古稀背包客放浪記

古稀バックパッカーの東南アジア見て歩る記

絲綢之路12 乗り鉄

2011-11-19 20:42:18 | 旅行

街角にて(カシュガル市)
還暦背包族(bei bao zu)放浪記 その127

2011年10月31日(月)481
今年の6月28日に開業したカシュガル、ホータン間の列車に乗る。
喀什10時55分発和田行きの5826次列車の硬座に乗る。
今回の中国で初の硬座だ。
前回、ウルムチから喀什に来た時に、列車のほとんどの客が喀什で降りたので、その先はガラガラだと思ったがとんでもない間違いだった。
カシュガルから乗る乗客を考えていなかった。

硬座の車両は無坐の切符も発売するのでその混みようは尋常ではない。
何と言ってもその荷物の大きさ、量にも原因はある。
連結部や洗面所は言うに及ばず、通路にも荷物が置かれ足の踏み場も無い。
乗客の混み具合は150%でも、荷物は200%を越える。
自分の席に座るまでに暫らくかかる。
やっと辿り着いても、そこには他人が座り、ザック一つ置く場所も無い。
切符見せて席を空けてもらう。

中間の叶城を過ぎた辺りで乗車率100%になる。
それまでは廻りはほとんどウイグル人で漢字を介さなかった。
話はウイグル語で、小生には中国語で話しかけるが、紙に書いてくれというと解らないと言う。
話し言葉は中国語で出来るが漢字が解らない様だ。
叶城から乗り込んで、隣に座った女性とやっと中国語の筆談が成立した。
トルファン出身のウイグル人でホータンの小学校の先生だった。

絲綢之路11 カラクリ湖の空振り

2011-11-09 01:07:00 | 旅行

朝日に輝くムズータクアタ峰(7546m)(新疆ウイグル自治区カシュガル地区)
還暦背包族(bei bao zu)放浪記 その126

2011年10月x日
カシュガルに風が吹いて、街は土埃の中に沈んだ。
辺りは朦朧として霞んでいる。

時々風が舞う。

パキスタンのギルギットの青年が日本の娘に恋をした。
彼の名はJ.フセイン、23才の敬虔なモスリムだ。

二週間ほど前に、トゥルハンの青年旅舎で彼は日本人の女の娘の「Mi」に会った。
彼は一瞬にして恋に落ちた。
彼は以前から日本に興味を持ち、日本語の勉強をしていたが、同時に日本の女の娘にも強い憧れを持っていた。
色々な条件があったにせよ、彼には運命と思える出会いであった。

「Mi」が困っていればその手助けをし、こまごまと世話を焼いていた。
「Mi」が時計を無くしたと言えば、カシオの時計を買ってきてプレゼントした。
十分に自分をアピールし、彼女の注意を引こうとしていた。

一週間後にカシュガルで再会し、数人で、カラクリ湖への一泊旅行もした。
常に、彼は「Mi」に寄り添い楽しげであった。

標高3600mのカラクリ湖は既にシーズンオフと見えて閑散としていた。
しかし、山々は昨夜降ったのか、うっすらと雪をかぶって眩しく輝いていた。
遠くのゴングール峰(7719m)や、世界百名山のムズータクアタ峰(7546m)も白銀に輝いていた。
辺りに、「みどり」は無い。
ただ、荒涼とした高原の風景があった。
明け方には、ゲルの中で零下13℃を記録した。
そんな中、彼女らは湖畔を歩いている。

付き合ってください。
パキスタンに一緒に行こう。
結婚してください。

カシュガルに帰った昨晩、「Mi」はヨーロッパの男達とテラスで酒を飲み、タバコを喫い、その後バル(バー)に繰り出して遅くに帰ってきた。
全ての行事に参加できないモスリムの彼は、それを痛々しげな悲しい眼で眺めていた。

J.フセインは小生にこう告げた。
私は間違ってました。
神様の許しを得ていない。
神様にとって「Mi」は悪い人です。
恋をした私は間違っていました。
私の神様は「Mi」を許してくれない、、、

明日の朝早くにギルギットに帰らなければならない彼は、昨夜のヨーロッパの男達と出かけた「Mi」の帰りを、宿のロビーで待っている。
やはり、完全には諦め切れないようだ。
未練がましく、悲しげな眼差しで佇んでいる。

お父さん(彼は小生のことをそう呼んでいる)私は行かなければなりません。
今日は別のホテルに友達と泊まります。
明日の朝早くにギルギットに帰ります。
もう、此処には来れません。
「Mi」は私に電話しなければなりません。(電話して欲しい。)
「Mi」にメッセージを残しましたが、彼女に伝えてください。
ずっと帰りを待っていました。
私、難しい、少し悲しい、困難です。
私の神様は助けてくれない。

宗教と戒律、国籍と人種、男と女、
旅の空のカシュガルでの小さな出来事です。

番外編

2011-11-08 12:12:38 | 旅行

カシュガルの街裏で(カシュガル市)
還暦背包族(bei bao zu)放浪記 その125番外編

番外編
2011年11月7日(月)
本日、hotmailアドレスのメールがダウンしてしまった。
全部が駄目になってしまったようだ。
復元しようとしているが難しい。
迷惑メールを大量に発信しているらしい。

アドレスの控えを取っていないので、如何する事も出来ない。
必要最小限のことはしておかなければならないようだ。

メールでやり取りしていた人々には申し訳ない。
新しいアドレスを取得したので、申し訳ないがそちら宛にメールを頂きたい。
アカウント名は同じで、@以下を変えただけです。

新しいアドレス。 (同じアカウント名)@hotmail.co.jp
@live.jpから@hotmail.co.jpに変えて下さい。
宜しくお願いします。

Last day,my e-mail was completely down. Then ,Please send me an e-mail to new address.
New mail address (same account name)@hotmail.co.jp
(Change only @live.jp to @hotmail.co.jp)

絲綢之路10 カシュガルその2

2011-11-07 13:51:23 | 旅行

朝日のあたる高台民居(カシュガル市)
還暦背包族(bei bao zu)放浪記 その124

2011年10月21日(金)
カシュガルの朝の8時の空に北斗七星を見付ける。

納得いかないが、何の事は無い。
カシュガル、北緯39度40分東経76度。仙台、北緯38度20分東経140度10分。
緯度は仙台より北なのだ。北斗七星は、ほぼ同じ高さの北の空にある。
時間が仙台より64度分の約4時間遅れだけなのだ。
だから北京時間の朝の8時に、北の空に北斗七星があって何の不思議も無い。

感覚的に大分南に来た感じがするが、ただ、西に移動しただけのようだ。

絲綢之路9 カシュガル

2011-11-05 01:21:20 | 旅行

エイテガールモスク(カシュガル市)
還暦背包族(bei bao zu)放浪記 その123

2011年10月20日(木)
何事も過剰に期待しない方が良いようだ。

カシュガルも中国のその他の地方都市と同じく近代化(漢化)し、シルクロードの世界は既に無い。
憧れのカシュガルを訪れるのには、十年遅かったかと思われる。
此処も同じ中国の一地方都市でしかない。
郊外も既に漢化が進み、シルクロードのイメージには程遠い。
近代化という名のもとに、言葉が失われ、習慣が失われ、自然環境が失われ、衣食住が失われ、民族そのものが失われていく。
それが現実の中国世界のようだ。

風が舞い、粉塵が舞う。

エイテガールモスクも、旧市街も。香妃墓も、カシュガル大バザールも、喀什地区博物館も全てが砂塵の中に曖昧模糊としている。