松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆福祉条例+12時間働いた(新城市)

2021-07-22 | 1.研究活動
 この日は、新城市の「福祉従事者が仕事にやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例」の最終回だった。

 この条例づくりは、すでに条例のもとになる福祉従事者による円卓会議があって、条例の前文に当たる立法事実や条例の主な骨子もできていたので、楽勝かと思っていたら、意外と手間取り、コロナ禍ということもあって、なかなか思い通りに行かなくて、消化不良気味で終わりそうだった。

 それが動いたのが、パブリックコメントである。具体的で説得力がある意見が出て、それで行政が動くことになった。前文がつくられ、普通の人が読んでも、より分かりやすい条例になった。

 とくに、パブコメを受けて、出来上がった前文は、福祉とは何なのかという基本(教科書的という意味ではない。もっと根源的な意味)から説き起こした前文なので、そうか、だからこの条例が必要なのかというのが、すっと入ってくる条文になっていた。

 もし、私に書けと言われたら、ここまでは書けないと思う。研修でいつも言っているが、条例づくりは、この条例が必要であるという強い思いがあってのことであるが、まさにその通りになった。

 議論となったのが、タイトルで、元は「やりがいと自信」であったが、自信は、主観性が強いという理由でなくなった。それに対して、委員さんから、「仕事はやりがいをもってやっている。でも、それだけでは続けられない。くじけそうになる時、それを支えるのが「自信」である」といった意見が出された。とてもいい意見だと思う。私なら、この話を聞いて、即「自信」という文言を復活する。

 要するに、「やりがい」を支える「後押し」のようなものが大事なのだと思う。後押しには、内発的な「自信や誇り」があるし、行政の「逃げない姿勢、専門性、さまざまな支援策」、市民や関係団体等による「当事者性や連携協力」がある。こうした後押しの総合施策を展開するのがこの条例である。

 考え方は、2つあり、これら総合施策の典型例として「自信」を例示する方式もあるし、自信は、その一つなのだから、タイトルの解説や条例の紹介文のなかで、総合的な後押しのひとつとして、自信も大事であることを示す方法があるだろう。

 すくなくとも、「自信」が主観的であるという理由で法文に不適というのは、昭和の時代の発想だと思う。今は、関係人口やシビックプライドのように、市民のまちへの「思い」をよりどころに、自治を展開しないと生き残っていけない時代である。主観を客観化する政策展開をすれば、いいだけのことだと思う。

 もう一つ、推進委員会はいい規定である。失敗例は、あて職で、これまでの知識のない人が、委員になる場合である。公募等で新たな人の追加も必要であるが、これまで円卓会議からやってきて人たちが中心となるような設立が不可欠であるが、市役所も、そのようにするとの意向を表明されたので、この点は、発言してよかったと思う。

 ただ、定員があるので、入りきれない人もいるので、そういう人もいなくなるのはもったいないので、下部組織や応援団組織を作って、仲間の輪を維持し、広げていく工夫が必要だと思う。

 あとしばらく新城には、行く予定がないので、本来は、連れ合いと一泊し、四谷の千枚田などを訪ねようと考えたが、いろいろなこともあり、本人も熱中症気味なので、中止になった。結局、ひとりで行くことになった。

 3時前に、電車で新城に行き、メールのやり取りをしているKさんと、待ち合わせで、コメダでコーヒーを飲んだ。地域の活動をしていているので、住民から見た新城市を考える際に、いろいろ教えてもらっている。とくに行政区や地域協議会は、私にとっては、今一つ、分からないので、とても参考になる。徳定の白井茶園まで付き合ってもらい、これは申し訳なかった。

 5時過ぎに、役所にきて、まちづくり推進課、福祉課、生涯共育課にあいさつ回りをした。今度出す、本の関係で、いろいろお世話になっているので、お礼のあいさつの積りであった。しかし、黒いサングラスでマスク姿だったので、市役所の人は、怪しい人が来たと思ったろう。今度の本は、新城のたくさんの人のご協力をいただいたので、映画のエンドロールのように、本の後ろに名前を出そうと思う。

 そんなことで、連れ合いが心配だったので、この日は新城市に泊まらず、日帰りで家に帰ることにした。長坂さんが、車で送ってくれたので、新城初の電車に乗れた。新幹線は、豊橋でこだま・静岡でひかりであるが、途中、寝過ごすと、その日のうちには帰れない。途中、睡魔に襲われたが、眠くなると、電車のなかをうろうろ歩き、サングラス+マスクで車掌さんから見たら、要注意人物だったかもしれない。結局、12時に家に着いた。

 前は、こんな忙しい生活をずっとやってきたが、退職-コロナ禍で、穏やかな生活になったので、何か、久しぶりでなつかしかった。 
 
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