松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆審議会の作法⑦机の配置・流山から南区へ(三浦半島)

2017-01-07 | 審議会の作法

 審議会で、充実した議論を行うためには、机の配置も重要である。

 流山市の自治基本条例では、市民と行政が向かい合って、まじめに議論したので、どうすれば、良い議論ができるのか、両者の距離を真剣に考えた。具体的には、机の距離である。

 最初は、「ひざを交えて議論する」の言葉に従って、机をできるかぎり寄せて会場を設置した。詳細は忘れてしまったが、おそらく180㎝×45㎝の机を2つ合わせたと思う。つまり、90㎝の間隔で向かい合った(写真を見るとそのようになっている)。しかし、これは失敗だった。お互いが近すぎて、緊張するのである。目をそらす距離がないというか、安心できる距離というものがあるようだ。実際、手持ちのメモも見えてしまうのも、いいものではない。

 そこで、次ぎには、もう一つ机を入れてみた。これで45㎝×3で135㎝である。以後、この距離で会議を続けた。果たしてこれで正解だったのか。90㎝から広がていったので、ここで止めたが、45㎝×4で180㎝でもよかったかもしれない(やってみようという方は、試してほしい)。ただ、この距離が限度だろう。これ以上広がると、今度は、離れすぎて、大きな声を出さざるを得なくなり、喧嘩腰のようになってしまって、弊害が多いように思う。

 もう一つ、こちらは形の話である。審議会の机の配置は、通常はロの字である。当初、相模原市南区の区民会議も、委員が25名もいるので、一般的に机を四角に配置して会議を始めた。そうすると、委員の中には、前に向かってではなく、後ろに控えている役所の人に向かって話しをしはじめる人が現れた。また、外した話を延々とする人も現れた。四角だと、自分の列の人の顔が見えず、つまり、相手の反応が見えないために、話を外していても、気がつかない。

 そこで、次から、机を円形に並べてみた。机の関係で完全な円形にはならず、やや角ばった丸であるが、要するに顔の見える関係になった。そうすると、建設的な発言が山ほどでてくるのである。顔が見える関係になったということもあるし、みんなで話し合おうという気持ちが、参加者に伝わったからかもしれないが、席を丸くするということは、それだけでも、随分違ってくる。

 細かいことかもしれないが、机の配置を工夫するということも、会議を議論の場とする工夫のひとつである。せっかく集まったのだから、参加している人の力を引き出さなければもったいない。だから、以来、私が座長の会議は、会場が許せば、円形にしている。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆空き家の利活用(茅ヶ崎市) | トップ | ☆審議会の作法⑧一人2票(三... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

審議会の作法」カテゴリの最新記事