松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆スポット参加を考える・区民会議(相模大野)

2020-02-01 | 1.研究活動
 区民会議では、スポット参加を考えた。

 現在の地域活動は、高齢者が中心となって行われていることが多く、働く世代・子育て世代や若い世代のまちづくりへの参画が少ない。
 ただ、これら世代は、とりわけ忙しいので、地域活動に参加するのには、ある種の負担感があるのではないか。

 こんな問題意識から、「地域活動スポット参加」は、その負担感を軽減するために、まずは、「運営の主体ではなく、簡単なことや得意なことから少しずつ地域活動に関わってもらうこと」や、「趣味の活動など、普段行っている活動のうちの1回を地域活動に移して参加してもらうこと」などによって、その地域活動の内容・必要性などを知ってもらうきっかけとし、将来の担い手をつくっていく取組みである。

 ここまでは、よく分かるが、では実際、その政策化は難しい。

 いろいろ考えたが、まず、多くの人に、さまざまな地域活動を知ってもらおうと、活動自体の周知方法について、検討することにした、その方法は、紙媒体というのが一般的であるが、ここでは、動画を使うことにした。

 どんな活動があるのかを知る方法、誰が動画を取るのかなど、これを全員で考えることにした。

 このとき、事務局側に座っているまちづくりセンターの所長さんたちにも、考えてもらうことにした。ただ、座っているだけでつまらないだろうと思ったからである。さすが、なかなかポイントを付いた意見が出た。これからも変化球で、グループを作って、考えてもらおう。協働型附属機関を目指しているので、「知恵を持っているものは、誰でも使え」である。

 たくさんの意見がでたので、今後は、これを整理するが、まちづくり会議など、より地域に近い人に聞いたほうがいい、動画ならば、趣味の人を巻き飲んでとってもらったほうがいいなど、印象に残った意見があった。

 コメントの中で、オルソン問題とフリーライダーの話をしたら、副会長の坂本さんがはまって、終わりの挨拶で話していた。オルソン問題は、公共的なことは、自分はやらずに、人がやってくれたことの、おこぼれを預かっている方が、短期的には得だという考え方である。そこから、フリーラーダー(タダ乗り)がでてくる。

 オルソン問題は、まちづくり以外でもたくさんある。附属機関の会議も、自分は考えず、会長や事務局に任せたほうが、短期的には得だと考える人がいる場合もある(南区区民会議ではないが)。いろいろな仕事でもあるだろう。人にやらせたほうが、楽だという考え方である。

 しかし、みんながタダ乗りをやっていると、まちがどんどん悪くなり、結果的には、自分にとっても不利益になる。長期的には、損になる。

 オルソンの答えは、小さなグループにする(タダ乗りできないから)、罰則や制裁を与えるなどである。小さなグループは、みんなが当事者になるということなので、これは、こうした附属機関の会議でも実践して、このようなグループワークも採用している。

 オルソンの答えのひとつは、制裁であるが、私の答えは、生き甲斐、楽しい、やったぞという充実感をつくるというものである。オルソンの向こうを張って、マツシタ問題と名付けてみようか。人任せにせず、自分がやった方が、短期的にも得だという理論であるが、どうだろうか。
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