一昨年、本郷台の研修で一年間、一緒にやったメンバーと新プロジェクトが始まった。
本郷台の研修は、新しい政策をリードする神奈川県らしく、どこでもやっていないテーマを取り上げ、大した情報のない中で、早晩、自治体の課題になってくるテーマを取り上げて、先行的に問題提起するという研究会だった。
それが神奈川県の役割位だと思っていたし、こうした学びを通して、自治体職員としての、視点やセンスが磨かれると考えていた。
その最後の研究会で、取り上げたのが、今回のテーマである「定住外国人活躍政策」である。このときは、まだ、新入管法が出る前で、最初は、なんでという議論もあったが、結果的には、その後、新入管法が制定され、やはりということになった。
事実上の移民政策であるが、政府は、移民政策ではない言い張るので、国の人たちは、力を入れた本格的な検討ができず、これまでの延長線をなぞるような施策メニューが出されて、結局、自治体に丸投げされることになると思う。
他方、地方自治体のほうも、十分な問題意識や積み上げがない中で、取り組みをはじめざるを得ず、結局は、場当たり的な対応になってしまうおそれは十分ある。ヨーロッパの反省を生かせずに、ともかく人口が増えた、労働力が助かったといったレベルに終わってしまっては、結局、混乱を招くようになるのだろうが、なんとも歯がゆい限りである。
私達ができることは、そう多くはないが、せめて、自治体が、定住外国人問題を安心して考え、道を開いていく際の、ヒントのようなものが示せればと考えて、それを本として、形にしようと考えたものである。
自治体職員の人たちと、一緒に本づくりをするのは、マッセ大阪の人たちと、ドイツのプラーヌンクスツェレを本にした時以来である。『熟議の市民参加-ドイツの新たな試みから学ぶこと』である。
本を出すことの社会的意義とともに、一生懸命やった人たちが、自分の体験を形に残せることはいいことだと思うので、それを後押しするのが私の役割のひとつと考え、ひと頑張りしたいと思う。
この日は、キックオフの宴会で、藤沢で、大いに語り、大いに飲んだ。ともかく、楽しみながら、気楽に、頑張ろう。