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「清流無間断」
黄梅院太玄師
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青漆爪紅糸巻棚 薄茶点前
二重棚には
歴代家元のお好みがあり
色々な飾り方ができて
お稽古にもお茶会にもよく登場して
私達の目を楽しませてくれます
とは言っても
二重棚はさほど古くからあったものではありません
その歴史を紐解けば
もと水屋において道具をのせておく棚から
久田宗全が好んだ三重棚をもとに
後に十代吸江斎が溜塗二重棚を好んで
生み出されたと伝えられます
時代は幕末の頃
その後
明治維新を迎えて
11代碌々斎が
青漆爪紅糸巻棚を好まれました
そして
12代惺斎の時には
茶道人口の興隆に伴い爆発的に好み物が増え
二重棚だけをとっても
桐木地
桑木地
飛騨製糸巻二重棚
杉木地糸巻二重棚
桐木地糸巻透二重棚
など多数のお好みが生まれたようです
(参考:「即中斎記」)
このように見ますと
時代の変化によって
その時々に必要とされた道具が生まれ
お茶の世界は常に流れ
ひとときもじっと止まっていなかったことに
あらためて気づかされます
「清流無間断」
昭和・・平成・・
そして令和の今
世界的な波が押し寄せる中
お茶の世界はまた
新たな潮流をうみ出そうとしているかのように感じます
変わるものを受け入れると共に
変わらないものを大切に守っていきたい。。。
そんなことを
稽古場に座ってじっと考えていました
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主菓子 合歓の花 鼓月製
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干菓子 貴船の彩 俵屋吉富製