松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆「選ばれるまち」と若者政策(本郷台)

2013-08-15 | 1.研究活動
 神奈川県下市町村職員と若者政策の展開点について考えた。
 私の問題意識は、まちの持続可能性のポイントのひとつが、若者であるというものである。若者が、まちに残り、働き、子育てをし、社会活動を活発に行っているまちが、持続していく。
 これは、若者の流出が著しい、三浦半島に住んでいるからだと思う。まちは、若者の流出を防ぐ試みをやっているが、ほとんど効果がない。

 若者はなぜ、そのまちにとどまるか。
 働き口があり、子育て環境がすぐれていることが大きいだろう。むろん、そのために自治体でできる部分は限られているが、自治体政策はホームランを打つのではなく、ヒットを重ねることが大事なので、できる施策を重層的に積み上げていけばよい。
 地方では、この点に特化して、若者を呼び込んでいるまちもあるが、特に子育てについては、ずいぶんとできることもあるだろう。

 この研究会は、若者の社会参加をテーマにしている。社会参加が、果たして若者がまちにとどまる誘因になるかという意見もあるだろう。たしかに、社会参加ができるから、そのまちにとどまるという若者は稀であるが、大事なのは、その本意は、若者の出番がある闊達な社会ということである。
 若者を引きとどめる新たな政策も、自由闊達な社会があって、はじめて生まれてくる。21世紀の地方自治は、行政だけの知恵ではもはや乗り切れない。行政も一生懸命、知恵を出すが、市民もその持っている知恵やアイデアを闊達に出すことで実現できる。新しい公共論であるが、若者の社会参加が豊かということは、こうしたさまざまな知恵やアイデアが出てくる社会かどうかを計るリトマス試験紙のようなものだと思う。

 若者政策に地道に取り組むか否かが、その後の自治体の持続可能性を占うポイントのひとつになるだろう。都市間競争の中で、生き残るまちを目指して、相模原でも、そして三浦半島でも「選ばれるまち」を目指している。その実現は、表面的で華やかなシティセールスではなく、まちの土台のところから地道に取り組んで、まちの魅力を上げていくことが、結局、「選ばれるまち」の早道だと思う。

 わが三浦半島は、若者の流出が著しいが、三浦半島は実に住みやすいところである。この夏も海風が爽やかである。
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