表千家一期一会

『茶会記を読み解く 茶人の工夫と茶会の変遷』

先日
「ハントウの茶事」という
耳慣れない言葉を聞きました

一瞬「半東の茶事」?
思いましたが
「半東」ではなくて
「半灯」でした

それは
夕方から始まる茶事で
初座は灯火が無く
後座は灯火を必要とする
会なのだそうです

興味を惹かれたので
検索してみますと
ほとんど見あたらなかったのですが
ある本の目次に
「半灯」という項目があったので
買ってみることにしました

『茶会記を読み解く 茶人の工夫と茶会の変遷』
(神津朝夫・著 淡交社)

内容は
第一章 茶会記の基本
第二章 茶会の形式
第三章 茶会記の諸相
第四章 茶会記の原文

この第二章に
第一節 朝と暁の茶会
第二節 昼と飯後の茶会
第三節 夜と跡見の茶会

とありまして
「夜の茶会」の一つとして
「七半時から始まる会を『半灯』という」
と書かれていました
「七半時」というのは
夕方5時頃のことなのだそうです

因みに
現在は式正な会は「正午茶事」と
言われますが
江戸時代以前の初期の茶の湯では
昼の茶会は少なく
朝食を出す朝の茶会が
最も多かったのだそうです

しかも
夜明け前の一時間も二時間も前から
茶会を始めていたといいます

そして江戸時代に入ると
夜が明けてから始まる
「朝会」が
だんだん増えてきて
夜明け前からの朝会は
区別して「夜込」(よごめ)と
呼ぶようになったのだそうです

その後
「夜込」の茶会が
「暁」と言い換えられたのだといいます

残された会記によると
その茶会は
「寅刻」(午前三時)に
始まったようです

但しその内容は
『「夜込」の朝会であって
現在の「暁茶事」では無い』と
書かれていました

えっ?
なんだか頭が混乱してきました

本書によれば
現在の暁茶事とは
「冬季に行なう
まだ暗いうちに客を迎える
前茶に始まり
初炭では炉中と釜の水を改め
懐石が終わる頃に
夜が明け放たれる風趣を楽しむ茶事」と
ありました

要するに
今に言う「暁茶事」とは
単に早朝に行なうという
時間によるものでは無く
厳冬の酷寒の中
夜の明ける風情を楽しむことに
眼目のある茶事と
いうことのようです

いつの日か私も
この「暁茶事」を
行なってみたいと
憧れております。。。
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