「利休道歌に学ぶ」 淡交社
阿部宗正著

私は
初めてお茶のお稽古を始められる方に
稽古道具をお持ちいただく時には
利休百首の扇子を用意させていただいています
その折には いつも
冒頭の歌
その道に入らんと思ふ心こそ
我身ながらの師匠なりけれ
をお読みし
お茶の門をくぐられたことを
お喜びし
お迎えすることとしております

利休道歌は
どれをとっても味わい深く
何度読んでもよむ度に新たな学びがありますが
私が今 一番気になっているのは
次の一首です
点前には重きを軽く 軽きをば
重く扱ふ味わひを知れ
三年前に
今の先生の稽古場に入れていただき
初めて点前をさせていただいた時
先生から
「いいけれど 情緒がない
情緒は 自分で感じるものではない
見る人が感じるもの」
と言われたことが
ずっと私の課題として
心に残っているのです
味わいある
見る方に
情緒を感じていただけるようなお点前が
できるようになりたいという思いが
いつも心にあるのですが・・・
まだまだ道半ばです