府中市における協働をテーマとする研修会である。
この研修会は、よく考えられていて、次のような組み立てになっている。
①まず一般職員を対象とする研修。私の話とワークショップである。
②管理職対象の研修会。市長さん、副市長さん、教育長さんも出席する。ミニワークショップ付きである。
③協働をリードする協働推進員による、協働による事務事業の提案・見直し。これは間隔を置いて開かれ、最後に市長さんたちの前でプレゼンする。
①と②で全庁的な基盤を作り、③で具体的に協働による事務改善・業務の提案を考えるものである。
私のいう協働とは、行政とNPOが一緒に汗を流すことではない。市民(NPOのほか、自治会、企業も含まれる)が、公共のために、存分に力を発揮することをいう。これは国語としての「協働」ではなく、政策論としての「協働」を考えるということである。
この日は、①と②があったが、①では事前の宿題を出したが、私の話を聞いて、新たに考え直してみたという発表があったのが印象的だった。つまり、それまで、協働を一緒にやると考えて、そのためのアイディアを考えてきたが、市民が存分に力を発揮するのが協働と考えると、そのために行政ができることはないかと考え、アイディアの組立て直しをしたというものである。
②では、うちの課はNPOと関係ないので、協働は本音のところでは関係ないと思っていた幹部職員の人たちにとって、協働の考え方は、新たな気づきになったのではないか。大事なのは、協働はお金が厳しくて、役所が困ったからやるのではなく、私たちの社会そのものが、市民一人ひとりが、存分に力を発揮する社会として、組み立てられていることである。だから、お金があっても、協働は進めるのである。ミニワークショップは盛り上がっていたが、その後のインタビューや質疑が面白かった。市長さんや3役のみなさんも、熱心に聞いてくれていたのが印象的だった。
府中市の中心部、京王線の府中駅周辺は、歩道も広く、こじゃれた街並みであるが、町のなかに大国魂神社があり、そこにいたる参道のケヤキ並木が見事である。賑わいと緑がマッチした町で、住んでみたいと思う町なのだろう、人口もまだまだ伸びている。しかし、それでも、いずれは人口も止まり、高齢化も進むので、今から、市民が存分に力を発揮する町にむけて、体質改善を進めていく必要がある。そんな趣旨で、しばらく、そのお手伝いをしようと思う。