松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆ワールドカフェとお菓子(三浦半島)

2019-03-21 | 1.研究活動
 ワールドカフェ型のワークショップでは、お茶やお菓子を用意する。カフェにいるような気楽な気分で、自由に意見を出し合うというのが、その狙いである。

 私が関わっているところでいえば、焼津市や白岡市は、会場の真ん中に、ペットボトルとお菓子や食べ物が置かれている。島田市は、壁側に置かれていたと思う。他方、新城市や戸田市、相模原市南区は、特になかったように思う。

 最も賑やかなのが、焼津市のまちづくり市民集会である。ここでお茶のほか、市販のお菓子のほか、かまぼこなど練り製品もふんだんに置かれている。焼津市のまちづくり市民集会は、自治基本条例に基づくもので、この条例は、オール焼津でまちづくりの延長線で、練り製品等は、地元企業さんからの差し入れである。




 この茶菓子にも、自治体の特徴が出る。白岡市は、まじめな自治体なので、整然とお菓子が並べられている。島田市は、地元のお茶が魅力で、私は、ひそかに楽しみのひとつにしている。

 今度、それぞれ写真を撮っておこう。意外と他の自治体の参考になると思う。

 では、それぞれの費用は、どのように出しているのだろうか。

 1990年代の半ばに、官官接待や食糧費問題が話題になった。地方財政の仕組み上、国からの予算や補助金確保が必要になるので、お金を持っている人に接待をするというのは、普通に行われことになる。高度経済成長で、税金もいっぱいあったから、ここからやりくりをした。

 人の常として、ちょっと、お金があると、使い方が荒くなる。自分の財布が痛まないと、さらに荒くなる。その結果、度が過ぎた国への接待やあるいは内部的に使うということが行われた。モラルに反するような使い方も行われた(近隣の甲市などは、調査に行ったら、昼ご飯+ビールが出た)。

 横浜市は、比較的自立性が高い自治体なので、国や県に気を使うということがあまりなかった。正確に言うと、私は、自治事務の領域で企画を担当したので、国の補助金を頼るという機会がなかったのだと思う。

 都市計画の企画調査に移ったときは、初めて、国との関係を意識した。その時、気がついたのは、国と横浜市というおおざっぱな縦系列ではなくて、国土交通省の都市計画課と横浜市の都市計画企画調査課との縦系列である。業務ごとの縦系列である。だから国土交通省の再開発課とは、まったく関係がない。

 その関連で、横浜市のどこかに宴会をやったが、国に役人(課長補佐クラスだったろうか)が、宴席の真ん中に座り、その周りを部長や課長が陣取った。私は、課長補佐なので、末席の雑用係だった。

 どこの店だったのか、何を話したのか、まるで覚えていない。課長や部長が気を使ってくれているので、私は、多少の雑用とあとは、黙々と食べていたのかもしれない。ただ、これには面白い後日談があって、帰りがけに、国の役人さんがすっと私のところに寄ってきて、実は、私は松下さんの高校の後輩で、私のことを知っているということだった。

 宴会が始まる前に、その関係を知っていても、私が、何もなかったかのように、末席で雑用係をこなせるようならば、私は横浜市にいても、出世しただろうが、結局、万年、課長だったことを考えると、思わず、「〇〇くん、そんな真ん中に座っていないで、こっちへ来いよ」と言ってしまって、せっかくの秩序だった宴席が、松下ワールドの乱戦になってしまったかもしれない。

 その席は、何かを無理押しをする話ではなかったので、その後は、縁がなくなってしまったが、その後輩も、とっくに退職して、どこかの外郭団体に天下りしているのだろうか。

 話題がそれてしまったが、その当時、半分、ただの飲み食いのために、荒っぽく食糧費を使ったので、税収が厳しくなる1990年代の後半にはこれがやり玉に挙げられて、食糧費は厳しい枠にはめられるようになった。

 その反動で、今度は、「ごくろうさん」と、お茶やお弁当を出すべき時にも、躊躇し、気持ちを踏みにじる場合も出てきた。行方不明者捜索のために活動した消防団(非常勤特別職公務員)にペットボトルのお茶を出すのも、「疑義がある」という会計職員もいるようである。

 まとめると、
・ワールドカフェでお菓子を出すのも、それなりの理屈がいる。簡単にはお茶は出ない。
・お茶の出し方であるが、調べたわけではないので直感であるが、
  ・ワールドカフェでお菓子を出すのが半分くらいか
  ・そのお菓子代は、ポケットマネー、食糧費、企業の寄付などがある。
  ・食糧費は役所のお金である。ワールドカフェは、みんなでつくる。ただ、食糧費も税金なので、みんなでつくるという理念にははんしていない
 ・焼津市のように企業の寄付というのは、全国でも例が少ないと思う。これも「協働」の実践であるが、焼津市の人たちは、このすごさに気がついていないと思う。
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