松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆地方自治法という名称は正しいか(三浦半島)

2013-02-01 | 1.研究活動
 地方自治法は、地方自治の基本法であるが、果たして体を表した名称なのだろうか。
 全部で400条近くに及ぶ条文のうち、住民が主語の条文は、12条あたりの請求権の規定と242条あたりの監査請求、住民訴訟の合計6条しかない。大半は行政や議会に関することである。たしかに第1条の目的には、「地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立すること」と書かれている。
 地方自治は、地域の課題を解決して、地域の住民が平穏に暮らせるようにするために自然発生的に始まるが、明治維新以降、急速な国民国家形成の過程で、それが統治機構のみに矮小化されてしまった。国の統一を急ぐ、その時代ならば仕方がなかったかもしれないが、21世紀に入り、地方分権がスタートして10年以上たつ今日、もう一度、原点に戻る必要があるのではないかというのが私の問題意識である。自治原点に戻って、市民一人ひとりが価値があり、その力を存分に発揮する社会を再構築していかないと、私たちの国は活力を失ってしまうという危機意識が出発点でもある。
 地方自治法というから誤解を受けるのであって、素直に地方公共団体法といえば現状がよくみえる。そこから、新たな地方自治法をつくる際の目標もはっきり見えてくると思う。
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