松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆無作為抽出市民討議会の得意分野(相模大野)

2019-12-09 | 1.研究活動
 無作為抽出市民討議会があった。

 相模原市南区では、もう5回目になる。今回は、「世代間交流」を取り上げた。50人近くのメンバーが、午後1時から5時までの長時間、和気藹々とした飽きさせない会議となった。

 今回は、これまで参加したことがある人にも、声をかけた。7人が参加した。以前参加して、面白かったと思ったのだと思う。

 今回も運営は、若プロのみんなで、すっかり手馴れ、安心してみていれる。

 いくつかの課題も気がついた。まずは、無作為方抽出方式の限界のような点である。

 今回は、世代間交流のヒントを考えることがメインテーマだった。ただ、世代間交流と言っても漠然としているので、自分の趣味や得意を活かして、それを公共活動につなげ、これで世代間交流を進める方法を考えてもらうというのが、狙いであった。

 ただ、実際の運営では、このようにならず、参加者が大事だと思えるテーマごとに、現状の課題をだし、それ踏まえて、そこから対応策を考えるという展開になった。だから、インスタをもっと普及させて、世代間の交流を進めればよいという話になった。

 しかし、私たちから見ると、こうした、こうすればいいという話は、これまでも何度もやっていて、課題や対応策は、それなりに出てきている。

 それを繰り替えてやっても、足踏みなので、今回は、これを踏まえて、「私なら、インスタの普及のために、こうした活動ができる」、「それには、こうした条件が整備されたらよい」といった、自分に引き戻しての話をしてもらおうと考えたが、これは、私たちの思いが先行しすぎていて、若プロのメンバーにも、参加者にも、うまく理解してもらえなかったようだ。

 具体的には、こんなイメージである。最後に私が話したが、前日のコンサートでも体験したことであるが、最近のコンサートは、スマホでGRコードを示して入場する方式になっている(おおさかに、聞いたら、転売対策や作業負担の軽減のために、これが常識のようだ)。

 たしか、そんなメールが来ていたように思ったが、忙しいので、そのままにして、コンサートでは、少し早くいって並んでいたら、開場の10分前に係の人が出てきて、「GRコードをダウンロードして準備してください」と言っていた。

 私は、すでにお金を払っているのだからという感覚で、そんな準備もせずに、会場に行ったが、そんな話で、「え、なにそれ?」といったら、そうしないと入場できないとのこと。慌てていたら、一緒に並んでいる周りの若者たちが、「おじさん、スマホ貸して」と言って、アプリをダウロードし・・・・・???、そんなことになった(アンドロイドは、使いにくいなど、余計なことも言っていた)。

 要するに、これが、今回、みんなで考えようとした、「自分の趣味や得意を使って、世代間をつなぐ方法」の一例である。若者ならば、アプリをダウンロードして・・・・・は、当たり前にやっている。中高年では、それが苦手の人もいる。両者をつなげは、世代間交流だし、自分の個人的趣味も、人助けや公共活動になる。

 むろん、この逆もある。中高年が、自分の(普通の)経験や知恵を使って、若者を助ける方法であるが、これもたくさんあるだろう。

 こうした個人の趣味や得意を人への助力や公共活動につなげることができたら、社会はもっと優しく、かつ効率的になるのではないか。もう新たなものをつくるお金はそうはなのだから、こうした既存の資源をうまく使えば(つなげば)、いい社会になるはずである。

 ただ、このような話を無作為で初めて集まった人たちと行うのは、相当、難易度が高い。やるとしたら、それなりの周到な準備と説明が必要だと思う。

 終わった後、南区のSさんもうまいことを言っていたが、無作為抽出は、「初めの一歩に適する方式」ということなのかもしれない。

 ならば、徹底的に楽しく、仲間になるための会議に純化するというのも、ひとつの行き方かもしれない。人の輪を広げるものと考えれば、やることも違ってくる。そんなことを考える、良い機会になった。

 
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