけれど、ざくざくと子供をほおばって滴り落ちる血は、ざくろの汁の色なのだろうか。

 今年も大きな実を付けたとのことで、風流人である母が届けてくれた。この質感と形状はとっても絵になる渋さなので、玄関横の小さな出窓に女房が飾った。
 良く見ると置いてある小さな実は、女房が修正液を使って描いたどんぐりの「猫バス」である。

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