松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★協働研修・市民が講師となって職員研修を行う(戸田市)

2020-01-31 | 2.講演会・研修会
 自治基本条例の5周年記念、庁内研修会である。

 戸田市の自治基本条例ができたのが、平成26年、全体で言えば、遅い制定である。5年が経ったので、職員向けの研修会があった。今回は、1時間、私が話をして、後半は、戸田市民で制定当時からのメンバーで、現在は、推進委員会の会長でもあるYさん、制定時の市民会議の会長であるHさんが、話をするという内容だった。

 これが実に良かった。ふたりともいい話をし、その後の質問に対する回答も、これも良かった。

例えば、こんな話をされた。なぜ自治基本条例に関わったかであるが、東日本大震災があり、東北にボランティアに行った。戻ってきて、あらためて考えて見ると、戸田市に長い間、住んでいるが、地元に関係する活動をしていないことに気がついた。なにかできることはないか、でもどうしたらいいのだろうと、考えていたとき、たまたま、仕事の関係で市役所の課長さんにお会いしたそうである。

 そのとき、そんな自分の気持ちを話したところ、「そういえば、自治基本条例というものの検討が始まり、市民委員を募集しているので、応募してみたらどうか」と課長さんに言われたそうである。それで、どんなものか分からなかったが、参加してみたのが、きっかけだった・・・。大要、こんなお話だった。

 Hさんは、こうして、公共的にことに関われるようになったのは、その時の課長さんのおかげと、大いに感謝していたが、自治体職員のちょっとした心がけで、このように、町のために、活動してくれる市民が、育ってくるのである。

 自治基本条例は、こうした、行政や議会、市民のちょっとした心がけ、後押しを育てる条例であるが、いかにも、自治基本条例らしいエピソードを、自分の体験を踏まえて、自分の言葉で話すことは、市民でなければできないことである。さまざまな人が、自分の得意分野で、公共的なことに関わるのが、協働であるが、協働研修らしい研修になった。

 職員研修に、市民を呼んでくるという事業を計画した担当者は、一抹の不安もあったと思うが、その期待を裏切らずに、市民らしい言葉で、研修の意図を体現する市民もすごいと思う。
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