松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆徳島市公安条例判決の現場を歩く(徳島市)

2015-08-20 | 1.研究活動

 徳島市公安条例判決は、地方自治の中でも、最も有名な判決と言えるだろう。その現場を歩いた。

 公訴事実の要旨は、次のとおりである。
「被告人は、日本労働組合総評議会の専従職員兼徳島県反戦青年委員会の幹事であるところ、昭和43年12月10日県反戦青年委員会主催の『B52、松茂・和田島基地撤去、騒乱罪粉砕、安保推進内閣打倒』を表明する徳島市藍場浜公園から同市新町橋通り、東新町、籠屋町、銀座通り、東新町、元町を経て徳島駅に至る集団示威行進に青年、学生約300名と共に参加したが、右集団行進の先頭集団数10名が、同日午後6時35分ころから同6時39分ころまでの間、同市元町2丁目藍場浜公園南東入口から出発し、新町橋西側車道上を経て同市新町橋通り1丁目22番地豊栄堂小間物店前付近に至る車道上において、だ行進を行い交通秩序の維持に反する行為をした」

 条例は法律に反することはできないが、問題は法律に反するとは何かである。これは簡単なようで難しい。
 この事件以前に、最高裁が採用していたのが、法律先占論である。要するに形式的な文言(文章)を比較して適法性を判断していた。それを変えたのが、この大法廷判決で、ここで実質判断論に転換した。実質判断論は、法律と条例の趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなければならないとする考え方である。

 この判例の汎用性は高く、自治体職員ならば、必ず学ぶべき判例である。とりわけ3つの〇は、忘れないでほしい。

 毎年、夏になると、徳島にやってきて、この大法廷判決の舞台を歩くことになる。もう6,7年は来ているだろ。タクシーに乗ると、運転手さんは不思議な顔をする。変なところで止まり、写真を撮るからである。お客さんなので、黙って待っているが、絶対に変なお客と思っているだろう。これは地方自治研究者の聖地巡礼なのである。

 藍場浜公園 ここから出発した。

 新町橋通り(ここら辺りから東新町の入り口の前くらいで蛇行進をする)確かに広いので、渦巻きデモをやろうという気になる。

 東新町(判決に出てくる丸新デパートは、つぶれて、今は駐車場になっている。ビルの前の空地)。ここにはアーケードがあるが、それは43年当時からあったのかが気になっていた。徳島県の遠藤さんに調べてもらったところ、昭和30年ころからあったということである。今回、疑問が一つ解消した。

 籠屋町(富田町のほうから見た)。今年は看護教育学会の大会にあたり、ホテルに往生した。酷いときは、飛行機が取れない時がある。1300人の看護婦さんたちが来たというが、私の行きつけの店では会わなかった。

 銀座通り(疑問点は当時も木が植わってたのかが残った疑問点である)

 今年も阿波踊りの終わった後の静かな徳島だった。ただ、私の目には、昭和43年のデモ行進の様子が、見えていた・・と思う。

 徳島・羽田は55分。大学へ行くよりも近い。うとうとして目を覚ますと、もう羽田である。この日も、離陸すると寝てしまい、着陸の衝撃音で目が覚めた。徳島には3日間いたが、テレビも見なかったので、東海大相模が勝ち進み、優勝したのも知らなかった。さっき、初めて知った。

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